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2008年2月5日(火)

「こころ」を洗浄する涙の処方箋――泣ける物語でリラックスする『99のなみだ』発売

 バンダイナムコゲームスは、DS用ソフト『99のなみだ』を2008年春に発売する。価格は3,990円(税込)。

 『99のなみだ』は、日々のストレスを涙で洗い流す「涙でこころ洗浄ソフト」。プレイヤーの個性やその日の気分を分析し、それぞれの「泣きのツボ」に合わせた物語が提供される「なみだのソムリエシステム」を搭載しており、200を超える物語の中から、個々のプレイヤーに合った99の物語を堪能することができる。プレイ時間は1回15分程度と、短い時間で感動の物語を味わうことが可能だ。以下に本作の特徴を紹介しよう。

■オープニング■
涙を流すことを忘れた人々が、毎日あくせく働き、家族や恋人、友人や仕事仲間に囲まれて一生懸命日々を過ごしている町。そんな町で「疲れた……」と呟くあなたは、ある日の仕事帰り、一軒の店に出会う。

「……ナミダノモトあります」

そこは「なみだの店」だった。


■「なみだのソムリエシステム」

 同社は、2006年8月より人間工学を専門とする早稲田大学河合隆史研究室の協力を得て、ストーリーの「泣きのツボ」やパーソナリティとの相互関係の分析を行ってきたという。それらの研究成果が、「なみだのソムリエシステム」として本作に搭載。このシステムを使うことで、プレイヤーそれぞれの特性に合わせたもっとも泣きやすい物語が提供されるとのことだ。また、「なみだのソムリエシステム」は以下のような学習を重ねる。

1.問診プレイヤーの情報(属性・パーソナリティ・その日の気分)から「泣きのツボ」が分析・診断される。
2.物語の処方200を超える物語の中から、プレイヤーに合った泣ける物語が処方される。
3.感想物語の感想をフィードバックすることで、処方の精度が上がっていく。

 これらの学習効果により、「なみだのソムリエシステム」はプレイするごとに泣きやすい物語を提供してくれる。なお検証として、約500人を対象としたアンケート調査が実施されたところ、システムの使用で8割の人が感動したと回答しているデータが得られたという。

■プレイの流れ

 プレイヤーは、ゲームの1日目に年齢・性別・配偶者の有無などの情報を入力し、「なみだの店」へと入店する。お店に入ると“マスター”がプレイヤーを迎え、会話を楽しむことができる。この時の会話で、心理、行動、今日の気分などが聞かれるという。これにより、“マスター”が「泣きのツボ」を分析し、プレイヤーに「ナミダノモト」を用意してくれる。


 「ナミダノモト」を渡されたら、携帯電話の電源を切るなどして、落ち着いて物語を鑑賞できる環境を整えれば準備完了。ランプの先端をタッチして火を灯せば、「ナミダノモト」に込められた物語が始まる。視聴した後は、物語の評価・感想を入力することで「泣きのツボ」に関する情報が蓄積され、プレイを重ねるごとにプレイヤーに合った物語が提供されるようになっていく。最後は、DSのマイクに向かって息を吹きかけると、ランプの火が消えて電源が落ちる。


 このように物語の鑑賞を繰り返すことで、徐々に「泣きのツボ」を押さえた物語が提供されるようになる『99のなみだ』。“マスター”が用意してくれる物語を鑑賞する他に、見たことのある物語を再び鑑賞する「振り返る」機能や、友人に名前や情報を登録してもらってソフトを体験してもらえる「お試し版」機能も搭載されている。
 なお、本作の監修を手掛けた早稲田大学大学院国際情報通信研究科・河合隆史准教授と、『99のなみだ』の開発スタッフからメッセージが届いているので、以下に掲載する。

■河合隆史氏のコメント■
 『99のなみだ』では、ストーリーの中の感動を誘う要素と、それらに共感するプレイヤーの要素との対応関係を探るための調査・研究が行われました。その統計データに基づいて、ゲームシステムの人間工学的なデザインが試みられています。プロトタイプを用いたモニターテストの結果からも、有効性が示唆されました。

■『99のなみだ』開発スタッフからのメッセージ■
 今日、活動的に働く人々は、心に多くのストレス、悩みを抱え毎日を過ごしています。心を病んでいく現代の生活の中で、そんな人たちの力になれるものはなんだろうか? もっと日々を豊かに過ごしてもらうために必要なことはなんだろうか? そんな問いに、私たちは自分たちの経験から至極シンプルな答えを導きました。それは「感動し涙を流すことにより、人は癒され、気づきを生み、それが新たな力になる」ということです。そしてこのゲームが示すものは「人々の体験」。これは、迷いながらも日々前進を目指すすべての人たちへ贈る「小さなヒント」です。「泣いてスッキリ」といろいろなところで言われるように、涙には脳内リセット効果やカタルシス効果、気づきや洞察への契機ともなるすばらしい力が秘められています。『99のなみだ』はこのすばらしい涙の力をフル活用した新しいコンセプトの製品です。一日を終える就寝前のベッドの上で「泣いてスッキリ。明日も頑張ろう」そんな時間を持ってもらいたいのです。「不健康、役に立たない」といった従来のゲームにある批判的イメージに対し、『脳トレ』に代表される実用系ソフトの登場により「悪くなさそう、役に立ちそう」といったイメージが定着してきました。しかし、それを踏襲するのではつまらない。一歩進んだ新しいアプローチ、すなわち「健康で人に優しい、生活に必要」といった「クオリティ・オブ・ライフ」に資するゲームを生みたい、お客様に届けたい、そういう思いから本製品を企画しました。



(C)2008 NBGI

データ

▼『99のなみだ』
■メーカー:バンダイナムコゲームス
■対応機種:DS
■ジャンル:ETC
■発売日:2008年春予定
■価格:3,990円(税込)

■関連サイト
『99のなみだ』公式サイト
バンダイナムコゲームス