ファイナルファンタジー

 『FF』シリーズの第1作目が“アルティメット ヒッツ”に登場。PSPならではの良質なグラフィックや、音楽を楽しむことができる。また、PS版で追加収録されたオープニングムービーや、追加ダンジョン“ソウル・オブ・カオス”、“時の迷宮”なども収録され、『ファイナルファンタジー』の集大成とも言える作品となっている。

  • ■ジャンル:RPG
  • ■対応機種:PSP
  • ■価格:2,940円(税込)
  • ■年齢区分:全年齢対象(A)

スズタク

 『ファイナルファンタジー』シリーズの作品はほぼすべてクリア。お気に入りは『ファイナルファンタジーVI』で、初見プレイではもちろんシャドウを見殺しに。ついでに、シドおじいさんも死なせてしまった。それでもめげずにクリアした、そんな『FF』シリーズ大好きライター。

都合3度目の初代『FF』プレイ

 1987年の発売から早や20余年……。積もり積もって今年の冬には13作目が発売予定で、すでに14作目も発表されている『ファイナルファンタジー』シリーズ。そんな国民的RPGの歴史も、この作品から始まった! 王道なストーリーに、魔法やモンスターから感じ取れるファンタジックな世界観、そしてシリーズを象徴する“クリスタル”の存在など、以降の作品にも受け継がれる根幹的な要素が楽しめます。過去にFC(ファミコン)版とGBA(ゲームボーイアドバンス)版で『FF』を遊んでいたので、「また、リメイクか……」と正直気落ちしていましたが、気付くと夢中になってPSPを握りしめていました。その一番の理由が、やはり進化したグラフィック。精緻なモンスター描画はすでにプレイした人間にも新鮮に映り、新たな感動をもたらします。とくに、モンスターのリッチやクラーケンなどは必見です。FC版を持っている方は、見比べてみるとおもしろいかも。

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▲ムービーなども挿入され、FC版などにくらべ驚くべき進化を遂げてます。正直、携帯ゲーム機でここまで表現できるとはおもいませんでした。

追加された新たな隠しダンジョンを制覇せよ!

 グラフィックなどが一新されたと先述しましたが、大元のストーリーは当然ながらFC版から大差ありません。そのため、過去にプレイ済みの人には物足りなく感じるかもしれませんが、そこでオススメなのが隠しダンジョン。GBA版にあった“ソウル・オブ・カオス”に加え、今回は新たに“時の迷宮”というダンジョンが追加されました。ここでは、強力な武器・防具が手に入るだけでなく、PSP版だけのオリジナルボスとも戦えます。当然、隠しボスだけあってその強さは桁違い。ゲーム開始時のパーティ編成によっては倒せるのかどうかも瀬戸際です。相変わらずスーパーモンク(モンクがクラスチェンジしたジョブ)の強さは健在なので、パーティに1人はいると安心ですね。FC版から変わらず、彼は最強です。余談ですが、『ディシディア』(※1)をプレイした後に、戦士に“WoL”と名付けたのは僕だけですかね? 僕だけですか。そうですか。

※1:スクウェア・エニックスから発売されたACT『ディシディア ファイナルファンタジー』。このゲームでは歴代の作品から主人公たちが登場するが、初代『ファイナルファンタジー』には個性付けされたキャラがいなかったため、ナイトの姿をした“ウォーリア・オブ・ライト(WoL)”というオリジナルキャラが登場した。

とめとめ

  『FF』シリーズは一作目からすべてプレイ済み。『FFタクティクス』や『クリスタルクロニクル』などの外伝モノもすべて遊んでます。つい最近『ディシディアファイナルファンタジー』のプレイ時間が500時間を越えました!

古きよき王道RPGですねぇ

 とにもかくにも、『ファイナルファンタジー』シリーズの原点となったRPG。ゲームを始めると、まずはパーティキャラ4名の名前とジョブを決めます。さて、この4名の仲間で世界中を冒険していくのですが、この人たちには特に性格や設定があるわけではなく、言葉を発することもありません。こういう作りは、最近のRPGに慣れている人は、ちょっと戸惑うのかも。でも、なんの設定もないというのは、それだけ想像の余地が生まれるということ! 彼らがどういう経緯で出会い、クリスタルを手にし、そしてここまでやってきたのか。そして、戦士はこんな性格で、白魔術師は実はモンクに恋をしてて、黒魔術師は帽子を取ると美少年で……なんて想像するのも自由! こうすることで、思い入れが生まれますよ? 私ぐらいになると、イベントごとに4人の会話が脳内からあふれ出てきちゃいますから(笑)。

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▲見てくださいよ、この美しいドットグラフィックを! あまりの美しさにため息が出ちゃう……。

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▲実は、シリーズ1作目から登場していた飛空艇。ちょっと意外じゃないですか?

美麗グラフィックと豪華サウンドに感ゲキ!

 本作をプレイして、なにより驚いたのがグラフィックの美しさ! 『ファイナルファンタジー』は、過去にPSやゲームボーイアドバンスなどにも移植やリメイクがされているのですが、それらよりもひとつ上のレベルの美しさ! も~、PSPったらステキ! ドット絵大好きな私としては、これだけで大満足。そして音楽もパワーアップしているので、イヤホンを使用してのプレイをオススメします。元祖ファミコン版を体験している身としては、これだけで胸にこみ上げてくるものがあります。20年もの時を経て、立派になったのね『ファイナルファンタジー』! そしてGBA版にも登場したエクストラダンジョンに加え、新ダンジョン“時の迷宮”も追加されていて、ボリュームたっぷりなのも嬉しいところです。

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▲“時の迷宮”では、一風変わった仕掛けが施されています。

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▲天野喜孝さんのアートギャラリーでは、美しい作品をじっくり鑑賞できますよー。