『ファイナルファンタジーXII インターナショナル ゾディアックジョブシステム』

 北米版『ファイナルファンタジーXII』をベースに、“ジョブシステム”などのシステムが新規搭載された作品。本作の“ジョブ”は、12星座(ゾディアック)をモチーフにデザインされており、“ナイト”や“黒魔道士”などのおなじみのものから、“機工士”、“ウーラン”など、新旧12種のジョブが登場。“ライセンスボード”も大幅進化し、各ジョブごとに形状の異なる“ライセンスボード”から1つを選択し、物語を進めていくことになる。

  • ■ジャンル:RPG
  • ■対応機種:PS2
  • ■価格:2,940円(税込)
  • ■年齢区分:12歳以上対象(B)

傭兵

 編集兼ライターの傭兵です。『ファイナルファンタジー』シリーズ、は1作目から最新作の『XIII』の体験版までひと通りプレイ。現在は、Wiiウェアの『月の帰還』をプレイ中……けっこうどっぷり遊んでます。DSの『FF外伝』も楽しみ!

ジョブシステムの追加でキャラの個性がより強く! 本編では戦えなかった“あの人”たちとも戦える!!

 『ファイナルファンタジーXII』の海外版に、“ジョブシステム”と新モード“トライアル”を追加した進化版。オリジナル版では、キャラが持つライセンスボードのマスを開く(ライセンスを取得する)ことで、使用特技や魔法、装備できる武具、成長させるパラメータをプレイヤーが自由に選ぶことができた。本作では、このライセンスボードが、12種類のジョブごとで12正座を模した形に変更。オリジナル版よりも、育成の方向性はわかりやすく。ただ、ライセンスボードが選べるのはキャラ加入時の一度きりなので、どうしようか凄く悩む! 本作は一度クリアしても“強くてニューゲーム”が選べるので、いろいろ試してみるといいでしょう。また、新モードの“トライアル”は、全100ステージを連戦するサバイバルモードチックなもの。ラストにはお馴染み“ジャッジ”の軍団が待ち構えているので、挑戦のしがいアリ! 他にもアイテムの追加やバランスの調整など、全体的に遊びやすい作りになっている。

画面写真

▲画像だとわかりませんが、イベントシーンの音声は英語。登場人物のルックスは外人っぽいので、まったく違和感ありません。パンネロ最高!

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▲“トライアル”の最後に待ち構えるのは、“ジャッジ”の軍団。本編では戦うことのなかった彼らの、凶悪な戦闘能力を味わうことができちゃいます。

『XII』が究極深化! PS3のアプコン機能を生かしてぜひとも大画面で挑戦してほしい!!

 もともとの作品がやり込み要素満載だったのに、それがもっと深くなっていて、とにかくスゲーというのが個人的な印象。キャラの移動やバトルのスピードが通常の4倍になるハイスピードモードが追加されているので、広大なフィールド移動もサクサク進めるのもポイント高し! それより何より、本作でハマったのは手配モンスターを倒す“モブ討伐”。正直、本編を進めるよりもコッチに夢中になったり……。周囲の敵を警戒しつつ目的のモブと戦うといったスリリングな面もあり、シームレスだから出会ったらすぐに戦闘に入るといった爽快感もありで、ひたすらモブを追い求めていた思い出が。ちなみに、本作のグラフィックはPS2後期ということもあり、クオリティ的にもかなり極まっています。16:9の画面比率にも対応しているので、PS2規格に対応した初期PS3でなら、液晶の大画面でも映像がキレイに(設定は画像フル、スムージング有り推奨)。持っている人は、ぜひ試してみて!

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▲『XII』のシームレス戦闘大好き! というか、このゲームでシームレスの楽しさと快適さを知りました。ハイスピードモードでのバトルは緊張感アリアリ。

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▲ムービーはもちろん、グラフィックはPS2イチといえるデキ。PS3なら、液晶TVでもキレイな画像で遊べる。持っててよかったPS3!

ちょこたん

 うぇーい、ちょこたんでーす。RPGが大好き! だから『ファイナルファンタジー』シリーズも大好き! このお仕事のせいで、シリーズ作品をまたやり直したくなってきた! 忙しいのに……。

 

この世界にずっといたい……

 北米版をベースに作られたということで、ボイスはすべて英語! 『ファイナルファンタジーXII』もプレイしましたが、個人的には英語ボイスの方が雰囲気にマッチしていると思いました。登場人物が、みんな欧米の俳優さんのような顔立ちだからかなぁ。それに加えて、人物の顔や服装などの質感がすっごいリアル! 単にキレイというだけじゃないのがスゴイです。イベントシーンなどでは、まるで洋画を見ているような錯覚に陥ってしまいました(笑)。また、街の雰囲気もとってもリアルで、歩き回るだけで楽しかったです。その街ごとの特有の空気みたいなのって現実にもあると思うんですけど、そういう細かい空気が画面越しに伝わってきた気がします。こんな風に、その世界にどっぷり浸れるゲームってのはなかなかないと思いますよ!?

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▲空賊に憧れる少年“ヴァン”が主人公! ちょっと空気が読めないところがカワイイです。

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▲ヒロインはダルマスカ王国の王女“アーシェ”。こちらは終始ツンツンしてて、ちょっとコワイかも……。

速い! 速いよコレ!!

 本作では『ファイナルファンタジーXII』にさまざまな要素が追加されています。1番の目玉は、キャラのジョブを12種類のなかから選ぶ“ゾディアックジョブシステム”だと思われるのですが(サブタイトルにもなってるし)、私が驚いたのは別の要素でした。それこそが“ハイスピードモード”! これはL1ボタンを押すことでいつでも通常モードから切り替えられるモードで、ハイスピードモード中はキャラやモンスターなど、すべての行動速度がめちゃくちゃスピードアップするのです! その速さたるや、一瞬自分の目を疑うほど。「わっ、はやーい」って感じより「はぇぇぇぇぇぇぇえええ!!」って感じ(笑)。過去作でも、ボタンを押しながらだとダッシュ移動ができるなどの要素はあったんですが、これはもう次元が違います。ただでさえ戦闘のテンポがいいゲームだったのに、これ以上よくしてどうするんですか! このモードのおかげで、とにかく快適にプレイできました。もちろんイベントシーンやムービーは、普通の速度で流れるので安心してくださいね(笑)。

画面写真

▲なんと本作では、1度ジョブを決定すると途中で変更できません! 優柔不断な人は覚悟しておきましょう。

画面写真

▲ハイスピードモードはとにかく速いので、バトルも一瞬で終わります! 逆に敵が手強い場合、わけがわからないままやられちゃうんですけどね(笑)。