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『暴れん坊プリンセス』のキャラクターデザイン担当の、イラストレーター・桜瀬琥姫先生に直撃インタビューを敢行! キャラクター制作秘話や物語の主人公・ルージュへの想いなど、ファンにとっては大いに気になる話題をたっぷりお届けいたします。電撃プレイステーションでは掲載しきれなかった部分も含めて"完全版"です!!(このインタビューは、2001年12月某日、桜瀬先生の仕事場にお邪魔して取材したものです)

●開発スタートの真実

−−先日、原案・企画である桝田省二さんへインタビューさせていただいたときに、「桜瀬先生に『暴れん坊プリンセス』のお話をしたら、ノリノリで描き始めてくれた」とおっしゃっていましたけど?
桜瀬琥姫先生(以下桜瀬):それがちょっと違うんですよね(笑)。最初、ESPさんから私をキャラデザイン担当にしたゲームを出したいってお話が来ていたんです。「どんなものでもいいんで、桜瀬さんの気に入ったゲームをキャラデザインしていただきましょう」って言ってくれていたんですけど(笑)。それに際して、いいゲームクリエイターさんがいるから会いませんか? って感じで、お会いしたのが桝田さんとアルファシステムさんだったんです。この時ESPの会議室で、桝田さんが考えてらっしゃる企画をいろいろお話してくれたんですが、その中に『暴プリ』の企画があって。この頃の私の仕事のテーマが"ホロリ"とするもので、『暴プリ』の水戸黄門みたいな物語設定だと、そのテーマにも合う。それに破天荒だけど、同性からも支持されそうなルージュの設定が、私の好きなタイプだったんです。頭の中にルージュのイメージが浮かんできて、描いてみたいなぁーって。
−−それで、すぐに描いてみた、と?
桜瀬:いえ。その時はお話をするだけで終わったんです。でもそのあと、ホテルのラウンジでお話をしている時に、桝田さんが「さっきの話興味ある?」って言ってきて。桝田さんも、私が『暴プリ』に1番興味を持ったのを感じてくれていたみたいですし、ESPさんも私が気に入ったならOKってことで、とりあえずやってみることに。それから、お話を聞いたときに思いついていたイメージやアイディアを1カ月くらい経ってから送ったんです。桝田さんは「次の日に送って来た」なんて大げさに言ってますけど(笑)。桝田さんも私の送ったものを見て、「これなら!」と決心されたみたいで、開発が本格的にスタートしたんです。しばらく経ったあとで知ったんですが、桝田さんは最初、『ネクストキング2』のキャラクターデザインを私に頼みたくて、ESPさんに紹介して欲しいと頼んでいたようなんです。そのことを桝田さんからポロっと聞いたときには驚きましたね。もし、私が『暴プリ』ではなく、別の企画に興味を持っていたら、そっちの開発に参加することになっていたかもしれないわけで、『暴プリ』はホントに偶然から生まれた作品なのかもしれませんね(笑)。
−−「桜瀬さんが、ルージュ役に三石琴乃さんを強く推した」というお話も桝田さんからお伺いしたんですが、ルージュのイメージが浮かんできた時点で、声優さんは三石さんにしたいと考えてらっしゃったんですか?
桜瀬:いえ、そんなことはないです。私は桝田さんに提案しただけですよ(笑)。ルージュの声優さんだけなぜか決まらなかったんですね。私は声優さんって、ベテランの方しか知らないんですね。で、私の知っている中で誰がいいかなって考えた時に、三石さんならいいかなって。昔、子供たちに英語を教える仕事をしていたんですが、その頃子供たちは「セーラームーン」が好きで、よく「先生、セーラームーンの絵描いて」って頼まれていたこともあって。そういう関係から、TVで三石さんの声を聞く機会も多かったし、ああいうちょっとキャピキャピとした感じのキャラができるから、三石さんならルージュ役にいいんじゃないかなって思ったんです。桝田さんの中で三石さんは、大人っぽいイメージがあったらしくて、最初渋ったんですけど。でもそのあと、桝田さんは自分自身で三石さんについて研究したようで、最終的には三石さんを気に入ってしまったんです(笑)。桝田さんは声優さんを決めてから細かいセリフを考える人で、その声優さんのいいところが出ると思ったらセリフもドンドン変わっていったんです。だから、最初にお話してくれたルージュと最終的なルージュとでは、イメージはだいぶ変わりました。ちょっと性格ががさつになったような気もしますけど(笑)。

●イスラトを描くうえでの苦労

−−最初に感じたルージュのイメージで、ここはこうしようと決めていた部分はあります?
桜瀬:元気な女の子で王冠をかぶったお姫様だから、絶対ロリータテイストにしたかったんです。その方がかわいいと思って。前髪がまっすぐな髪型とかちょっと唇が厚いのとかも、ロリータの記号(シンボル)みたいなものです。最初はもうちょっと違う感じだったんですが、吊り目にして唇を大きくした形に変えたら、桝田さんも「僕は口の大きい人は好きだ」とすごく喜んでくれましたし(笑)。私はパッケージイラストなんかはルージュらしさが出ててお気に入りです。でもこういう元気な感じの絵を描いたあとだと、逆にちょっとシリアスなシーンがイメージに合わないなあって気がして、ちょっと困ったりもしたけど(笑)。
−−ほかに、『暴プリ』のイラストを描くうえで困ったり苦労したことはありますか?
桜瀬:そうですね、セリフと一緒に表示される各キャラのイスラトの数が多くて大変でしたね。線画は自分で書いて、影指定もしました。それをデジメーションさんの方で彩色してもらうって作業だったんですけど、ギリギリまで細かい直しをしたりしてました。
−−敵キャラクターとかは、イメージがつかみにくかったりしませんでした?
桜瀬:敵キャラクターに関しては、私はデザインをしてないんですよ。アルファシステムさんからいくつかの候補を見せてもらったあと、多少のチェックをして、その通りに仕上げてもらう形でしたから。

●思い切ったイラストデザイン

−−今回の『暴プリ』でもそうですが、桜瀬さんのイラストって、袖とかが大きい物が多いように思うのですが、これには何か理由が?
桜瀬:メリハリのきいた衣装、つまり袖口は大きいけど腕は細いとか、そういう服が好きなんです。でもそういう服って作るの大変なんですよ。高校の時に服飾の勉強をしまして、自分でデザインを描いて、服を作ることもしてましたからよく分かるんです。その頃はコンクールとかに作品を出したりもしていて、作ることを前提にしたデザインをしてました。でないと、いざ作らないといけないって時に大変なことになる。デザインを描いたあと、型紙が作れないって思ったことも何度かありましたし(笑)。でもゲームキャラの場合、動きのおもしろさや見た目を重視するし、自分が服を作ることもないんで、思い切ったデザインにしているつもりなんです。実際そういう風に作ったデザインを、服にしてコスプレする人もいたりして、「えー、この服作っちゃったのー!?」って驚かされると同時に、感激させられますね(笑)。

●意外!? な趣味

−−桜瀬さんは合気道を習われているとか。個人的に意外に思えたんですが、始められたきっかけなんだったんですか?
桜瀬:ここ数年、いろいろ仕事が忙しくなってきて、ストレスなんかで体調がよくない時期が続いてたんです。そういう自分にウンザリしていて、何か新しいことを始めてみようと思ったんです。昔ちょっとだけ少林寺拳法やっていた時期なんかもあって、元々武道は好きなんです。でもこれから始めるのに柔道や空手など攻撃性の高い武道はもう無理だろうな、と…。太極拳とか、体に無理なくできるものはないかなあと思って、イエローページをめくっていたら、家のすぐ近く合気道の道場があったんです。近くていいかもと思って、電話してみたら、道場長が「家が近い? じゃあ今からすぐに来なさい」って(笑)。稽古を見せてもらったら、これだ!と思ったんです。入門してみたら、合気道って結構ハードでついていけるかな? とも思ったんですけど。でも攻撃性のない、人を傷つけないって精神を持った合気道にすごく惹かれいて、頑張ってお稽古してます。
−−なるほど。もうひとつ意外に思えたのが桜瀬さんの音楽の趣味。石野卓球とか、テクノ音楽がお好きなんですよね? この少々アジアンテイストな、ちょっと落ち着いたお部屋の雰囲気からはちょっと想像しにくいんですけど…。
桜瀬:民族調の音楽とかも好きなんですけど、テクノが大好きなんですよ。テクノ全般ではないんですけど、電気グルーブはその変なところが好きです。以前から邦楽はあまり興味がなくて、洋楽派だったんですけど、最近は歌詞のない、聞いていて気持ちがいい曲が好き。歌詞に左右されることなく、曲のイメージで自分のイメージを膨らませていくのかいいんです。
−−ではイスラトを描く時なんかも、イラストの雰囲気に合いそうな曲を聞くんじゃなくて、自分の好きな曲を聞くんですか?
桜瀬:そうですね。漫画のアイディアなんかは、雰囲気に合わせた曲を聞いてイメージを膨らませることもありますけど。『暴プリ』の時は特に曲を合わせなかったですね。元気な曲を聞きながら描いてましたね。

●桜瀬さんのイラストもいっぱいのおまけ

−−ゲーム本編とスコアアタックで集められる、おまけ要素にもたくさんのイラストがありますよね。これらを描く作業は大変でした?
桜瀬:そうですね。私のイラストやその設定資料だけでもかなりの数がありましたから。「おまけ」に関しては結構頑張らないと集まらないですけど、ぜひたくさんの人に集めて見てもらいたいですね。あと、私が会話している、おまけも用意されているんです。ライライ役の永井一郎さんとは以前、別のお仕事でご一緒させていただいて、それ以来仲良くさせていただいているんですが、永井さんのアフレコに行ったときに、桝田さんに「スタジオに入って適当にしゃっべて」って言われたんですよ。あれは何だったんだろうと思っていたら、その時の会話がインタビューとして、おまけに入っていて(笑)。それから一カ所だけ章が始まる時のタイトルコールをさせられてました。通常はルージュ(三石さん)がしゃべっているんですが、3周目くらいのどこかの章は私がしゃべったのが使われているらしいんです。
−−繰り返しプレイやおまけ集めで、桜瀬さんのかわいらしいお声まで拝聴できるわけですね。桜瀬ファンなら、頑張ってプレイしないと。
桜瀬:私個人としては恥ずかしいんで、私のタイトルコールなんかは聞かずに飛ばしてほしいですけどね(笑)。

●今後のこと

−−『暴れん坊プリンセス』の続編のお仕事をされる予定なんてのは?
桜瀬:今のところないですね。でも桝田さんから、「続編の新キャラ思いついた」ってお電話が何度かありましたよ(笑)。桝田さんはそういうことを思いつくと、すぐにお電話くださるんですよ。そんな話が具体化しているのかな? と思うと、全然そんなことなくて(笑)。仕事とは関係なく、新キャラの設定とかについて話しこんじゃったりもするんです。そんな電話がもう2〜3回はありましたね。桝田さんは、話をしてもすぐ忘れちゃう人なんで(笑)。
−−サウンドトラックのジャケットイスラトとか、『暴プリ』関連のお仕事でまだまだお忙しいとは思いますが、もし次に新しいゲームのキャラデザインをするとしたら、どんな作品をやってみたいですか?
桜瀬:今度は絵本みたいのがやってみたいですね。ポリゴンもいいですけど、1枚絵で表現される絵本のような、心があったかくなる作品をやってみたいですね。
−−今日はありがとうございました。


イラストレーター桜瀬琥姫先生
漫画やイラスト、ゲームのキャラクターデザインなど幅広い活動を行う。PSソフト『マリーのアトリエ』『ククロセアトロ』のキャラクターデザインも担当。

『暴れん坊プリンセス』データ
■メーカー:角川書店/ESP
■対応機種:PS2
■発売日:2001年11月29日
■価格:6,800
(C)原案(C)2001 MARS 企画・ゲームプログラム(C)2001 アルファシステム
キャラクターデザイン(C)2001 桜瀬琥姫(Rig・Marge)(C)2001 角川書店/ESP

 

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