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これまでの「ネバーランド」シリーズとは違った展開を見せるアイディアファクトリー最新作『新天魔界 ジェネレーション オブ カオスV(以下、V)』。天空、地上、地下という3つの世界で物語が進行していく本作だが、それぞれの舞台の制作コンセプトやキャラクターの誕生秘話など、『V』の魅力をディレクターの小倉昌敏氏に語っていただいた。ゲームを攻略していく上でのアドバイスもあるので、すでにプレイしている人はもちろん、これからプレイする人も必見!


――今までにあった『GOC』はネバーランドという世界があって、その番外編に近い位置付けだったと思うのですが、『新天魔界 ジェネレーション オブ カオスV』ではこれまでの作品とは違った作りになっていますね。
小倉:そうですね、世界観はネバーランドのそれですが、舞台はまったく違う世界になっています。ネバーランドのキャラクターも登場しませんし。
――同じ名前、似た性質のキャラは登場していましたが、それらは無関係のキャラクターなのですか?
小倉昌敏氏(以下、小倉。敬称略):
実はその通りです。実際は別のキャラクターだけども、プレイヤーに「ん?」と思わせてみたくて(笑)。シリーズをプレイしている人は思わずにやりとするでしょうけども、じつは違うんだよという。
――『GOC』シリーズ=ネバーランドというイメージが定着していましたが、今回舞台を大きく変えたのには、どういった理由があるのですか?
小倉:
例えば、漫画家の鳥山明さんが描いた作品では「鳥山明の世界観」というものができあがっていますよね。そんな風に世界そのものは違うけれども、全体的な世界観はネバーランドだという形にしたかったんです。IFネバーランドというブランド自体、そうゆう意味を持っているんですよ。
――舞台が地下、地上、天空の3つの世界に分かれていますが、どういった経緯でこの3つの世界が誕生したのでしょうか?
小倉:
今まではどこの地方にも似たような種族がいたのですが、それを分けたかったというのがあります。例えば地下にはほぼ人間しかいないけれど、地上にはエルフやネコ(二足歩行の知恵ある種族)など、多くの種族がいます。この世界が今までのネバーランドに最も近い世界ですね。天空には天使やエルフ、悪魔がいるけれど、それ以外はほとんど存在しない。ゲームをやっていくとそれぞれの世界が関わってくるので、いずれ多くの種族と出会うことにはなります。元々は1つの世界でみんな地上に暮らしていたけれども邪神に1度滅ぼされ、生き延びるために移動した先が地下、天空だったという設定なんです。
――種族だけでなくキャラクターや世界観も地下や地上で違っていますが、世界ごとにコンセプトなどはあるのでしょうか?
小倉:地下は現実に近いファンタジー世界にしたくて、このような形になりました。学校や制服が出てくるのもそういった理由からです。今までの『GOC』ではある1人の人物が機械に長けている、というようなことはあったんですが、街全体、世界全体で文明が進んでいるということはなかったんですね。それで今回挑んでみたかったんです。地下というには広いけれども外壁があって、狭いところに押し込められているせいで細かい技術が発達したという設定ですね。あと地下世界編のシナリオは友情と裏切りといったことがテーマになっていて、人間関係がわりと複雑になっています。
――地上はどういったテーマ、コンセプトから作られたのですか?
小倉:時間の流れ自体は同じだけども、地下よりもやや昔、という時代設定になっています。地上が3世界の中で一番広い場所ですので、のびのびとした雰囲気を出したかったというのもありますね。死んだと思っていた幼なじみが実は生きていて再会するとか、ほかのシナリオに比べて、恋愛色が少し濃くなっているのも特徴です。物語の隠し要素的な部分も結構あって、3世界の中で最もボリュームのある内容になっています。
――天空はほかの2世界と比べ、空想的な世界になっていますね。
小倉:やはり天空というからには、天空らしさを出したいなっていうのがありまして。それで天使と悪魔をメインにしました。こちらは元々愛し合っていた者同士が戦わなくてはならない、というシナリオです。翼キャラばかり出てくるので、イラストを描くのは大変だったようですが(笑)。
――イラストレーターさんは、今までと同じ方が担当されているのですか?
小倉:
はい、ずっと同じです。今までのシリーズと少しタッチが違うらしく、皆さんに誰が描いたのか聞かれることがありますが。毎回世界観に合わせてタッチを変えてくれています。
――『GOC』シリーズはキャラクターの魅力も人気の1つだと思います。かなり多くのキャラクターが登場しますが、苦労された部分などは?
小倉:
最初はすごくいい加減で、「○歳男、武器は剣」みたいな注文に沿って描いてもらっています。何点か描いてもらったイラストやイメージ画を見て、さらに詰めていくという感じですね。すんなり決まるときもあれば、結構もめるときもあります。でも、おかげさまでイラストは本当に人気がありまして、原画展をやらせていただいたほどですね。これだけの数のキャラクターを生み出すのは大変でしたが、それがこのシリーズの特徴というか、醍醐味ですから。
――細かいことではありますが、地下編の久遠だけ漢字名前なのはなぜですか?
小倉:
地下は元々、いろんな国の人が交じり合っているという世界で、久遠は日本のような国出身の祖先を持っているんです。ほかのキャラが英語表記、というかカタカナ名ですし、目立たせるためにも久遠のみ漢字名にしました。あと刀を持たせたくって。実は当初は久遠ではなく、テッペイという名前で行く予定だったんですよ。長いことそのまま進んでたんですが、久遠の方がかっこいいんじゃないか、ということになって、変更したんです。テッペイだった頃には髷(マゲ)もついてました(笑)。あと、ゴンも初めの段階ではぽっちゃりしたキャラだったんですよ。僕的には食いしん坊キャラというイメージが定着していたんですが。ジャケットにしたときに、久遠の隣にそんなゴンがいるのは違和感がある、ということで今のような姿になってしまいました。現在公式サイトの方でキャラクター人気投票を行っているんですが、どのキャラが人気なのか、こちらとしても楽しみです。
――続いてゲーム内容について伺いたいと思います。3世界でシナリオが違いますが、それぞれどのような方向性で作ったのですか?
小倉:
シナリオ的に対照にしたいなというのがありまして。大きく分けるといきなりボスが分かって、それに向かって旅をしていくのと、最後の方でボスが分かるという2種類のシナリオがあるんです。地下編ではボスはあまり関係ないけれども、力を欲しがるあまり邪神を崇拝する、というようなキャラがたくさん出てくるんですね。それと戦っていく。地上編は最初はボスの正体があまり分からなくて、ゲームを進めていくうちに段々裏にいるものの存在が分かってくるんです。天空編のみいきなりボスの部下が出てきて、アッサリ本当の敵が分かってしまう。
――天空編がそういった仕様になっているのは、それぞれのシナリオのボリュームと関係あるのですか?
小倉:
はい。地下はチュートリアル的なものも兼ねていて、20章くらいになっています。地上、天空はオマケ的なものになっていて、地下編をクリアしないと出てこないんですね。地上は一番ボリュームがあって、30章くらいあります。天空編は難易度を高めにしてあって、熟練者用のシナリオという風にしてあるんです。地下、地上をクリアした後に、しかも難易度が高いのにあまり長いのもどうかな、と思いまして。そういった理由からも、ほかに比べて短めにしてあります。
――難易度が高いということですが、経験値を稼ぐのが難しいということですか?
小倉:
戦っていけば普通に貯まると思いますし、1つのエリアをクリアするとボーナス経験値というものが入って、これを振り分けることもできます。ただ土地に属性というものがありまして、天空編は敵に有利な属性から始まってしまうんですね。敵が強化されてしまうので、戦いにくいんです。この部分を越してしまえば、次のエリアからはそう難しくはないですが。あと実は、データを引き継ぐと、難易度が少し下がるようになっています。
――マス目の種類が増えたりフィールドが3Dになったりしたことで、全体的な難易度は上がっているのでしょうか?
小倉:戦闘はそうでもないんですが、フィールドを攻略するのは考える要素が増えていると思います。3Dになったので高低差という概念が入っていますし、『IV』の時にはなかった特殊マスもありますから。一方通行とか、同属性の武将しか通ることができない属性専用マスがありますので、道を計算していかないと敵に囲まれたりしてしまうんですよ。
――その辺りがほかのS・RPGと一線を画している部分ですね。
小倉:
そうですね。普通のS・RPGだと全マスを使えたりだとか、マスがなくてキャラクターが自在に動けたりしますが、この作品はちょっと変わっていまして。道が配置されていて、これを通らないと移動できないシステムになっています。当社のゲームで言えば『新紀幻想スペクトラルソウルズ』が見た目には似ているんですが、あれは全マスを移動できますし、1対1のキャラクター同士の勝負がメインになっているのでキャラクターをどう扱うかが勝負どころになっているんです。『V』の方はどこそこに、どんな手順で攻め込むかとか計算してユニットを運ばなくてはいけない。それも1ターンで動かせるユニットは5つまでなので、攻略のしがいはあると思います。ただ基本的なシステムは『I』の時から似たような感じなんですよね。『I』の時には拠点と拠点がラインでつながれていたのが、『IV』からマスで結ばれるようになったという。それに段差をつけたり、マスの種類を増やしたりと少しずつ変えていってるんです。
――戦闘を上手く進めていくコツなどがあれば、是非教えてください。
小倉:
全体的に言えることは、属性を活用するということですね。土地にもキャラクターにも属性というものがあって、自分の同属性だと兵種の体力が上がったりと強化されるんです。敵の有利なところで戦わずに、自分の有利なところで戦ったり、有利な属性に変えて戦いやすいようにするといいですね。
――攻略においては、属性が最も重要な要素ということになるのでしょうか?
小倉:
属性は重要ではあるのですが、やはりメインは拠点をどうやって攻めるかですね。一部のエリアでは飛空船が使えるのでそれを利用したり、移動力の高いキャラを利用したりだとか。がむしゃらに突っ込むと後手後手に回りやすいので、まずは道をよく見て、どのルートで行くかを決めるといいと思います。あと今回は相棒システムというものがあって、1武将に1人くっつけて、一緒に出陣させることができるんです。相棒になっても経験値は入るので、これで稼いだりとか、移動力が低くて動かしにくいキャラを相棒にしておくというのも手ですね。
――こういったS・RPGはキャラクターへの思い入れ次第で、気に入ったキャラとそうでないキャラとのレベル差がすごく開いてしまうこともあったりしますので、この相棒システムはかなり便利な感じですね。
小倉:
そうですね。バランスよくキャラクターを成長させることができると思います。ボーナス経験値も結構大きいので、これを振り分ければある程度の底上げもできると思います。あとは入手したアイテムは1度売っておくのもコツですね。売ると店に商品として出回りますので、購入できる装備品が増えるんです。色々売ると、新商品が入荷されることもあるので、売るか装備するかはしておきたいですね。
――『V』の発売直後ですが、もう次回作は決まっているのですか?
小倉:
まだですが、もうそろそろかなと。『GOC』シリーズはまだ続くと思いますが、同じ世界や舞台かどうかも分からないですね。ネバーランドに戻る可能性もありますし。
――最後に、今現在遊んでいるプレイヤーに一言お願いします。
小倉:
プレイしてくださっている方がどこまで進んでいるかは分かりませんが、地上編とか隠しシナリオにもボリュームがありますので、その辺を楽しんでいただければ幸いです。あとはキャラクターを気に入ってもらえるとうれしいですね。
――ありがとうございました。



小倉 昌敏 氏
小倉昌敏氏
アイディアファクトリー
開発部 ゲーム開発課 主任

 『新天魔界 ジェネレーション オブ カオスV』のディレクター。今回のインタビューでは、他では聞けない主人公の誕生秘話を明かしてくれた。

新天魔界
ジェネレーション オブ カオス V
画面写真
■メーカー:アイディアファクトリー
■対応機種:PS2
■ジャンル:S・RPG
■発売日:2005年7月21日
■価格:通常版 7,140円(税込)
限定版 9,240円(税込)
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公式サイト
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