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『真・女神転生VV』先行レビュー。新シナリオはもちろん仲魔との交流や追加サブクエが楽しすぎる! プレイが快適になる調整も万全【真・女神転生V Vengeance】

文:電撃オンライン

公開日時:

 アトラスより2024年6月14日発売予定のNintendo Switch/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC用ソフト『真・女神転生V Vengeance』。その先行レビューをお届けします。

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 神や悪魔を相手にときに敵対、ときにはその力を借りながら、世界の命運を左右する争いに挑んでいく人気RPG『真・女神転生』シリーズ。そのナンバリング最新作である『真・女神転生V(以下、真V)』を多くのプラットフォームで発売するにあたって、新シナリオ“復讐の女神篇”をはじめとする多彩な追加要素を施したのが『真・女神転生V Vengeance(以下、真VV)』です。

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 本作の発売日まではまだ2カ月ほどあるなか、編集部にサンプルROMが早くも到着。今回の記事では、このサンプルROMをプレイしてわかった内容についてレビューしていきたいと思います。

 なお、プレイは注目度の高い“復讐の女神篇”を中盤くらいまで進めており、『真V』との違いにも多少触れていますが、ストーリーの重大なネタバレなどはありませんのでご安心ください。

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新シナリオの追加をはじめあらゆる面でパワーアップした『真・女神転生V』の決定版【真・女神転生V Vengeance】



“復讐の女神篇”はヨーコの活躍に注目。新マップもあり


 さっそく“復讐の女神篇”について語りたいところですが、その前にまず『真V』のシナリオもおさらいしておきましょう。こちらは“創世の女神篇”というシナリオ名になりました。

 主人公は東京の高校に通う普通の学生でしたが、ある日荒廃した東京<ダアト>に迷い込み、そこでアオガミと名乗る謎の男と合一を果たし、禁忌の存在とされる“ナホビノ”へと変貌します。

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 この出来事をきっかけに、主人公は<ダアト>で繰り広げられる神と悪魔の争いに巻き込まれ、果ては世界の命運を左右する戦いに身を投じていく……というのが大まかなストーリーです。

 “復讐の女神篇”は“創世の女神篇”とは異なる可能性をつづっていくアナザーストーリー。どちらのシナリオをプレイするかは、ゲーム冒頭のイベントシーンで選べます。

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▲イベントシーンでは謎の少女の影を前に選択肢が出現。「手をとる」を選ぶと“復讐の女神篇”に、“手を取らない”を選べば“創世の女神篇”に分岐します。

 “復讐の女神篇”の序盤は“創世の女神篇”の流れを踏襲しており、敦田ユヅルや太宰イチロウといった主要キャラクターたちもそのまま登場。ですがそこに、少しずつ異なる展開が挿入されていきます。

 大きなところでは、新キャラクターの尋峯ヨーコが仲間に。<カディシュトゥ>という4人の女魔から成る集団が現れて、何やら画策しているというのも大きな違いです。

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▲<カディシュトゥ>はボスとしても登場します。デザインは変わっていますが、シリーズ常連のリリスがリーダー。ナアマなどほかのメンバーも、神話や伝承で語られる大物の女魔たちだけに、それぞれが相当に手ごわい相手です。

 ヨーコは主人公とは別の高校に通う女学生ですが、クールかつミステリアスな雰囲気のなかに、自分なりの信念を持って行動しているキャラクターという印象。ストーリー中では“創世の女神篇”のヒロイン格だった磯野上タオと一緒に行動することもあるのですが、この2人の対比が興味深かったりします。

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 というのは、ヨーコとタオはどちらも幼少期から不思議な力を持ち、周囲から聖女扱いされるという同じような境遇で育ってきているんですよね。ですが、基本的にシビアな性格で、物事をある程度割り切って対処しようとするヨーコと、優しさゆえにいろいろと悩みながら進んでいくタオは、まさに正反対の存在。両者の意見が分かれることも珍しくありません。

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 そんな2人が主人公に同行して協力して<ダアト>を探索していくうちに、それぞれに影響を与え合っているかのようにも感じました。ヨーコとタオが最終的にどんな考えに行きつき、どう行動していくのか? こういった部分に注目しておくと、ストーリーをより深く楽しめるかもしれませんね。

 ストーリー中盤以降は“創世の女神篇”とはまったく異なる展開に突入。ネタバレになるので詳しくは語りませんが、<カディシュトゥ>の暗躍により、主要キャラクターの立ち位置や行動にもいろいろな変化が見受けられました。イヅルや彼の妹のミヤズなど、キャラクター性を掘り下げるシーンが追加された者も多いので、ファンの方はご期待ください。

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 フィールドについても完全新規のものが登場。もともとは東京だった<ダアト>の、“創世の女神篇”で訪れなかったダアト:新宿区へ行くことができます。もちろん砂漠化しているため近代的な景観は失われていますが、名の知れた都市や建造物が出てきたりするとやっぱりテンションが上がりますよ!

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▲フィールド探索の障害となる高レベル悪魔も各地に出没。新フィールドの砂漠に鎮座するゴグマゴグなどは、圧倒的な存在感がありました。


探索が快適になる新要素も多数登場


 フィールドの話が出たところで、次はシステム面の変更点について語りましょう。本作は東京や<ダアト>のフィールドを探索してストーリーを進めていくわけですが、この探索をスムーズに進められる“マガツロ”という新要素が追加されました。

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 “マガツロ”は離れた場所にある2つの地点を結ぶルートで、起動すると高速で往来できます(演出スキップでさらなる時短も可能)。“マガツロ”の入口は最初からフィールド上にあるほか、クエストナビが反応した場所を調べることで見つかることも。長距離の移動だけでなく、通常では入れない、宝箱が配置された隠されたエリアへの移動に利用できる“マガツロ”もあります。

 <ダアト>は広大ですし、回復&セーブポイントを担う龍穴までが遠いときや、複雑な地形になっている場所を抜けたいとき、絶妙なポイントに“マガツロ”が設置されているのは非常に助かりましたね。ちなみにセーブについては、本作からフィールドのどこででも行えるようになっており、そういった部分でも改善が図られています。

 フィールドでのほかの要素としては、“雲上視界”と“護陣エストマ”という要素も登場。前者はボタン1つで上空からの視点に切り替えるものです。

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 本作では踏破した部分がマップに記載されていきますが、“雲上視界”ならまだ足を踏み入れていない場所の地形も確認可能。単純に、複雑な地形のつながりを確認するためにも使えます。実際、探索中に迷ったときは、マップと“雲上視界”を照らし合わせることで道が開けることも多々あり、じつに快適でしたね。

 “護陣エストマ”はナホビノが習得できる“神意”の1つで、発動すると敵シンボルに発見されず、接触してもシンボルが消滅して戦闘にならなくなります。『真・女神転生V』にもあった魔法の“エストマ”と同じような効果ですが、“護陣エストマ”は少量のマガツヒゲージさえあればいつでも発動可能です。

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 ちなみに、どこでもセーブは十キー左、“雲上視界”は十字キー上、“護陣エストマ”は十字キー下(いずれもPS4、PS5版)で即座にアクセス可能。こういった手軽さもうれしいものです。

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 龍穴でも新要素が追加されましたが、とくに大きいのは“悪魔の裏庭”ですね。ここは仲魔たちが集う憩いの場で、彼らとの会話を楽しむことが可能。会話の内容は、ちょっとした雑談からその仲魔の伝承に由来したものまであり、話しがいがありました。

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 また仲魔たちとは、バトルやフィールド探索、クエストクリアなどで信頼度が深まり、これが一定に達すると特別な会話が発生。アイテムをもらえたり、仲魔のステータスアップや新スキル習得が発生したりします。

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 会話できるだけでも楽しいのにメリットまであるとは……仲魔たちへの愛着も、より強まるというものです。 『真・女神転生』シリーズでは、交渉や合体などでより強い悪魔を仲魔にするのがセオリーですが、それを無視して初期に集めた仲魔だけでクリアしたくなっちゃいましたよ! 

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 実際のところ、レベルはバトルなどで経験値を稼げば上がるし、“悪魔の裏庭”での成長も加味すれば、最初は低レベルの仲魔でもそこそこやってはいけるんですけれどね。縛りプレイがお好みの人は、挑戦してみてもいいかも?

 “悪魔の裏庭”には、仲魔だけでなく人間のゲストキャラクターや、主人公と合一してナホビノの力を与えたアオガミとの会話も楽しめます。内容はストーリー進行に応じて変わっていきますが、会話の端々にそれぞれの個性が出ていていい感じ。アオガミとはパートナー感が深まった気がしますし、ヨーコやタオたちの心情についてもより深く知れました。

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 アオガミとは特殊会話も発生し、ナホビノのステータスアップが行えました。一度に3ポイントぶん振り分けられるので、効果は結構デカいです。特殊会話はだいたいストーリーの節目に発生するので、忘れずに話しておきたいですね。

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ゲストの参戦や新スキルによりプレスターンバトルの戦術性がアップ


 次はバトルについて。基本的にはシリーズ伝統のプレスターンバトルで、敵の弱点を突けば行動回数が増えて有利に。逆に味方の弱点を突かれたり、敵への攻撃をミスると一挙に不利になる、スリリングな戦いが楽しめるのはいつもどおりです。

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 一番大きな変更点は、人間のキャラクターがゲストとしてバトルにも参加してくれるところですね。ヨーコは序盤から加入し、アギ系やジオ系の攻撃スキルで大活躍。回復魔法はもちろん、“吸魔”など自分でMPを回復する手段も備えており、常にレギュラーとして戦ってもらいました。

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 人間キャラクターの強みは、主人公と同じくアイテムを使用できる点。長期戦になったときにMPや戦闘不能用の回復アイテムを主人公以外でも使えるのは、いざというときに頼りになりました。

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 もちろん仲魔たちもより頼りがいのある存在に。というのも、仲魔それぞれ状況に応じて自動で発動するユニークスキルを使えるようになったのが理由です。ユニークスキルには攻撃から補助までさまざまなタイプがあって紹介しきれませんが、ピクシーの“悪魔の仲立ち”なんかは、悪魔会話での交渉失敗をとりなしてくれて重宝しました。

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 悪魔会話と言えば、仲魔を増やすのに欠かせない行動ですが、これのバリエーションが増えているのも好印象。いきなりシルエットクイズを出されたときは何事かと思いましたけど(笑)。

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▲悪魔の全体像は把握していても、シルエットクイズでは一部分を見て当てなければならないため、意外に難易度は高め。ユーザーの悪魔愛(?)が試されます!

 これも会話の新たなバリエーションの1つですが、悪魔の名前と造形を覚えていなくても、三択問題なので運でどうにかなることもあります。正解すれば出題した悪魔は即仲魔になってくれるので、個人的には出たら当たりのパターンですね。

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 ほかにも強力なマガツヒスキルの種類が増えていたり、スキルの演出の速度を変更、もしくはスキップできるようになっており、バトルはより爽快かつスピーディに進められるようになった印象。ストーリーが壮大なぶん、プレイ時間は長くなりがちですので、こういった改善は大歓迎です!

バリエーション豊かなサブクエストが多数追加


 最後はやり込み要素について。プレイした感じ、本作のやり込み要素と言えばやはりサブクエストですね。さまざまな課題に挑めるのはもちろん、クリア報酬で新たな悪魔の合体が解禁されるケースも多く、悪魔全書のコンプリートに貢献できますから。

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 本作では新たなサブクエストが追加されていますが、クリア条件が特殊なタイプもいろいろありました。悪魔と知恵比べをしたり、追いかけっこをしたり……。悪魔を操作して周囲の探索をしてもらう、なんてことまでありました。単純なアイテム集めや悪魔討伐ではない多彩なサブクエストの登場は、プレイの楽しみ方の幅を広げる意味でも有意義に感じますね。

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▲知恵者を自負するノズチが出すなぞなぞに挑戦。よく考えて問題文の指し示す場所に行けば、答えが見つかるはず。


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▲今作では現実の東京でもクエストが発生します。時速140Km/hで走り回るというターボばあちゃんが東京中を大爆走! 目的はターボばあちゃんの写真撮影ですが、果たして捕まえられるのでしょうか……?


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▲主人公が入れない廃墟の内部を、モー・ショボーに探索してもらうサブクエスト。自動車やバスを見かけてはしゃぐモー・ショボーのリアクションも見どころです。

 ほかにも『真V』でおなじみのミマン捜しや、マガツヒスキルを使用可能にする護符・霊符の収集など、やり込み要素は盛りだくさん。こういった部分まで大ボリュームなのは、「絶対に手抜きはしない」というような開発スタッフのみなさんの意志が感じられていいですね。

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▲<ダアト>のあちこちに散らばっているミマンたちは一定数発見することで、龍穴にいるギュスターヴから謝礼がもらえます。“復讐の女神篇”の新マップにもミマンたちはいるでしょうし、なんとか全員見つけたいものです。

 そんなこんなで『真VV』の新規要素を中心にいろいろと語ってきましたが、いかがでしたか? ストーリーは一粒で二度おいしい2本立て。プレイを快適にする調整が随所に盛り込まれつつ、仲魔との交流の場まであり。さらにはサブクエストをはじめ全体的なボリュームアップが図られているという抜かりのなさ。また、マルチプラットフォーム化されたことで、好きなハードで楽しめるのも大きな魅力と言えるでしょう。正直『真・女神転生』シリーズに少しでも興味がある人なら、プレイしないという選択肢はないと思います! 

 個人的には“復讐の女神篇”のストーリーをすごく楽しめているので、この想いをぜひ多くのユーザーのみなさんと共有したいですね。もちろん<カディシュトゥ>の面々の恐ろしくも美しいお姿にも注目ですよ!

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    真・女神転生V Vengeance

    • メーカー:アトラス
    • 対応機種:Switch
    • ジャンル:RPG
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    • 希望小売価格:8,980 円+税

    真・女神転生V Vengeance

    • メーカー:アトラス
    • 対応機種:Steam・PC
    • ジャンル:RPG
    • 発売日:2024年06月14日
    • 希望小売価格:8,980 円+税