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 ドリルシステムやマイキャンプなど、とてもユニークなシステムを数多く採用している『トリックスター』。正式サービス開始後のユーザーからの反響や、今後の運営方針などを聞いてみました。
韓 相雄 氏
(株)ジークレスト/オンラインゲーム事業部プロデューサー。日本国内での『トリックスター』の運営を統括。オンラインゲームで作られるコミュニティの楽しさについて熱く語ってくれた。
●国内での正式サービスがスタート。気になるユーザー層は?

かわいいキャラクターが『トリックスター』の魅力の1つ。公式サイトで募集したイラストコンテストにも多くの作品が集まった。

――本日はよろしくお願いします。3月1日にマイショップがオープンし、いよいよ本格的なサービスが始まりましたが、ユーザーからの反響はどうでしょう?
韓 相雄氏(以下、敬称略):マイショップがオープンしてからは、登録ユーザー数がさらに伸びまして、3月11日で10万人を突破しました。その後も日に日に伸びていまして、ゴールデンウィークまでには20万人を達成できるかなと考えています。
――同時接続者数が多い時間帯というのは何時頃でしょう?
韓:同時接続者数についての大きな特徴は、常に平均的な数のユーザーが遊んでいることです。これは、幅広いユーザーから支持をいただいているからだと解釈しています。16時くらいから接続者数がゆるやかに増えて、社会人、大学生が入ってくるぐらいの21時以降にピークになって、それが深夜3時ぐらいまで続きます。

――登録ユーザーはどういった層の人が多いのですか?
韓:登録ユーザーを分析してみると、他のオンラインゲームよりも多くの女性ユーザーに楽しんでいただいているようです。。

――その男女比というのは、サービス前に狙っていた層と比較すると……。
韓:合致していますね。『トリックスター』は、自分の個性を出したりコミュニティを組んだりというところで、他のオンラインゲームに比べて優れていると思っているので、なるべく多くの女性ユーザーを集め、男女問わずゲームを通じてのコミュニケーションを楽しんでいただこうと考えています。去年の9月に公式サイトがオープンする時も、女性が初めて来ても「私でもできそう」と思えるサイトを作ることに力を入れました。実際作業していただいた方も女性でしたね。女性にとってオンラインゲームというのはハードルが高いと思うので、そういった人に向けた内容で公式サイトやメールマガジンを作りました。

――サービス開始以前の話が出たところで聞きたいのですが、そもそも『トリックスター』を日本で展開しようと考えた理由、きっかけは?
韓:やはりパッケージソフトのRPGとオンラインRPGの何が違うかというと、インターネットでつながっている人とのコミュニケーション、パーティを組んだりギルドを組んだりというところがオンラインRPGの特徴だと思っています。そういったコミュニケーション機能がいっぱいあるということも重要なんですが、もう1つ、「まんべんなく幅広い層に受け入れられるには」と考えた時に「キャラクター」という要素が思い浮かびました。スキルや魔法では3Dを使って、キャラクター自体は2Dでかわいらしいものがあったらいいなと。そう考えていた時に『トリックスター』が見つかったんですね。

――日本に向けてのローカライズ作業で大変だったことはありましたか?
韓:『トリックスター』には、RPGの要素であるクエストやNPC、モンスターなどがかなり多いんです。それぞれのモンスターやNPCがしゃべる言葉を翻訳する量が半端じゃなかった。固有名詞やセリフなどをずらっと並べたときに、A4用紙で1千枚以上あったんですが、それを翻訳専門の方に頼んで直訳しただけだと、雰囲気がなくなってゲームがおもしろくなくなってしまうんですよ。だから、まずは正確な日本語に直すという部分に注力して、それをゲームをわかっている人間がどういう風にすればおもしろくなるかという翻訳をする。そういう流れで作業をしていました。でもまぁ、一番楽しい作業でもあったんですがね(笑)。

――他のオンラインゲームと比べてクエストもかなり多いですよね。ドリルで穴を掘るのにも張り合いが出ます。
韓:かなり似たようなクエストも多いんですが(苦笑)。だからこそ、それぞれのNPCにキャラを持たせて、しゃべらせないとおもしろくならないんですよ。関西弁にしたり、大人っぽい口調にしたりとか、いろいろと変えながらやってみました。

――ゲームバランスに関しては韓国版から変えていないんですか?
韓:現在『トリックスター』は韓国と日本、中国でサービスしています。今後はアジア方面、将来的には全世界で展開していきたいと考えていますが、基本的にゲームバランスは統一する方向です。

――では、日本と韓国のオンラインゲームユーザーの特徴は、どんな部分にあると思われますか?
韓:サービス前のリサーチ段階から感じていたことですが、韓国は無料ゲームなども多いし、インターネット環境も日本より1~2年早く設備が整っていたので、すごく慣れてしまっているところがあるんですね。あと、国柄からなのか、思ったよりチャットをしないんです。日本のユーザーは、チャットでも丁寧にしゃべるんですが、韓国だと言葉使いの荒いユーザーがいたり、話の途中で消えてしまう人がいたりというところが違いですかね。マイキャンプなどを使って遊ぶという部分でも、日本のユーザーの方がいろいろ工夫しています。自分のマイキャンプに訪れたユーザーに座布団を出すとか。そのおかげで座布団やコーヒーカップなど、人数分必要なアイテムがすごく売れました。
クエストを持ちかけてくるNPCは、口調だけでなく、見た目も特徴的。一度見たら忘れられないキャラも……。 街中はチャットで賑やか。高レベルのプレイヤーが初心者にアドバイスしている姿も見られる。
●ドリルやパーティ募集掲示板など、特徴的なゲームシステムについて

――それではゲーム内容について質問していこうと思います。私もレベル20くらいまでプレイしてみたのですが、ソロプレイ中心でも進められるバランスになっているのは?
韓:1人でも楽しめるバランスなんですが、やはりパーティを組んで他の人と何かしたりという方が楽しめるようになっているんですね。まずはパーティを組む文化から作っていこうと思いまして、昨年の11月にはパーティを組んでのマラソン大会イベントなども行いました。

――高レベルでもソロプレイは可能ですか?
韓:可能ではあるんですが、どんどん強いモンスターや難しいクエストが出てくる感じですね。今は100レベル以上の高レベルプレイヤーがほとんどいない状態です。一番多いのは、レベル1~30のプレイヤーが半分くらいを占めていますね。ユーザーの分布やニーズに合わせて、いろいろと遊べる要素を追加していきたいと考えています。
――一方でパーティが組みやすいように専用の掲示板も用意されてますね。
韓:「パーティを募集します」、もしくは「どこかのパーティに入りたいです」ということは、かなりやりやすいようにシステムに盛り込んでいます。クエストやドリルでアイテムを集めたり、集めたアイテムを合成したり、1人でも飽きないようになっているのですが、ゆくゆくは、1人よりは2人で、2人よりは仲間で、という風にプレイしていただきたいですね。
――ユーザーの間では、パーティ内での役割分担などはできているのでしょうか?
韓:今のところ、しっかりとした分担などはあまり見られませんが、今後はヒーリング担当とか、攻撃担当とか、役割を考えたプレイが必要になってくるかもしれません。特に魅力タイプは、レベルが上がれば上がるほど役に立ちます。魅力タイプがパーティにいると、モンスターの攻撃が鈍くなるんですよ。
――敵を倒す以外にも、ドリルやカードバトルで経験値が入るというシステムは珍しいですよね。
韓:「狩りしかできないゲームはおもしろくない」という意見があって、狩り以外に何をするかというところで工夫しています。やっぱり経験値がもらえるシステムも色々あった方が楽しいだろうということで、カードバトルだったり、ドリルでも経験値が入るようにしたんですね。
――私もドリルで人差し指を使いすぎて、少し痛いぐらいですよ(苦笑)。
韓:すいません(笑)。どこかに注意書きしないといけませんね。ユーザーのファンサイトや掲示板で、「8時間掘り続けてさすがに人差し指の感覚がなくなってきた」という書き込みを見ました。私もかなりプレイしているんですが、掘っているときのキャラクターの仕草がホントにかわいくて、最初は穴を掘っているだけで楽しめますね。
連打がキモのドリルシステム。アイテムを掘り当てたときのキャラクターの仕草にも注目。 相手のレベルなどが一目でわかるパーティ募集掲示板。積極的に活用していきたいところ。
●ユーザー待望のマイショップがオープン。一番売れているアイテムは?

写真は「モノトーンセットデラックスA」セット。日本だけのオリジナルセットにも期待したい。

――マイショップがオープンしましたが、どんなアイテムが人気ですか?
韓:ファッションアイテムだと、プレイ人口が多い“ドラゴン”のマントや杖ですね。マイキャンプアイテムだと「セット」商品が一番売れていて、その中でも「モノトーンセット」がかなり売れています。ファッションアイテムの服とか靴も、黒や白のアイテムが売れる傾向が見られます。先程の話で出たおもてなしグッズ、例えば、座布団やコーヒーカップ、ポットとかが数的にはかなり売れています。
――直接狩りに関係するアイテム以外が売れているというのは狙い通りなのではないですか? では、パラメーターがアップする装備アイテムの売れ行きはどうですか?
韓:攻撃力や防御力アップ以外にもさまざまな特徴が用意されていて、レベルを上げたいユーザーには好まれるものになっています。今後は同じアイテムでも、使用可能期間によって金額の異なるものが用意される予定です。
――マイショップでのアイテム追加の間隔はどれくらいになりそうですか?
韓:基本的には月2回の追加を考えてまして、そのタイミングによってコンセプトを決めていこうと考えています。例えば、「春の模様替え」だったり「マイキャンプスペシャル」とか、そういった感覚で特徴を出して行きたいですね。まだグローブやリボンなどが売っていないので、そういったアイテムを含めた「ファッションアイテムセット」の販売も計画していきたいです。
――韓国版にあるアイテム以外に、日本版独自のアイテムなどは用意されますか?
韓:それも制作される予定で、4月中には日本向けアイテムの販売を考えています。日本オリジナルのレアアイテムが出るようなイベントもやっていこうと思います。
●サポート面で気になることは? 今後の運営の目標について。

――サービス、運営体制についてお聞きしますが、GM(ゲームマスター)を24時間配置してのサポートというのは……。
韓:お問合せに関しては24時間内対応を目指しています。現在は、申告機能が付いていますので、それを見て対応していますね。
――ゲーム内容などについて、日本のユーザーからの意見を汲み取って、開発の韓国側に送るということは?
韓:やっています。4月ぐらいに販売するアイテムや、クエストの仕様も各国共通にはなると思いますが「こうした方が良いのでは」という意見は伝えていきたいと思っています。
――アイテム追加以外のアップデートの予定は決まっているのですか?
韓:まずは、現在韓国のテストサーバーで動かしているギルドシステムが、近日中に日本にも入ると思います。また、今後は上級職のアップデートなども予定しています。
――今年中に達成したい会員数の目標とかは設定していますか?
韓:月々5万人、10万人と増やしたいと思っているので、今年中に100万人を超えたいという思いはあります。
――その目標達成のために今後、『トリックスター』のどんなところをアピールして行きたいですか?
韓:やっぱりコミュニティを組んでほしいですね。ファッションアイテムやマイキャンプなど、「私はこういう人ですよ」というのをアピールできるシステムがたくさん用意されています。それぞれの要素を楽しんでいただいて、そこでできた友だちや知り合いといっしょに、クエストをクリアしたり、ゲームの謎を解いていってもらいたいです。
――本日はお忙しいところ、ありがとうございました。

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