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シリーズ10周年記念作品、PS2版『鉄拳5』ついに登場!!(6,787文字)
●PS版『1』の発売から丸10年、『鉄拳』シリーズはここまで成長した!
今から10年前の1995年3月31日、PS版『鉄拳』が発売されました。すでにアーケードで稼動していた『鉄拳』でしたが、盛り上がりかたは正直なところイマイチ。乱入された記憶もほとんどありません。これは3D格闘ゲーム黎明期だったこと(当時は2D格闘ゲームが主流でした)、独特のシステムをたくさん持っていたこと、キャラの見た目が濃かったこと(?)などが災いしたのでしょう。しかしそんな状況も、PS版『鉄拳』の発売とともに劇的に変化しました。自宅でプレイして『鉄拳』の魅力を知ったプレイヤーたちが、アーケードに戻ってきたからです! 以後、『鉄拳』は3D格闘ゲームを代表するシリーズとして、日本のみならず世界中のファンに愛され続けているのです。
基本システムは、この『1』からずっと変わっていません。4つのボタンが両手両足に対応していたり、リングアウトがなかったり、10連コンボという連続攻撃があったり(くらっても反撃可能ポイントがあるためハメ技にはなりません)、ガード不能技があったり(出るのが遅いためそう簡単には決まりません)……。シリーズを重ねるにつれて受け身や横移動という概念が取り入れられたり、起き上がりのバリエーションが増えたりと、着実に進化してきました。キャラの数もかなり増えましたし、背景ストーリーもしっかりしています。まぁ、今回の『5』には三島家の親子(なんと4世代!)が登場しちゃっていますし、ここ数作品には後付けで設定されたように感じる部分もあったりするのですが(笑)。
●シリーズにおける『鉄拳5』のポジションとは?
タイトルこそ『5』となっていますが、実質的には6作品めとなります。具体的には、PSで発売された『鉄拳』、『鉄拳2』、『鉄拳3』、PS2で発売された『鉄拳タッグトーナメント』、『鉄拳4』、そして『鉄拳5』です。(※1)
この中で異彩を放っているのが『鉄拳タッグトーナメント』。その名のとおり2対2のタッグマッチ形式になっていて、ラウンド中に「チェンジボタン」を使って操作キャラを変更できるという外伝的存在です。また、前作に当たる『4』も、異質なアプローチをしていた作品でした。キャラの体格や技の性質といったバランス設定の部分で“リアルさ”を前面に出していたのです。無限フィールドを廃止して壁や天井を用意したり、地形にアンジュレーション(高低差)をつけていたり……。個人的にはとてもおもしろい試みに感じましたし、実際にかなり楽しめたのですが、世間的な評判は必ずしも高くなかったようです。ポジション取りが勝敗にも大きく影響するこれらのシステムは、格闘技が大好きな私には受け入れやすかったんですけどね。もっとも、壁という概念は『5』の一部のステージにも受け継がれています。壁を背にするとあせりますし(壁に叩き付けられるとダメージを受けるうえ、追い打ちもくらいやすくなる)、逆に壁を利用したコンボを決めたときの爽快感は病みつきになるほど。
ちなみに『5』は、『3』までのバランス設定に近くなっているので、『4』にピンと来なかったプレイヤーも安心して遊べることでしょう。「熱い読み合いが楽しめる」といった要素はしっかりと残しつつも、派手なエフェクトや一部のおバカな技(ほめ言葉のつもりです(笑))など、『鉄拳』ならではの爽快感が味わえますから。
●PS2版にはどんなモードがある?
『鉄拳5』に用意されているモードについて細かく見ていきましょう。なお、過去のシリーズに存在し、内容面でも大きく変化していない「タイムアタック」、「チームバトル」、「サバイバル」といったモードについては省略しています。もちろん、これらにも“やり込み要素”や“対戦を盛り上げるためのスパイス”といった要素が色濃くあり、十分に楽しめるモードであることを付け加えておきます。
○モード紹介:「ストーリーバトル」編
9人のCOMキャラと順番に戦っていくモードです。各キャラごとにストーリーが用意されていて、ゲーム開始時には3枚の描き下ろしイラストでストーリー的な設定が説明されます。また、特定のステージ(4、7など)には関係の深いキャラが敵として登場するだけでなく、ちょっとしたデモも用意されています。家庭用『鉄拳』シリーズでおなじみのオリジナルエンディングムービーも、このモードをクリアすれば流れます。ほとんどのプレイヤーがゲーム購入後真っ先にすることは、このモードで「全キャラのエンディングを見ること」でしょう。難易度設定を低くしたり、ラウンド数を1にしてもエンディングはちゃんと流れますので、使ったことのないキャラでも、ぜひがんばってクリアしてほしいですね。なお、途中でキャラを変更することができないので「途中まで得意なキャラでプレイし、最後だけ変える」という戦法は使えません。もっとも、それゆえに一通りのキャラを操作することになり、「このキャラ、意外とおもしろいな」なんていう発見にもつながったりするのですが。エンディングムービーというご褒美があるからついつい全キャラをプレイしちゃうわけで……なんともうまい作りかたですねぇ(笑)。
ちなみに『鉄拳5』に収録されているムービーは合計30分以上あります。もちろん、一度見たエンディングは「シアター」モードでいつでも閲覧可能です。例によって1Pキャラ(パンチボタンで選択)と2Pキャラ(キックボタンで選択)でエンディング内容が異なるキャラもいますし、ラスボス戦でわざと負けることで“あのキャラ”のエンディングも見れちゃったりもします。
○モード紹介:「アーケードバトル」編
今回、もっとも進化したモードがこれでしょう。アーケードでの対戦をイメージしたものに生まれ変わり、遊ぶ機会が激増しました。対戦相手として登場するのは、アーケード版の実戦データをもとに作成された“ゴースト”と呼ばれる数百人のキャラたち。その人ならではの攻撃パターンを持っているのはもちろん、空中コンボの失敗(うまく追い打ちできずに空振りしてしまう)まで再現しているというのですから、単なるCOM戦とはひと味違った緊張感が楽しめます。このゴースト、先行発売された海外版には存在しない仕様なのですが、遊び応えという意味でははるかにこちらのほうが上。国内版の発売の遅さを嘆く人も多かったようですが(私を含めて(笑))、すでに発売された今となってはこれでよかったと思います。ずっと遊び続けるのは、結局この「アーケードバトル」モードなんですから。
なお、このモードにラスボスは存在しません。相手に勝つと新たな挑戦者が乱入してくるだけです(負けてもコンティニューすれば再戦可能)。今、「乱入してくる」と書きましたが、実際には対戦相手を3人の中からプレイヤーが選ぶ形になっており、画面には相手の段位と使用キャラが表示されます。方向キーの入力方向と相手の強さとの関係は、基本的に「上>右>下」となっているので、腕に自信がある人は方向キー上で選び続けるだけでもOKです。
“段位”も『5』から取り入れられた要素です。「アーケードバトル」モードに出てくるキャラ全員(プレイヤーを含む)に段位が設定されていて、同段位以上の相手に勝ったりすることで昇段していきます。段位が上がれば上がるほど相手も強い人ばかりになりますし、得られるファイトマネー(「カスタマイズ」モードでのアイテム購入に必要)も高額になります。当然、勝ち続けることも難しくなるわけです。ここで負け続けてしまうと……そう、降格の危機が待っているのです。(※2)
PS2版ではデータをメモリーカード2にセーブする関係で、じつはズルができちゃいます。勝ち続けているときに一度モードから抜けてセーブしておき、降格したらそのデータをロードすれば元の段位のままなわけですから(オートセーブ機能がOFFになっている必要あり)。写真の「鉄拳王」という段位も、実際にそうやって上げました。仕事上のデータ確認の意味もあって……というのは、ただの言い訳ですね(笑)。ただし、プライベートのプレイでは、それはしないつもりです。やっぱり、実力相応の相手と戦うことが楽しいわけですし、降格の危機に怯えつつ戦うのもまた一興。私の腕では「風神」以上の4段位との試合は、負けたり勝ったり負けたりの繰り返しです(負けのほうが多い(笑))。
そうそう、ひとつのセーブデータに、全キャラ分の段位データ+α(コスチュームなどのことで、詳細は「カスタマイズ」モードの項目で紹介)が記録されるのもすごいところです。「このキャラは鉄拳王だけど、このキャラはまだ羅刹」なんて感じで、キャラ選択画面でカーソルを動かしているだけでも楽しめちゃうんですよ。
○モード紹介:「VSバトル」編
友だちと対戦するためのモードです。「アーケードバトル」モードで得た段位や称号、コスチュームで登場するので、育てたキャラ同士を持ち寄るだけで「お、そこまで段位を上げたか」とか「素敵なファッションセンスで……って趣味悪っ!」なんて突っ込めるところが楽しくて(笑)。体力設定を変更することでハンデをつけられたりすることも、これまでのシリーズから変わっていません。アーケード版のようにプレイヤーのデータ(戦績など)が表示されなかったり、「同じキャラ&ステージで即座に再戦する」ことができなかったりする(必ずキャラ選択画面まで戻ってしまう)のは残念ですけどね。
でもまぁ、対戦が始まると時間を忘れて楽しんでしまうので(編集部の場合、対戦相手に事欠きませんし)、機会があればぜひお友だちと戦ってみてください。やっぱり対戦は燃えますから! お金はかかりますけど、ゲーセンに出かけて見知らぬ人と対戦するのも、もちろんありです。
○モード紹介:「プラクティス」編
技を出す練習をしたり、独自の空中コンボを編み出したりするときに役立つ練習用のモードで、最低限の要素(技のデータ、やられ役キャラの行動の指定など)はちゃんと入っています。技リストではCOMが技の動きや入力タイミングを見せてくれたりもするので、使い慣れないキャラの動きを知るうえでも活用したいモードといえるでしょう。
ただ、『4』の「プラクティス」モードなどに比べると、少々パワーダウンしているのも確か。キー入力表示がなくなっていたり(画面下にプレイヤーの操作内容が表示されない)、キャラ別のコンボのサンプルがなくなっていたり……。『4』にあったコンボのサンプルは、「これを練習するだけで、これまで触ったことがないキャラの動きや有効なコンボを把握できる」という意味でとても役立っただけに残念です。『鉄拳』シリーズ未経験の人や、しばらくプレイしていなかった人(『鉄拳』は『3』以来、といった人も多い)も数多くプレイするであろう『5』だけに、ぜひとも欲しかった機能でしたね。まぁ、容量の関係でカットせざるを得なかったという話を聞いているので、「残念だよなぁ」としかいえませんけど。んー、でもやっぱり欲しかったかな(笑)。
○モード紹介:「鉄拳:デビル ウィズイン」編
風間仁を主人公にした3Dアドベンチャーアクションゲームで、『鉄拳』本編と異なり、画面奥に向かって移動する形になっています。操作方法も独自のスタイルで、左スティックで移動、右スティックでカメラ視点変更、□ボタンでパンチ攻撃、×ボタンでキック攻撃、○ボタンでジャンプ、△ボタンでガードといった感じ。ぶらさがりや二段ジャンプが可能だったり、アクション要素やパズル要素の強いシーンがあったり、ゲージを溜めるとデビル化(攻撃力などもアップする)できたりと、このモードならではのシステムも数多く存在しています。
ただ、全般的にカメラ視点がイマイチで、3D酔いしやすいのはつらいところです。右手の操作がどうしても「攻撃の合間に、こまめに視点変更する」になっちゃいますし。バトルもボス戦などを除くとやや単調ですしね。また、ストーリー性が希薄なのも残念。主人公がデビル化できる仁で、ボスとして『鉄拳3』のオーガも出てくるだけに、デビル遺伝子に関する情報が明かされると想像していたのですが……。
意欲作であることは間違いありません。でも、個人的な評価はちょっと低めです。まぁ、途中でセーブもできますから、他のモードの息抜きに少しずつプレイしていくだけでもいいでしょう。このモードがメインになっているゲームだったら、私ももっときついことを書いていたでしょうが(笑)。
○モード紹介:「アーケードヒストリー」編
アーケード版の『鉄拳』、『鉄拳2 Ver.β』、『鉄拳3』、そして『スターブレード』が楽しめるモードです。アーケード版の移植ということで技コマンドも表示できませんし、PS版のエンディングムービーなども入っていません。しかし、シリーズの歴史を振り返るという意味でも、存在意義は決して小さくありません。今、改めて10年前の作品(『1』)をプレイしてみると、誰もが進化のすごさに驚くはずです。どれもPS2版としては初めての登場ですしね(『スターブレード』の流れを汲む『スターブレードα』もPSで出ていました)。
ちなみに、『スターブレード』は『鉄拳5』起動時のローディングゲームとしても登場します(序盤だけプレイ可能)。しかし、「アーケードヒストリー」モードには特定の条件を満たさないと登場しないようになっています(『鉄拳』~『鉄拳3』は最初からプレイ可能)。
○モード紹介:「シアター」編
オープニングムービーやエンディングムービーに加え、『鉄拳5』発売前のイベントで公開されたムービーなども収録されています。残念なのは、ムービー選択画面が一覧表示ではなくなったこと。どのキャラのエンディングをまだ見ていないのかが把握しづらくなっちゃって……。自力でメモを取るなどして対処するしかないのが厳しいところです。
○モード紹介:「カスタマイズ」編
「アーケードバトル」モードや「鉄拳:デビル ウィズイン」モードで入手したファイトマネーと引き換えに、コスチュームや称号などを購入できるモードです。装備の変更もここで行います。コスチューム(色も変更可能)やアクセサリなどを自由に装備できるのは、やっぱりうれしいですね。このモードでは、セレクトボタンでテキスト非表示、L&Rボタンでズーム、左スティックでキャラ回転といった仕様になっているため、じっくりと鑑賞することもできます。お金が足りなくても、カーソルさえあっていればパーツを装備した姿を表示できるところも親切ですね。「熊殺し」や「鑑賞用」、「生きる」といったヘンな称号も大量に用意されているので、それを探しているだけでも楽しかったりして(笑)。なお、コスチュームは1Pカラー&2Pカラーそれぞれに設定できますが、称号は同一キャラで共通となっています。
アーケード版にはなかったエクストラコスチュームも用意されています。いのまたむつみ氏デザインのシャオユウコスチュームや永野護氏デザインのアンナコスチュームなど、その数なんと10以上! これらは購入した後、キャラ選択時に特定のボタン(△ボタン、○ボタン、L&Rボタン)を押すことで選べるようになっています。原則的にエクストラコスチューム対エクストラコスチュームという対戦が不可能(キャラに関係なく、一方のみ選択可能)なのは残念ですけどね(※3)。
●読み込み時間の短さも感動的!
ただ、本格的に遊ぶならジョイスティックは必須かも?
電撃PS誌のレビューにも「移植度、操作性、操作感、読み込み時間の短さ、オリジナル要素と、すべてが高いレベルにある」と書いたのですが、本当によくできていると思います。キャラ選択画面での表示を簡易版にすれば、読み込み時間はさらに短縮されますしね。
細かく見ていけば「キー設定でL&Rボタンにも割り振れるが、ボタン2つ同時押しまでしか割り振れない(左パンチ+右パンチ+左キックといったボタンは作れない)」など、残念に思う部分はあります。これとて「左パンチ+左キックに割り振ったL2ボタンと、右パンチボタンを同時に押す」ことで対処可能ですし、コントローラでもプレイできるよう配慮されていることも感じます。ただ、やっぱりジョイスティックがあると便利なのも確かでしょう。このゲームを気に入ったら、ぜひジョイスティックの購入も考えてみてください。コントローラでのプレイを前提とした「鉄拳:デビル
ウィズイン」以外、アナログ入力要素は関係ありません。そう、PS版のジョイスティックでも構わないのですから。
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レビュアー紹介
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ウォルフ中村
ゲームを徹底的にやり込み、つい見落としがちな細かい部分まで検証し、鋭い視点で評価。この人の目はすごいぞ。電撃PS編集部イチのスポーツマニア。
●好きなソフト
『鉄拳』シリーズ
『みんなのGOLF』シリーズ
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『鉄拳5』
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●機種:PS2
●メーカー:ナムコ
●ジャンル:ACT
●価格:7,140円(税込)
●発売日:2005年3月31日
(C)1994 1995 1996 1999
2001 2004 NAMCO LTD., ALL RIGHTS RESERVED.
■ソフト紹介ページ
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■注釈■
(※1)このほかにも『鉄拳』の名がつく作品は『鉄拳アドバンス』(GBA)、『デス
バイ ディグリーズ 鉄拳:ニーナ・ウィリアムズ』(PS2)、パチスロの『鉄拳』などありますが、ここでは割愛。
(※2)画面左下の赤い文字に注目。この試合に負けてしまうと、段位がひとつ下がって
しまいます。ちなみに、降格試合のときは相手の強さが少し下がる(情けをかけて手を
抜いていてくれる?)ような気がします。

(※3)「VSバトル」では同キャラのエクストラコスチューム対戦はできないが、メモリーカードを2つ使用することで別キャラクター同士のエクストラコスチューム対エクストラコスチュームの対戦は可能。
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