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◇ レビュー ◇
電撃オンライン編集部がオススメするソフトを個性的なレビュアーがアツく語ります!
タイトル
Rockstar Games presents Table Tennis
レビュアー
いぐちじゅんや

もうこれ以上の質の高い卓球ゲームは
生まれてこないんじゃないでしょうか?

 遊んでみての感想は、上の青い文字の言葉です。そう言い切っても、あまりあるほどのクオリティの高さ(もちろん不満はありますよ)。「さすがロックスター!」としかいいようがありませんね。こんな駄文を読んでないで、さっそく買ってください。さようなら。じゃあ、この辺で。……というわけにはいかないので、いろいろ書かせていただきますが、そもそも、あのロックスターが、なんで卓球なの? そう疑問を持った人も多いハズ。それについては、発売前に行われたメディア向けのイベントでロックスターの広報さんが話してくれましたので、その言葉を引用しましょう。「『GTA』で、非常に広い空間を再現することができました。ならば、その技術を使って、今度はリアルさを徹底的に突き詰めていこう。ということで、このゲーム(テーブルテニス)が生まれることになりました」。ふむふむ。量から質への転換ということですね。1度ヒットすると、同じベクトルの作品しか出さない日本のメーカーとは違いますね、考えることが。なにせ、バイオレンスアクションから卓球ですから。この流れを想像してたなんて人がいたら、さいたま県をあげてもいいぐらいの飛躍ですよ。また言いたくなりました、「さすがロックスター!」と。

●新世代のリアリティはこうあるべきなんでしょうね

 ゲームライターで記事を書いてたりすると、「グラフィックが超リアル!」なんて言葉をよく使ったりします。そんなことを書いておきながら、何なんですが、正直もうそんな言葉がゲームのウリになる時代は終わったと思ってます。スーパーファミコンやメガドライブの時代ならいざ知らず、恐ろしくマシンの性能が向上した現在。もう当たり前ですからね。でも、言わせてください。このゲーム、すごくリアルなんですと。リアルなピンポン球の挙動(ボールの回転がショットの種類で変わります)、球の弾む音やシューズと床のすれる音、観客の声援(選手の国籍によって応援の言葉が変わったりします)。個人的にお気に入りなのが、ネットの揺れ。波打つような、ゆるやかな揺れの再現度には相当驚きましたよ。卓球台と球と2人の選手だけをどこまでリアルに再現できるかを追及したという言葉にはいつわりはありません。ただグラフィックやサウンドだけのリアルさじゃない(この点が重要ですよ)。Xbox 360の性能ならば、これぐらい当たり前でしょう。その先にあるリアルさが、このゲームにあります。それが選手の表情や仕草。肩を落として悔しがる、自然と出たガッツポーズ、ラリーに負けた時にラケットを確かめる……。表情に関しても、心のそこから喜んでいる笑みもあれば、どうにかラリーを制しての苦笑、負けたのにまだまだという感じの不敵な笑みなど、笑い1つとってもさまざまなバリエーションが。以前あるクリエイターの方にお話をうかがった際に、「これからはセリフで感情を表現するんじゃなくて、顔の微妙な表情で感情をユーザーに読み取らせる時代がくる」と聞いたことがあるんですが、まさにそれですね。正直、勝ったらガッツポーズ、負けたら泣いちゃう。そんなチープなキャラのパターンでもいいんですよ。ゲームの内容にはまったく差し支えがないので。でも、そうしないでここまでやってしまうところに、熱い熱いこだわりを感じますね。試合が続くと、少しずつ汗をかき始めて、選手の肌がうっすらと湿ってくるんですけど、ここまでやる必要ってあります? あと長いラリーを制すると、少しテンションが上がって、能力がアップするとか。メンタルの部分もしっかり再現しているんですよ。このゲームを遊んでて思ったのは、ちょっと言葉が変かもしれませんが、現実ってすごくリアルだなと。

●ピンポンでもバトルでもどちらでも大丈夫!!

 基本的に使うのは、スティックと4つのボタンだけ。4つのボタンはそれぞれ球種になっているので、ただ打ち返すだけならボタン1つだけでもOKです。操作も球がきたら、タイミングよくボタンを押すのではなく、ボタンを押しっ放しにしていれば、球が打ち返せるところにきた時点で自動的に打ち返してくれる(セガの『パワースマッシュ』と同じシステムです)。ボタンを押しっ放しにしている=ラケットを振りかぶっている。そして、球がきたら、打つという感じですかね。そこにちょっと戸惑う人がいるかもしれませんが、慣れてしまえば、タイミングよくボタンを押す操作法よりも簡単なので、すぐ楽しめるようになると思います。画面がリアルなんで、初心者おことわりな雰囲気がするんですが、初めてでも30分ぐらい遊べば、そこそこラリーができるようになると思います。ただしもちろん、きちんと上級者向けにも作られていまして。ショットはボタンを押しっ放しにするほど、強いショットが打てるのですが、この押しっ放しにしている長さに応じて、ゲージが溜まり、このゲージがいっぱいになると、一時的に強力なショットが打てるようになる(両方の選手がこの状態になると、卓球台以外は真っ暗になる。集中し過ぎて周りが見えなくなるというアニメ風な演出になります)。球の球種はボールの色で簡単に見分けることができ、打ち込まれたのと同じ球種で打ち返すと、打ち返しにくい。そんなシステムもあります。冒頭でちょっと触れたイベントでは、メディア対抗のゲーム大会が開催されたんですが、それの準決勝以降では、この辺のシステムをみんな使いこなしていて、ものすごい試合でした。初心者の試合は“ピンポン”といった感じなのに対し、“バトル”って雰囲気になりますね。ここまで球が速くなるの!!ってぐらい速くなって、それでラリーを続けたりします。そんな激戦の中、不肖ながら私は決勝戦にまで勝ち進んでしまいました。まぁ残念ながら優勝はできませんでしたが……(※言い訳:相手がゲームを知り尽くした広報さんだったので)。対戦してみた感想としては、実力が似たり寄ったりの人だと、より一層楽しめると思いますよ。CPU、強いし。

●最後にひと言

 タイトルにロックスターと掲げているというのは、作品に自信があるということです。そして、その自信通りの作品です。炎をまき散らすようなショットが打てるとか、あまりのショットの強さに卓球台が砕けるとか、相手選手を殴れるとか。そういう奇をてらった演出やシステムもなく、真正面から卓球を作りましたという作品ですが、ものすごく丁寧に作られていて、こだわりもしっかり詰め込まれています。Xbox 360も少し安くなることだし、この機会に対戦用のコントローラーとこのソフトを買ってみてはどうですかね。こういうゲームを作ってくれるロックスター。やはり目が離せませんねぇ。

 

 


『Rockstar Games presents Table Tennis』画面写真

レビュアー紹介

いぐちじゅんや
  メガドライブのソフト全タイトルを所有している、かなり偏ったゲームライター。そんなワケなので、トレジャーとかが大好き。なんか、見た目にも人とはちょっと違った変な人。

●好きなゲーム
『ジェットセットラジオ』シリーズ
『塊魂』


Rockstar Games presents Table Tennis
『Rockstar Games presents Table Tennis』パッケージ写真

●機種:Xbox 360
●メーカー:マイクロソフト
●ジャンル:SPG
●価格:5,040円(税込)
●発売日:2006年10月12日

(C) 2006 Rockstar Games, Inc. All rights reserved.
(C) 2006 Microsoft Corporation. All rights reserved.

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