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◇ レビュー ◇
電撃オンライン編集部がオススメするソフトを個性的なレビュアーがアツく語ります!
タイトル
ラジアータ ストーリーズ
レビュアー
ひびきたける

数々の名作RPGを生んだゲーム開発会社トライエースの最新作は、
中世ヨーロッパ風の世界が舞台のファンタジーRPG!!(5,381文字)

 『ヴァルキリープロファイル』や『スターオーシャン』シリーズなどの名作RPGを手がけたゲーム開発会社・トライエースの最新作が、この『ラジアータ ストーリーズ』です。本作の舞台は中世ヨーロッパをモチーフとした剣と魔法のファンタジー世界。いろいろなゲームや小説の題材になっていて親しみのある王道的な、逆にいえば「ありふれていて誰もが知っているような」舞台であるといえます。料理で例えるならチャーハンとか、カレーです。でも、このチャーハンやカレーって、シンプルな料理なのに作る人によって全然味が違うんですよね。つまり、誰もが簡単に思い浮かべることができるファンタジー世界を、トライエースというゲーム制作の一流シェフがどう料理するのか!? これはトライエースのファンならずとも気になるところじゃないですか! これからその“味”に当たるゲームの魅力を、レビューしていこうと思います。

●温かみのあるグラフィックと優しさに満ちた音楽
 料理もゲームもやっぱり見た目が大事! というわけで、まずはグラフィック面。パステル調をベースにした、まるで絵本のようなグラフィックはとても好感が持てます。どこか安心してプレイできる雰囲気が作られています。BGMも明るくて元気のいい曲ばかり。シリアスなストーリー展開にもかかわらず、ゲーム全体のイメージが明るいのは、このBGMによるところが大きいでしょう。同じラジアータの街でも、区域によって音楽が変わるなど、細かい演出もポイントが高いです。しかし、フィールド画面は画面の上が必ずしも北を向いているわけではないため、方向がわかりにくくなることが何度かありました。もちろん、全体マップも表示できますが、座標がややズレて表示されることがあって余計に迷うことも。フィールド画面中に方位磁針のようなものを表示できれば、便利だったのになぁと思いました。

●騎士を目指す少年が主人公の冒険物語が展開!
 物語は主人公の少年・ジャックが、騎士になるために騎士団の入団テストを受けるところから始まります。と、まぁスタートは王道的な感じなのですが、そこから先は意外な展開の連続! この場で語れないのがとても残念です。そして、なにより注目したいのが、あちこちに散りばめられた「笑い」です。軽妙なセリフ回しや、コロコロと変わるキャラの表情に思わずニヤニヤしちゃいました。メインの登場人物たちも、一癖も二癖もあるキャラばかりです。CGを見て「正直、微妙~」だと思っていたガンツやジャーバスが、あんなにナイスなキャラだったとは! 人を見た目で判断しちゃいけません。また、主人公の装備が変わると見た目のグラフィックも変わるんですが、これも笑える装備があったりするので非常に楽しいです。ぜひ見てほしいですね。

●NPCがゲーム内で生活する「タイムスケジュールシステム」
 メインキャラもいいのですが、このゲームはサブキャラのNPCもスゴイ! なんと、ゲーム中に登場するすべてのNPCは、1人1人が独自の生活パターンを持っているんです。例えば「朝起きて仲間と談笑し、昼は食堂でゴハンを食べる。午後は剣の訓練をして夜に酒場でビールを飲み、夜中に帰宅」といった具合に街の人が思い思いに行動しているわけです。ゲームの主な行動拠点となるラジアータの城下町では、140人以上のキャラがひしめきあって生活を営んでいます。もちろん、街を歩くキャラたちの個性もバッチリ! 隻眼の剣士や子連れの女盗賊、アフロヘアーのオカマ、さらにはガキ大将までありとあらゆるタイプの人物に出会うことができます。キレイどころや「萌え~」なキャラも多いので、あとをつけて観察するのが楽しいんですよ。現実でやったらモロに“ストーカー”ですけどね……。行動が変わると話の内容も変わることが多いので、観察意欲もウナギ上りです。ゲーム内の1日は約30分なのですが、NPCの数は300以上! 1人1人つけて歩くと膨大な時間がかかります。そこで、自分が気に入ったキャラだけ追いかけてみたのですが、それでもあっという間に2~3時間過ぎてしまいました。でも、基本的に同じ行動を毎日繰り返すだけなので、1日ぶんの行動を見てしまうと、そのキャラについては興味がなくなってしまうんですよね。欲を言えば毎日同じではなくて何日かに1回でも行動に変化があるとキャラの個性をより強く出すことができたのではないでしょうか。今でも充分すごいんですけどね。

●仲間を集めて「Party Book」を埋めていこう!
 300人を超えるNPCが独自の生活をしているというのはすでに語りましたが、その中で150人を超えるキャラを仲間にすることができます。仲間になる条件はキャラによってさまざま。ただ話しかければOKのキャラもいますが、たいていはそのNPCの悩みを解決してあげることがカギとなっている場合が多く、イベントを発生させるためにも仲間にしたいキャラと話をして、その人物の性格や悩みを知る必要があるのです。街を歩いていて「あぁ! このキャラ仲間にしてぇ!」と思ったら、背後をつけて話かけまくります。これが仲間集めの基本的なスタイル。見事悩みを解決して仲間になったキャラは「Party Book」にプロフィールとCGが登録されます。このCG集めがまた収集意欲をかきたてるんですよ! CGのクオリティがとても高く、本編にはほとんど関係ないけど、1人1人のプロフィールが妙にディティールが細かくて笑えます。スタンプラリーとか、食玩集めとかコツコツ集めるのが好きな人は、ハマること間違いなしです。仲間にしたキャラは、戦士ギルドの受付で自由にパーティに入れたりはずしたりできるようになります。いろいろな人を仲間にできるので、友人同士で仲間にしたキャラの情報を交換しあったりするのも楽しいですよ。

●蹴ってアイテムゲット! NPCとのバトルも熱い!
 フィールド上で×ボタンを押すと、主人公が目の前を蹴ります。宝箱はもちろん、机やイス、武器、時計などなどフィールド上のあらゆるオブジェクトを蹴ることが可能です。オブジェクトを蹴るとアイテムが出現することがあるので、はじめて行ったところは必ず蹴ってアイテムがあるか確かめてみましょう。蹴ったときの「バシッ!」という効果音が気持ちいいので、NPCの行動を待っているときなど、意味なくあちこちを蹴ったりしてました。また、ほとんどのNPCを蹴ることもできます。NPCを蹴ると1回目はおどろいたり、怒ったりしてさまざまなリアクションを返してくれます。何度も話しかけるよりも1発の蹴りのほうが、そのキャラの本性が見えることがあるので、初めて会った人にはとりあえず蹴ってみるのがオススメです。しかし、同じキャラを2回蹴るとさすがに怒り、そのキャラとバトルになったり、衛兵を呼ばれてしまいます。戦いは主人公1人のみで行い、勝つと経験値とお金がもらえます。負けるとHPが1になるだけで、とくに大きなペナルティはありません。中にはバトルで勝つことが仲間になる条件のキャラもいるので、とにかく街中の人を蹴って蹴って蹴りまくるのが、このゲームの正しい(!?)プレイスタイルの1つといえます。蹴ったキャラには嫌われてしまいますが、ゲーム内の時間で1日経つと機嫌を直してくれるので、積極的に蹴っていきましょう(笑)。まぁ、日常生活でこんなことをやったら大変ですが、ゲームの世界でならこんな破天荒なことをやってもいいんじゃないでしょうか? いろいろなキャラと自由に戦えるのも、このゲームの魅力なのです。

●戦闘システムは多いけど、遊びながら簡単に覚えられる!
 最大4人パーティで行える戦闘はプレイヤーが主人公を操作し、仲間はAIが操作する3Dリアルタイムバトル方式。基本操作は○・□・△・×の4つで行えるし、チュートリアルがしっかりしているので説明書を読まなくても充分覚えられます。プレイヤーは片手剣・両手剣・槍・斧の4系統の武器を使うことができるのですが、1つの系統の武器を続けて使っていくと新しい技をどんどん覚えていきます。その技を武器が持つチェーンポイント(以下、CP)の最大値まで、好きなように組み合わせてオリジナルコンボを作ることも可能です。斬る・突く・振り下ろすなど技の特性によってコンボのつながりやすさも違うので、なるべくスキの少ないコンボを組み立てるのがポイント。ですが、あまり深く考えずに1つか2つの技でコンボを作るだけでも、十分戦うことができます。また、敵を攻撃するとたまるボルティゲージを使って、命令や必殺技などさまざまな行動を取ることができます。新しい行動が可能になったら、その都度チュートリアルが入るので、誰でも自然に覚えられるのがうれしいところですね。このボルティゲージを使って、どんなことができるかをまとめてみましょう。

(1)仲間に命令が出せる
 回復魔法が使える仲間に回復するキャラを指示する「ヘルプ回復」や、自分がターゲットしている敵に攻撃させる「ヤツに攻撃」など、仲間の行動を指示できます。回復魔法が使えるキャラでも、仲間のHPがよっぽど減らない限り使ってくれないので、HPが少なくなったキャラは早めに回復の指示を出す必要があります。また、仲間全員の攻撃力を上げる「闘魂注入」や、HPを回復したりする「円陣の歌」など、仲間全員のサポートも命令で行えます。

(2)必殺技のボルティブローは使い勝手バツグン!
 持っている武器の系統ごとに異なる必殺技が使えます。ゲージの消費量も10(最大で100)と少なめなので、コンボの最後に使ったり連発することも可能です。オーラ攻撃などで連続ヒットするものもあり、単発で使うだけでも効果があります。

(3)超必殺技のボルティブレイクは一撃必殺の破壊力を持つ!
 ゲージがMAX状態のみ使える超必殺技で、これも主人公が持っている武器の系統によって技の種類が異なります。どれも見た目が派手でかつ、強力ですが、ゲージの消費が激しいので連発できません。ボスのHPを削るときにはとても役立つ攻撃です。また、一部の仲間キャラもボルティブレイクが使え、それぞれオリジナルのボルティブレイク技を持っています。その内容はカッコいいものやちょっと笑えるものなどバラエティに富んでいるので必見! 仲間のボルティブレイクは命令の「ボルティ発動」で発動させることができます。

(4)リンク(陣形)を使って仲間と協力攻撃が出せる!
 1体の敵を囲んでタコ殴りにする、その名も「タコ殴リンク」をはじめ、竜巻を起こして敵を吹き飛ばす「スクウェアリンク」など、さまざまな効果を持つリンク(陣形)を組んで戦うことができます。リンクはあらかじめ方向キーに割り当てて、戦闘中に方向キーを1度押すとメニューが出現。もう1度押すと発動できるので簡単です。スクウェアリンクで敵を浮かせたあとに、敵を跳ね飛ばしながら突撃する「突撃アローリンク」で追い打ちをかけるなど、2~3個のリンクを切り替えて戦うのが楽しいです。リンク中にダメージを受けるとボルティゲージが減ってしまうので、そのあたりはちょっと注意が必要ですね。

 と、いろいろな要素があるのですが、戦闘の難易度はそれほど高くありません。さすがにボス戦はちょっと考えないといけませんが、ザコ戦では1つか2つのリンクを使っているだけで勝てる場合がほとんどです。戦闘の読み込みが早いのもあって、バトルは本当にテンポよく進みます。過去のトライエース作品では、戦闘でのやり込みを重視したものが多かったので、そういった「歯ごたえのあるバトル」を期待していた人は、ちょっと肩透かしを受けてしまうかもしれませんね。でも、個人的には経験値稼ぎをしなくても十分先に進める難易度なので、これはこれでアリだと思います。ただし、せっかくたくさんのキャラを仲間にできるのだから、特定の仲間同士での合体コンボとか、協力必殺みたいなものが使えたら仲間集めがもっと楽しめたかも。それから、仲間キャラは戦闘でレベルが上がるとステータスが上昇するのですが、新しい技などを覚えないのも残念。最初から持っている攻撃がイマイチ使えないキャラは、どんなに愛情を持って育てても優秀なキャラを上回ることができないので、結果として最終的に連れて行く仲間がどの人も同じキャラになりやすいのも惜しいところです。

●このキャラに「ピン」ときたら買って損なし!
 本作の最も大きな魅力はやはり、多彩なキャラを仲間にできることにあるといえます。電撃PlayStationで紹介しているCGやイラストを見て、「うわ、こんなキャラと冒険してぇ!」と思ったら買って損はないタイトルです。気に入ったキャラを追いかけまわしたり、仲間にする方法をあれこれと模索するのがとても楽しいので、コツコツとゲームをプレイするのが好きな人にとくにオススメしたいですね。また、シナリオの進行や戦闘のテンポがよく、親しみが持てる世界観やチュートリアルがしっかりしているなど、ゲーム初心者でも安心してプレイできます。システム面で多少気になるところがありますが、それを上回るゲームとしての魅力を持っているので、RPGが好きならぜひプレイしてみてください。




 


レビュアー紹介

ひびきたける
 中学や高校時代、友人の家でSPGやFTGで対戦三昧だった対戦ゲーム大好きライター。RPGは『DQ』シリーズや『FF』シリーズを、たしなむ程度にプレイしている。レビューではゲーム性はもちろん、読み込み時間などのテンポのよさを重視。最近の悩みは、猫ひろしのギャグ「ラッセラー♪ ラッセラー♪」が耳から離れないこと。

●好きなゲーム
『パワプロ』シリーズ
『パワースマッシュ2』
『WE』シリーズ
『ピュ~と吹く!ジャガー 明日のジャンプ』
『ルミネス』


『ラジアータ ストーリーズ』
●機種:PS2
●メーカー:スクウェア・エニックス
●ジャンル:RPG
●価格:8,190円
●発売日:2005年1月27日

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