コラム:ホラーゲーム

長い夏休みにこそ、あえて勉強!? そんなわけで最近発売された学習系ソフトに、社会人になってウン十年のYK3が挑みます。果たして成果はあげられるのか!?

 夏です! 夏といえば夏休み。夏休みといえば宿題。宿題といえば勉強ですね。でも、大人になるとガッツリ勉強する機会はほとんどないため、学校で教わったことをほとんど忘れてしまっている自分に気づく時があります。代わりに悪いことばっかり覚えちゃったりして、しょうもない大人ができあがってしまっていたりします。

 こんなことではいかーん!ということで、このゆるみきった脳みそに喝を入れようと、学習系のソフトに挑んでみようと思い立ってみました。今回選んだのは『ゾンビ式 英語力蘇生術 ENGLISH OF THE DEAD』、『ビジネス力検定DS』の2本。どちらも手ごわそうですが、果たして……。

「ゾンビ式」でオレの英語力は蘇生できたのか?

 英語か~。英語ね~。特に苦手な科目でしたよ。ま、勉強はひと通り苦手だったわけですが。もともとたいした英語力はなかったので、蘇生もくそもって感じですよ。と思っていたら、タイミングよく(?)E3の取材でロサンゼルス出張の指令が舞い込んできました。危うしオレ!って感じで、少しでも使える英語を勉強できたら……と願ってプレイしてみました。

 まず5段階ある最低レベルからスタート。中学1、2年のレベルだって。さすがにこれは楽勝でしょ~。ゲームはガンシューティング『ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド』を模していて、雰囲気をよく出しています。出現するゾンビを撃退するには、表示される単語をタッチペンで書いていけばOK。単語の一部が伏字になっていますが(レベルによって伏字の量が変わる)、今回は最低レベルなので、無問題。

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▲左写真のイベントシーンは原作にうまく似せています。あれ? 背中にしょっている機械はどこかで見たような!? ちなみに右は英文字の入力をしているところです。もちろん、さっさと書かないとゾンビの攻撃を受けてしまいます。

 ちなみに、このゲームの面白いところは、手書き文字を登録できること。人それぞれ英文字の書き方には癖があるので、とある文字が認識しづらい時があります。私の場合「e」がなぜか認識しづらかったです。そんな時に、この手書き文字登録で自分の筆跡を覚えさせると、認識率が上がるというシステムです。これで余計なところでひっかからずにゲームに集中できるというものですね。

 ガシガシ単語を書きながら進めていくと、急に「MISSION」という文字とともに制限時間以内にすべての敵を倒せとのこと。「I ( ) tell you this.(君にこれは絶対言わないと)」みたいに穴の開いた文に4つの中から合う単語を選ぶというものですが、ふだんなら難しくない文章でもゾンビがだーっと走ってきて、残りタイムがどんどん減っている状態だと、思考停止に近い状態になって、なぜか違うものを選んでしまうんです。そういえば、プレッシャーに弱いんだよ、私……。まあ、そんなプレッシャーの中で学習していくのがゾンビ式らしいですが。

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▲決められたところまでたどり着くとミッションが発生。書き取り以外に穴埋め問題なども出されます。

 そんなこんなでいよいよボスの登場です。途中のMISSIONと似たような感じで、穴埋めや4つの単語ブロックをつないで1つの文を作るといった問題が出ます。中学生レベルと言えども、このプレッシャーの中だとなかなかうまくいかないのですが、なんとか死なずにチャプター1をクリアできました。この先どうなっちゃうんだろうと思っていたら、思い切りチャプター2のボスでゲームオーバーに……無念。というか、プレッシャーどうこう以前に本気でわからなかった問題も結構ありました。あと数日でロサンゼルスなのに! でも、何度かチャレンジしていると、だんだん正解も覚えるので、すんなりクリアできてしまいます。これが学習効果ということでしょうか。その後はこのプレッシャーに慣れてきたのか、サクサク進んでなんとか最終ボスも撃破しました。なんかね、ちょっと英語ができるようになった気がしましたよ。本当はできて当然の問題だったんですけど……。

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▲チャプター1(上)と2(下)のボス画面。落ち着いて考えればわかる問題も、ボスと対峙していると焦ってすぐに答えが出てこないところがもどかしい。

 このソフトには今回プレイしたストーリーモードの他にもトレーニングモードや倒したボスと対戦できるモードなどもあるので、存分に英語にまみれることができます。個人的には遊び感覚で結構な数の英文を覚えることができました。早速ロサンゼルスで現地の人にちょっとだけ使ってみましたが、一応伝わったみたいでしたよ。いやー、ちょっとだけ助かったかも! これならもっと上のレベルまでクリアして、次回の出張に備えたいと思います。そもそも海外出張自体があるかどうかわかりませんが。

社会人必須のスキルが学べる『ビジネス力検定DS』

 英語で自分の基礎学力を思い知らされ、結構ヘコんだ私の次なるお題は『ビジネス力検定DS』。また難しいの選んだなー自分。

 さて、このソフトは主に営業力や会計センスなどの力を試すことができます。編集と営業というと、一見関係ないように見えますが、プレゼンや交渉など営業と似たような仕事をすることがあります。会計も全く無縁ではなく、原価やら売上やらを考慮に入れながら部署の運営を行っていますし、期末には営業利益がどうのみたいな話がかなり飛び交います。ということで、このソフトは「社会人としてどうよ」的な部分がかなり見えてしまうわけですが、社会人歴20年近い私が挑戦してどうなるか……ああ恐い恐い。

 それでは、ビビリながらもビジネス力検定、やってやんよ! ちなみにすべて初級編をプレイしています。

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▲このソフトには原作となった書籍が出版されており、そこに掲載されているイラストもそこかしこに使われている。

営業力検定

 答えた結果によって○、△、×が加算(検定によってそれぞれの配点が変わります)され、最後に評価が算出されるシステムになっているのですが、「普段こうやっている」と思って選んだ答えが△だったり×だったりして、初級編といえどもなかなか手ごわい感じです。

 例えば、営業先で出されたコーヒーを飲むタイミングはという問題、答えは「相手に「どうぞ」と言われたタイミングで」。個人的にはメーカーさんに打ち合わせに行った時は、たいてい出されたら「いただきます!」と断りを入れて飲んでいたので、「出された時が飲み時」を選んで×食らいました。つまり、営業的に見たらかなり失礼なことをしていたかもと思うと、背筋がちょっと寒くなりました。

 さて、このソフトのいいところは、1問終わるとすぐに答えの解説が出るので、問題と自分の解答を忘れる前になぜダメだったのかをその場で確認することができます。なので、間違っていても「そういうことだったか」とすぐに学習できるんですね。20問も答えているとたいてい時間がかかるので、最後にまとめてだと結構問題も自分の答えも忘れかけていたりするんですよね。そういう部分で、すぐに答えと解説が読めて納得できるので、より効率のいい学習効果が得られる感じがしましたね。

 ちなみに結果は125点中84点で「SGルーキー」。カンで答えた部分もありましたが、社会人としての面目はかろうじて立っ……てないですね。100点満点だったら67.2点ですから。

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▲解答すると結果と解説がすぐに表示される。特に解説の文章は実例を挙げていたりとわかりやすく書いてある。

●セールストーク検定

 これは……どっちかというと苦手なほうですねー。基本口下手なんで、とっさのいかしたトークで話を有利に進められる人ってのはは正直あこがれちゃいます。

 おそるおそる検定をスタート。どんなトークの極意が飛び出すのかと思ったら、案外社会人の基本みたいな問題が多かったですね。もらった名刺の置き方とか、おじぎのしかたとか直接トークとは関係ないものもありましたが、会社同士の話し合いの場ではトークと同じくらい重要な事柄だと思うので、まとめて学べるのはいいなと思いました。もちろん、私は正解しましたよ。念のため。

 結果は満点111点中73点で「単独での営業に不安」だそうです。それよりも社会人として不安になってきましたよ。とにかくクレーム対応や飛び込み営業のアポ取りに関する問題は△が多かったですねー。

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▲右写真の問題は2番を選択して間違えました(正解は1)。ちょっと裏を読みすぎたようです。

接客力検定

 これは仕事としてはあまり機会のないシチュエーションですね。会社が主催するイベントにスタッフとして借り出されたりする時くらいでしょうか。なので、どんな問題と選択肢が並ぶのかちょっと楽しみです。さてさて始めてみますか。

 問題内容は、いかに客にいやがられずすんなり購入に持っていけるかに絞られていて、声をかけるタイミングやレジでの対応など、実際お店で仕事をしていれば必ず遭遇するシチュエーションが多かったです。でも、実際仕事をしていなくてもお客としてお店に行った時に、店員の動作をそれなりにチェックしていればわかることも多かったですね。

 そして結果はなんと93点中81点! なかなかいいんじゃないですか、これ。いやあ、初級編ではありますがほっとしましたよ。

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▲客との間や距離感は非常に大事なことがわかりました。これからは店員に対する見方も変わりそうです。

●会計センス検定

 出た~!会計。お金の計算はあまり得意ではないんです。節約とか貯金もどっちかというと苦手(ってさっきから苦手なことばっかりじゃん)。しかも結構衝動買いも多いという、確実にお金が貯まらないタイプです。そんな私がこんな検定をやったらどうなることやら……。

 さて、問題は売上、原価、利益など、会計用語に関するものや、より安定した経営に関するものが主となっています。確かに何にも考えてないよりは、こういう感覚を持ちながら仕事をしてくれる人のほうが会社にとってはありがたいんじゃないでしょうかね。で、自分どうなのよ?

 結果! 60点中42点。7割正解ってとこですか。ま、まあまあってことでいいのかな?

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▲覚えておいて絶対損はない収支感覚。私も実際の仕事で思い知らされています。

 さてさて、ひと通り初級の検定やってみましたが、やはり実在する書籍が元になっているので、解説が非常に的確でわかりやすいという印象を受けました。これ、全部正解を覚えた暁には、かなりビジネス力は上がっているんじゃないでしょうかね。それを、少しずつでも実践できれば、ソフトの価格以上の効果が上がると思います。社会人になりたての人は研修代わりに、ベテランの域に来ている人は自分の実力を確認する意味で、今からでもプレイしてみてはいかがでしょうか。

データ

▼『ゾンビ式 英語力蘇生術 ENGLISH OF THE DEAD』
■メーカー:セガ
■ジャンル:ETC
■対応機種:DS
■発売日:2008年5月29日
■価格:3,990円(税込)
 
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▼『ビジネス力検定DS』
■メーカー:エレクトロニック・アーツ
■対応機種:DS
■ジャンル:ETC
■発売日:2008年3月27日
■価格:2,980円(税込)
 
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