動画で“魅せる”『マリシアス』特集ブログ

 10月27日にアルヴィオンからリリースされたPS3用ダウンロード専用ACT『マリシアス』の“魅せる”特集ブログがオープン! このブログでは、6回にわけて『マリシアス』の魅力に動画でお伝えしていきます!! このブログを読めば、アナタも『マリシアス』をプレイしたくなること間違いなし!!

[2010.12.06]見た目モフモフ♪ 攻撃は凶悪――その名は、ブックハウンド!

 ――マリシアス 800円で さあやろう――(ごあいさつの一句)

 どうも皆様はじめまして。ライターのスズタクと申します。現在、PlayStation Storeで好評配信中のPS3ダウンロード専用ソフト『マリシアス』。その魅力を、さまざまな方面から掘り下げるブログが、本日からドンとスタートします!

 ここで『マリシアス』をご存じない皆様に『マリシアス』ってどんなソフトなの?ということをさくっと説明させていただければと思います。本作は“安い・おもしろい・サクッと遊べる”の3拍子がそろった作品で、そのハイクオリティな内容から“ダウンロードタイトルの常識を覆すゲーム”とまで評されているほどです。そんな本作をさらに盛り上げるため、このブログではプレイ動画や貴重な設定資料、さらに開発者へのインタビューなどを掲載していきます。すこしでも興味がわいたら、PlayStation Storeにアクセスしてレッツ・ダウンロード!! 野口英世さん1枚でお手軽に購入できますよ。

 さて、記念すべき第1回は“忘れられた図書館”のボス・ブックハウンドを紹介します。まずは文章で説明するよりも、プレイ動画を観てみましょう。ちなみに、1本目の動画は僕が実際にストーリーモードでプレイしたもので、2本目は『マリシアス』の開発者さんがフリーモードでプレイした内容になっています。


 いかがだったでしょう? 遊んだことがある人なら、おそらく2本目の動画を見て、「オレの持ってる『マリシアス』と違う!?」と感じたでしょうし、初めてご覧になる方でも違いが明らかに見て取れるかと思います。もちろん、2本の動画はモードが異なるので使用できる武器などに差がありますが、それにしても動きのレベルが……。ひととおり遊んでクリアもした僕ですが、このスーパープレイを見せられると「自分もこんな動きで戦ってみたい!」とウズウズします。フリーモードで戦うブックハウンドは1、2を争う強敵として個人的にランクインしていたのに、あっさりと倒されていてポカーンといった感じです。ぼ、僕の苦労はいったい……。

 今回のプレイ動画で注目していただきたいのは、魔弾と槍の使い方です。2本目の動画で、高所に登った敵を追尾するように槍で突進する姿は、どこか“漢のロマン”を感じさせます。そして、ランスキックの一撃でトドメを刺す瞬間も必見のカッコよさで、この動画を見た人全員に、ランス魂を植えつけてくれただろうと思います。あ、『マリシアス』は野口英世さん1枚でお手軽に購入できますよ。

 と、宣伝を織り込みつつプレイ動画に触れたところで、今度はブックハウンド自体に目を向けてみましょう。下に掲載しているのは、ブックハウンドの初期デザイン。だいぶ見た目の印象は異なりますが、四足歩行である点や鎖につながれている姿は完成形にも引き継がれています。まだこのころは細くて骨のようなイメージですね。

▲前脚には大きなカギ爪が! ひっかかれたら痛そう……。

 ここから改良を加えてデザインされたのが、下に掲載している姿。かなり完成形に近く、大きな角もここで追加されています。そして何より見逃せないのは、全身をおおうモフモフ感たっぷりの体毛です。よく見るとバトル中もフワフワ揺れていて、ダイブしたら気持ちよさそうなイメージ……。このチャームポイントに加えて、前脚でじゃれるような攻撃をしてくることから、僕の中でブックハウンドは萌えアニマルとなっています。ちょっと油断すると身体が破損するほどの愛情表現(突き、引っかき、サマーソルトなど)をしてくるので、もしかしたらヤンデレ成分(?)もあるのかもしれません。

▲アポロチョコのようなつぶらな瞳も、魅力のひとつです。

 それでは最後に、『マリシアス』の開発を手掛けたアルヴィオンさんのスタッフインタビューをお届けしましょう。全6回のインタビューでは、ここでしか明かされないあんな話やこんな話があるやもしれないので、ぜひぜひご覧ください!!

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■インタビューに答えてくれた制作陣
平木是会氏(ディレクター&プランナー)
岩谷幹子氏(デザイナー)
田中誠吾氏(プログラマー)

――800円と低価格がウリの『マリシアス』ですが、初めて価格を聞かされた時の印象はどうでしたか?

岩谷氏:私は妥当な価格かな、と思いました。『マリシアス』のゲーム内容を考えてもそうですし、“手に取っていただきやすさ”を考えるとなおさらそう感じました。私自身、ダウンロードゲームを買う際に1,000円以上のゲームと聞くとちょっと手を出しにくいと感じていたので。

平木氏:ユーザーさんの意見の中には「もっと高い値段でもダウンロードする!」といった声があってとてもうれしかったのですが、「さすがに6ステージでその値段はどうなのか?」と思い、最終的には800円に落ち着きました。

――ブックハウンドはどのような発想でデザインされたのでしょうか?

岩谷氏:ブックハウンドは、同時に出現する小さなザコ敵が先にあって、「こいつらが大きくなったらどんな姿になるんだろう?」と想像を広げていって生まれたデザインです。バトル前のデモシーンでザコがアップになりますが、よく見るとブックハウンドの面影を残す顔をしていると思います。

――本作ではマントを槍や拳に変化させて戦うという、おもしろいシステムを盛りこんでいますが、このアイデアはどこから?

平木氏:マントを変形させて戦うという発想は、実はかなり前から考えていましたね。イメージだけならそれこそ10年くらい前から。

岩谷氏:一時期はサラリーマンを主人公にして、ネクタイを変形させるなんて案もありましたよ。さすがにボツになりましたけど(笑)。

――初心者の方のために、覚えておくといいテクニックがあれば教えてください。

田中氏:ガードと回避を多用することですかね。わりとガードを使わない人が多いみたいですが、ガンガン使ったほうがいいですね。ガードに成功した場合はダメージをまったく受けませんから。

平木氏:当初はガードのみで回避の存在がなく、その状態でバトルを組み立てていたくらいですから、自然とガードの重要度は高くなっています。あと、僕はチェインもオススメします。チェインを利用してザコ敵を倒せば、作業感を感じることなくオーラをためられると思います。オーラがたまれば基本的にプレイヤーは死なないので、安全に立ち回れますよ。

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 といったところで第1回はこれにて終了です。これから毎週更新予定ですのでお楽しみに! さあ~て来週の『マリシアス』ブログは!?

・フィストゴーレム残骸となる
・ガルドって誰?
・主人公の萌えポイント

の3本をメインにお届けしていく予定です。来週もまた読んでくださいね。ジャン、ケン、ポン(チョキ)! ウフフフフフフ♪

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[2010.12.13]ウホッ!! いい拳ですね、フィストゴーレムさん

――アバターも 配信中だよ マリシアス――(ごあいさつの一句)

 どうも皆様こんにちは。『マリシアス』大好きライター・スズタクです。PS3のダウンロード専用ソフト『マリシアス』(お値段、800円(税込)ポッキリ!! ココ重要!!)の魅力をお届けするブログ、第2回のスタートです!

 早速ですが前回のブログをご覧になってプレイしてくれた皆さんをはじめ、すでに本作を遊んでいる皆さんは“アバター”の存在をご存じでしょうか? そうなんです。PlayStation Networkで使える本作のアバターセットが、現在絶賛配信中なのです。ダウンロードは無料ですので、まだ落としてないよー!! という方は今すぐGO!! これから遊んでみようという方は、ソフトと一緒にダウンロードしちゃいましょう。ちなみに、ユーザーの希望やアイデアをもとに制作されたアバターセット第2弾もリリース予定とのことです。個人的には、ブログ第1回で紹介したブックハウンドのアバターとか出たらうれしいなあ(ドキドキ)。

 さて話を本題に戻しまして、今回は“英雄凱旋広場”のボス・フィストゴーレムにスポットをあててみました。まずは前回と同じように、僕と開発者さんのプレイ動画を観てみましょう。形式は前回と同じく、上の動画がストーリーモードで挑戦している僕で、下がフリーモードでプレイしている開発者さんの動画になります。澄みわたる青空の下、拳と拳がぶつかりあうアツい戦いをご堪能あれ!!



 ご覧のように、フィストゴーレムは巨大な拳を生かして戦うパワーファイターです。初めて遊ぶ方はその威圧感に圧倒されるかもしれませんが、慣れてくれば全ボスの中でも戦いやすく、アクション初心者でも比較的戦いやすいボスなのでは? と思います。主人公を文字通り手中に収めてしまうほど巨大な拳に目がいきがちですが、身体をおおう鎧にも注目。この鎧は、バトル中に攻撃を加えるとすこしずつボロボロになっていきます。最終的には鎧が包み隠していた恥ずかしい(?)中身が白日の下に! こうした細かい部位の作り込みも、『マリシアス』の魅力と言えるでしょう。なお、コヤツの初期デザインを見るとわかるのですが、大きな拳や鎧といった特徴は、この段階で描かれていたようですね。

▲高らかに拳を振り上げるフィストゴーレム。ゲーム中でも、バトル前のデモシーンで石像が同じポーズをとっています。

 そんなフィストゴーレムですが、実はもともと、普通の人間だったのです(ドーン)!! 名前はガルドといい、狂王アーシェレイラに仕える将軍として名を馳せた武人です。ここまで聞いて、「妄想乙」とか言わないように! 別に僕が今考えたわけではなく、これは『マリシアス』の公式サイトに掲載されているオリジナル小説の内容です。小説内には挿絵もあり、ガルドの人間姿を確認することもできます。フィストゴーレムの特徴に加え、筋骨隆々の肉体はまさにイメージとピッタリ。さあ、まだ読んだことのない方はこのページの右のバーから『マリシアス』公式サイトへ飛ぶんDA!

 ここまでフィストゴーレムについて述べましたが、舞台となる“英雄凱旋広場”にも見どころがたくさんあります。古代ローマをほうふつとさせる建物に、中央をぐるりと囲む池、ステージ選択のスイッチになっている石碑などじっくりと観賞したいものばかりです。くぅぅぅ、ゆっくりと観れる状況ではないのが悔やまれる……。また、バトル開始直後から大量の兵士が押し寄せるのもこのステージの特徴。本作の魅力の1つ、“大量の敵をバサバサ倒す爽快感”をもっとも味わえるのもこのステージかもしれません。

▲剣を持って接近戦を仕掛けてくる赤い兵士。顔部分のとんがりは、フィストゴーレムの頭をマネしているのかも?

 ではでは今回もまた、本作を手掛けたスタッフへのインタビューで締めさせていただきます。知られざる『マリシアス』の制作秘話をお見逃しなく!

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■インタビューに答えてくれた制作陣平木是会氏(ディレクター&プランナー)
岩谷幹子氏(デザイナー)
田中誠吾氏(プログラマー)

――本作が配信されてしばらく経ちましたが、ユーザーの反応はいかがでしたか?

平木氏:幸い、よい反応をたくさんいただきましてとてもうれしく思っていますが、一方でやはり厳しいご意見もいただいますので、まだまだ課題も多いです。また、価格が800円ということが大きな反響を呼んでいるようで、これについては正直ホっとしました(笑)。今後は海外版なども視野に入れて、マリシアスをさらに広めていけたらいいなあと思っています。

――フィストゴーレムはどのような発想から生まれたボスなのでしょうか?

岩谷氏:事前に主人公がマントを拳に変化させるという設定を聞いていたので、それを生かすために拳を象徴するようなボスとしてフィストゴーレムが誕生しました。

平木氏:フィストゴーレムに関しては主人公の能力がベースにあって生み出されましたが、逆にボスの案が先に出てから主人公が得られる能力が決まった例もあります。

――主人公のデザインでこだわった部分はどこでしょうか?

岩谷氏:女性プレイヤーキャラの太ももといった、わずかにのぞく肌の部分でしょうか。実は男性プレイヤーキャラも、後姿を見ると腰とお尻の間にわずかに肌が見えるチラリズムがあるのですが、残念ながらなかなか気付いてもらえなかったみたいです(苦笑)。

平木氏:ゲーム性からして、男性ユーザーが多めだからかもしれないね。ちなみに僕は、女性プレイヤーキャラの十字型にのぞく絶対領域はお気に入りですよ(笑)。あとは、バトルのキモでもあるマントの表現がうまくいったかなあと個人的に思っています。

――カウンターは派手でカッコイイアクションですが、このシステムは当初から導入するつもりだったのですか?

平木氏:カウンターは開発中期くらいに加えた要素ですね。バトルをさらに盛り上げるスパイスとして、ボスの行動を中断させるようなダイナミックな技を入れてみたいと思って導入しました。

田中氏:その話を聞かされた時から想像はしていましたが、案の定、作業はたいへんなことになりましたね。ボスごとに個性のあるカウンターにしたかったし、ラスボスにいたっては複数のカウンターアクションを入れることになったので、目が回る思いでしたよ。

――カウンターを決めるメリットについて教えてください。

平木氏:まずボスにHPダメージを与えられます。他にも、一定時間相手を無防備な状態にしたり、一部の攻撃を封じたりできますね。狙える時はガンガン決めるといいですよ!

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 ブログを書いていると、なんだか無性に『マリシアス』をプレイしたくなってきましたね(笑)。さあ~て来週の『マリシアス』ブログは!?

・王国騎士隊長と“漢”のロマン
・トラヴィスのやつ、無茶しやがって……
・精魂込めた背景デザイン

の3本をメインにお届け予定です。来週もまた読んでくださいね。ジャン、ケン、ポン(グー)! ウフフフフフフ♪

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[2010.12.20]その騎士団長、ロマンのかたまりにつき

――空き時間 サクッと1戦 マリシアス――(ごあいさつの一句)

 どうも皆様こんにちは。PS3ダウンロード専用ソフト『マリシアス』をこよなく愛するライター・スズタクです。前回掲載したフィストゴーレムの回で、開発者さんの動画を参考に立ち回ったところ、タイムアタックモードで1分以上の記録更新を達成してウキウキな状態です♪

 本作はちょっとした時間や思い立った時に、手軽にサクっと楽しめるので、「予定の時間まですこしだけ遊びたい」、「あのステージだけ挑戦したい」なんてシチュエーションにはうれしいですね。そんな『マリシアス』は、PlayStation Storeにて800円(税込)で配信中! 今年のクリスマスプレゼントには、プレイステーションネットワークカードにメッセージを添えて……なんてのもアリかもしれませんね。

 さてさて、本作の魅力をさまざまな方面から掘り下げるこのブログも第3回。今回は"王都直掩空中戦艦"のボス・王国騎士団長をピックアップします。ちなみに「直掩ってなによ?」と思った読者orプレイヤーも多いかもしれませんので、説明しておきましょう。"直掩(ちょくえん)"とは"直接掩(援)護"を略した言葉で、この場合は敵勢力から王都を守る空中戦艦という意味ですね。ではひとつ賢くなったところで今回もプレイ動画から観ていきましょう。黄昏に染まる風景での決戦は見ごたえバツグンです!!

 いつものごとく、上の動画はスズタクががストーリーモードで挑戦しているもので、下の動画は開発者がフリーモードで挑戦したものとなっておりますよ。



 個性的なボスばかりの『マリシアス』ですが、その中でもひときわ異彩を放っているのが、王国騎士団長ではないでしょうか。なぜなら動画を見てもわかるように、コヤツは数々の装備でガッチガチに固められたロマンあふれる敵だからです。

 右手に携えたるは、ぶっといドリル付きの6連式ガトリングガン。左手に構えたるは、大砲を備えた巨大な盾。おまけに手榴弾をばらまき、本気モードになると翼を発現させて空中を飛び回る……。熱い、熱すぎるぜ王国騎士団長!! あいつのドリルは天を突き破るド(r ……ウップス、失礼、取り乱しました。そんな熱い王国騎士団長の盾ですが、フィストゴーレムの鎧のようにダメージを与えることですこしずつ壊れていきます。さらに主人公が槍の能力を習得していると、ダイナミックなカウンターアクションも可能! 王国騎士団長の盾と主人公のランスキックが激突する演出は鳥肌モノですよ。

▲王国騎士団長の初期デザイン。この頃はまだ鎧に身を包むゴーレムといったイメージです。ここからどんどん重火器が追加され、最終的にステキカッコイイイ姿に……。

 前回のブログで、フィストゴーレムの人間時代と絡めて本作のオリジナル小説について触れましたが、王国騎士団長は小説に登場しません。代わりに彼の先祖であり、かつての騎士団長でもあるトラヴィスの存在が語られます。トラヴィスもまた狂王アーシェレイラに仕える武将で、王国騎士団長の持つ銃器使いの才能や翼の能力は、トラヴィスから受け継がれたものだということがわかります。もっとよく知りたい方は、『マリシアス』の公式サイトへレッツ・ゴー!(このページの右側からアクセスできますヨ) 漢らしいトラヴィスの最期に、思わず敬礼したくなること間違いなしです!!

 ボスが個性的ならば、ステージも個性的なのが『マリシアス』の魅力。特に"王都直掩空中戦艦"は、大規模な戦艦と幻想的な夕日の光が1つに溶け込み、迫力と美しさを感じさせます。メインとなる戦艦は広く歩き回れる他、ユニークなギミックが満載で退屈させません(まさかあそこから兵士が飛び出てくるとは!)。また、このステージでは戦艦の真下に広がる背景にも注目です。インドのタージ・マハルにも似た建物や、近代的なデザインの建造物などを確認でき、本作の独特な世界観を目の当たりにできます。あ、艦外の空中に飛び出ても地面に落下することはないので、ご心配なく。見えない地面が受け止めてくれるから、堂々と飛び降りて鑑賞しましょう!

▲飛空挺のイメージボード。さまざまな建物が無作為に融合したような形をしています。初期の構想では背景は夕暮れではなく、青空だった!?

 さてさて最後は皆さんお待ちかね(?)の、スタッフインタビューをお届けします。どれも開発者ならではのお話ばかりで必見ですよ~!

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■インタビューに答えてくれた制作陣
平木是会氏(ディレクター&プランナー)
岩谷幹子氏(デザイナー)
田中誠吾氏(プログラマー)

――油絵のようなビジュアルが印象的な本作ですが、これにはどのような意図があるのですか?

平木氏:ビジュアル面でリアリティを追求したゲームにはすばらしいものがたくさんありますので、僕らが同じところを目指しても結局は目に止めてもらえないのではないかと思いました。そこで、パッと見た時に印象に残るデザインを検討した結果、油絵のような柔らかいタッチを採用しました。

――背景もひとつひとつ丁寧に作りこまれているのが感じられて、驚きました。

岩谷氏:苦労はしましたが、それだけのクオリティが出せたのではないかと自負しています。遠くに見える背景も、テクスチャーを1枚だけ張っているのではなく、きちんと細かいところまで作りこんでいます。"王都直掩空中戦艦"の眼下に広がる街もすべてモデルで制作しているんです。

田中氏:戦艦内のギミックもよく動きますので、たまには攻撃の手を休めて見回してほしいですね。大砲や兵士が利用する足場など、細かいところでいろいろな発見があるのではないでしょうか。

――王国騎士団長は重装備でインパクトがありますね。

平木氏:王国騎士団長は、僕の趣味で生まれたボスですね。"漢のロマン"的な要素を数多く盛り込んでいます(笑)。当初はガトリングしかなかったのですが、途中からドリルやシールドや大砲や翼など、注文を岩谷に出しまくりました。

――ユーザーの意見のなかで、印象的だったものは?

平木氏:そうですね……。予想のほか女性プレイヤーキャラの人気があったことには驚きました(笑)。

岩谷氏:初期の頃はプレイヤーキャラが2人いるとは知らなかったので、聞かされたときは「本当に作るんですか!?」とビックリしました。プレイヤーキャラの姿は完成形に至るまでにさまざまなデザイン案が出ましたね。女性の場合、ショートヘアだったり髪の色が赤っぽかったりと変遷が激しいです。ユーザーの方に気に入ってもらえる髪型を模索して、最後はパッと見で女性とわかるようにロングヘアになりました。

――カメラ操作は多少クセがあるようにも感じられましたが……?

平木氏:カメラ操作まわりについては、ユーザーさんにご不便を感じさせて申し訳ないと思っています。おそらく作り側と遊び手側の意識のすれ違いがあって生じたのだと思います。ロックオンに関しては相手を注視するために使い、狙いの敵を画面に収めたらこまめにカメラリセットを行いながら戦ったほうがいいですね。

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 というわけで第3回はここまで……と言いたいところですが、今回はラストにおまけを用意しました! このブログをご覧になっている方への、早めのクリスマスプレゼントです~。カウンターアクションの一連の動きや、別のスタッフへの指示書きなどが確認できます。

 さあ今度こそ本当にお別れです。世間は年末でにぎわっていますが、僕は『マリシアス』をやり続けますよ。さあ~て来週の『マリシアス』ブログは!?

・シールドゴーレムとみんなのトラウマ
・ギミックだらけの決戦場
・主人公が"器"である理由

の3本をメインにお届け予定です。来週もまた読んでくださいね。ジャン、ケン、ポン(チョキ)! ウフフフフフフ♪

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[2010.12.27]俺のシールドゴーレムがこんなに堅いわけがない

編集部「そんなブログタイトルで大丈夫か?」

スズタク「神は言っている、同じ電撃系列だと。だから大丈夫だ、問題ない(たぶん)」

 どうも皆様こんにちは。ライターのスズタクです。PlayStation Storeで配信中のソフト『マリシアス』の魅力をつづるこのブログも、とうとう折り返し地点を過ぎました。これまで以上に本作の見どころをたっぷりとお届けしていきますので、どうぞ最後までお付き合いください。そしてちょっぴりだけでも「おもしろそう!」と興味を持った方は、PlayStation Storeでそっと優しくカートに入れてください。ダウンロード価格800円(税込)は、お財布にも優しいですよ!

 さてゲーム本編以外にも、小説やアバター配信などで展開を広げる『マリシアス』ですが、現在新たに携帯電話の待受Flash画面を公式サイトで配布中です。アナタの携帯電話を『マリシアス』色に染めるチャンスですので、ぜひページ右側のリンクから公式サイトにアクセスし、ダウンロードしちゃいましょう!!

 余談ですが、待受け画面のイラストでも描かれている本作のちびキャラたち。あの愛くるしい姿に萌えているのは、きっと自分だけではないはず! あれは本作のデザイナー・行友氏が描いたもので、公式サイトの“お助けQ&A”などでも見られます。ファンなら一見の価値アリのカワイさです♪

 最新情報の宣伝も終わったところで、本題をサクサク進めていきましょう。第4回のテーマは“旧決戦場大防壁”のボス・シールドゴーレムです。毎度のように、まずはプレイ動画からご覧ください。いつも通り上の動画はスズタクがストーリーモードで挑戦したもので、下の動画は開発者さんがフリーモードで挑戦したものです。


 シールドゴーレムは“動く要塞”といった表現がピッタリなボスですね。第2回に掲載したフィストゴーレムとはまた違った威圧感に、「なんじゃこりゃ!?」と驚かれた方も多いのではないでしょうか。

 コヤツは名前のとおり非常に堅固で、並の攻撃ではビクともしないボスです。さらに本気モードになると巨大なシールドを張り、シールドを破らないとダメージを与えられないという始末……。いつまで経っても倒せないこの鉄壁さに、トラウマを抱えたプレイヤーが続出したとかしないとか。というか、自分もその1人です(涙)。これから挑戦するという方は、開発者さんのプレイ動画を参考に立ち回りましょう。

 シールドゴーレムにはもう1つ特徴があります。それは、本体にさまざまなパーツがくっついていること。槍が飛び出すパーツや兵士を格納しているパーツが複雑に組み合わさり、1個の巨大なボスとなっているイメージですね。プレイ動画にもシールドゴーレムの部位が爆発してパーツが破壊されるシーンが、ところどころにあると思います。すべてのパーツがなくなると、本体(顔)だけがポツンと浮かぶシュールな光景が拝めますよ(笑)。

▲シールドゴーレムの初期デザイン。丸っこくて、まだ各部パーツも存在していない構造です。小さい脚もちょこんとあり、なんだかキュート!

 プレイヤーにとって難関とも言えるシールドゴーレムですが、見事倒せればうれしいご褒美が。『マリシアス』にはボスを倒すとそのボスの能力を吸収できるというシステムがあり、シールドゴーレムを倒すと“盾”の能力をゲットできます。盾を入手したあとは前方を大きくカバーするシールドを張れるようになり超便利! 盾をよく見るとマントがうずまき状に変化しているのがわかり、いかにも衝撃を吸収してくれそうな頼もしさを感じられますね。理論とかは知りませんが!

▲盾のイメージデザインや設定資料。マントがどのように変化して、盾に展開するのかも詳細に書かれています。

 次にステージとなる“旧決戦場大防壁”に目を向けてみましょう。ここはなんと、過去に出現したマリシアス(※本作のラスボス)との決戦が行われた場所なのです。あたり一面の広原に残るクレーターや破壊された城壁は、マリシアス戦の傷跡ですね。バトルに夢中になると気付きにくいですが、実は周囲が海に囲まれており、小島のような地形になっているのも見どころかと。このステージは、外敵を王都へ侵入させないための防壁としての役割も持っており、広原のあちこちに戦車や砲塔などのギミックが配置されています。砲塔のそばにあるタルを攻撃すると爆発し、塔が崩れるという凝った仕掛けも見られますよ。他にも戦車を破壊するとなかにいた砲兵が飛び出てくるなど、細かい部分でさまざまな遊び心を発見できます!

▲ステージのいたるところで確認できる戦車。各パーツの構造まで指定され、細部まで作りこまれているのがわかります。ちなみに戦車は“英雄凱旋広場”にもありますよ。

 ではラストは、おなじみのスタッフインタビューで締めくくろうと思います。プレイするだけではわからない、本作の秘話やいかに!?

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■インタビューに答えてくれた制作陣
平木是会氏(ディレクター&プランナー)
岩谷幹子氏(デザイナー)
田中誠吾氏(プログラマー)

――本作を低価格およびダウンロード形式で販売しようと思った理由とは?

平木氏:やはりユーザーに“手軽に”手に取っていただくことを考慮したからですね。PS3を遊ぶ人の多くがネットワークにつなげているという特徴がありましたので、家にいながらカンタンに購入できるダウンロード形式を選択しました。内容に関しても、遊び手側があまり身構えないように、できるだけボリュームを切り詰めています。昔ながらの、“遊びたい時に手軽にプレイできる”というスタイルを重視しました。

――シールドゴーレムはどのようなイメージでデザインしていきましたか?

岩谷氏:シールドゴーレムは、主人公が盾の能力を習得するという前提で描きました。イメージとして堅そうな外見は浮かんでいましたが、最初はもっと無骨な岩みたいな形だったんです。それからどんどん変化していき、要塞のような姿になりました。さまざまなパーツがつながっているのは、シールドゴーレムならではの特徴ですね。

――本作ではボスだけでなく、ザコの中にも手ごわいのがいますよね。石オノを持った巨人のような敵とか……。

田中氏:あいつは確かに強いです。おそらく最強のザコとしてプレイヤーに襲いかかってきますね。そのぶん、チェインで倒した時に多くオーラをもらえるので、討伐してみる価値はありますよ。オーラを解放してから戦えばラクになりますから、チャレンジしてみてください。

――ステージを自由に選択できたり、攻略順によって敵の強さが変わったりといったシステムは最初から決まっていたのでしょうか?

平木氏:ステージ選択は当初から自由にする方向で固まっていました。初期のころはラスボスであるマリシアスにもいきなり挑めるようになっていたんですよ。攻略順で強さが変わる仕様については、最終的にステージごとに何段階もの強さを設定することになり、大変な作業量に
なってしまいました。

――本作の主人公が生身のキャラではなく、“器”であるというのもユニークですね。

平木氏:『マリシアス』の主人公はあくまで精神を留めるための器にすぎないので、グラフィックも無機質な感じが出るようにしています。感情が表に出ないのもそのためですね。ダメージを受けると身体が破損するという独特な描写も、主人公が生身の人間ではないからこそ可能だったといえます。

――確かにダメージの表現方法は衝撃的でした。

平木氏:たいていのアクションゲームなら体力ゲージが表示されますが、僕自体があまり体力ゲージを見ない人間なので(笑)。というのも、バトルが激しくなってくるとゲージを見ているヒマなんてないと思うんですよ。だったら、キャラの様子を見ただけで残り体力を確認できるようなシステムにすればいいかなと。

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 今回はこれにて終了です。年の瀬も近くなってまいりましたが、さあ~て来週の『マリシアス』ブログは!?

・狂王の危険な魅力
・棺に隠された真意
・もう1人の主人公

 の3本をメインにお届け予定です。ちなみに次回の更新は2011年1月5日となりますが、どうでしょう? では皆さんよいお年を~! ジャン、ケン、ポン(パー)!! ウフフフフフフ♪

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[2011.1.5]なんという妖しい魅力!! THEダーク人妻・狂王!!

――新年も 飽きずに遊べる マリシアス――(ごあいさつの一句)

 どうも皆様明けましておめでとうございます! ウサギ年になっても『マリシアス』LOVEなライター・スズタクです。PlayStation Storeで配信中の本作の魅力を、全6回に分けて特集するこのブログ。新年を迎えて気も引き締まり、ますます張り切ってお届けしていこうと思います!! ん? あと2回しかないって? こまけぇこたあいいんですよ。大切なのは熱い心(ハート)です。

 ところで以前ブログ第2回で紹介した“オリジナルアバターセット”ですが、ついにデザインが完成し、配信日が1月18日に決定したようです! パチパチ!! ドンドン!! パフパフ~♪ なんとプレイヤーサイドとボスサイドの2種類のアバターパックを同時配信とのことで、それぞれ11種類のアバターを収録した各200円となっております。『マリシアス』のソフト自体は800円(税込)なので、1種類のアバターをセットにして購入すると1,000円ポッキリ! 遊んで気に入ったら、もう一方のアバターもゲッツ! お年玉の残りでも十分まかなえる、安心・親切・高品質な仕様となっております。

 さて本題に戻りまして、第5回は“王宮最上層”のボス・狂王アーシェレイラを取り上げようと思います。人間の姿を保った唯一のボスとしてインパクトのある彼女ですが、はたしてその裏に秘められた素性とは? 恒例ですがまずはプレイ動画から観ていきましょう。上の動画は僕がストーリーモードで対戦したもので、下の動画は本作の開発者さんがフリーモードで対戦したものになります。


 これまでにも黒いワンワンや漢のロマンをごった煮にした騎士に、亀のような空中要塞など個性ありすぎるボスたちを見てきましたが、狂王はまたひと味違った雰囲気をかもし出していますね。プレイ動画を観てもわかるように、狂王は俊敏な動きで怒涛の攻撃を繰り出す相手で、ゲーム中でもNo.1の強さを誇るのではとウワサされています。

 それもそのはずで、彼女は過去にマリシアス(※本作のラスボス)を倒した討伐者なのです! 「あのマリシアスを倒した相手なんだから、5回くらいゲームオーバーになっても当然だよね、うん」くらいの気持ちで挑むと、狂王戦は気がラクになります。攻略はラクになりませんですが!

 狂王は妖艶な見た目に激しい気性をあわせ持ち、しかも熟女独特の美貌を備えているということで、プレイヤーのなかにも多くのファンがいるキャラです。ちょっと病んだ感じの危険な表情に加え、人妻であるという設定にメロメロにされた人が多いのでしょう。さらに本気モードになると仮面を着けてパワーアップ!! 「俺は人間をやめ(ry」。狂王に心を奪われた人には、今なら頭をわしづかみにされて大剣でクシ刺しにされるプレイが待っていますよ~。べ、べつに僕は狂王になんか興味ないんだからねッ!! ただ、あの腰つきはエロイなあと思っただけなんだからッ! 勘違いしないでよねッッ!!!

▲左は狂王の初期デザイン。いかにもアラフォーな雰囲気が出ています。右はより完成形のデザインに近く、顔半分をおおう前髪が印象的ですね。頭の装飾は、いばらの冠をイメージしているのでしょうか?

 妖しくも美しい狂王の魅力に心をくすぐられた人は、ぜひ『マリシアス』公式サイトに掲載されているオリジナル小説を読んでみてください。小説内では狂王にスポットが当たり、彼女が討伐者に選ばれた経緯や“狂王”と呼ばれる理由などが描かれます。そして、彼女が持つ大剣や仮面の由来も……。ある意味『マリシアス』のもう1人の主人公といえる狂王の、涙なくしては語れない過去を堪能できます。すべて読み終えたとき、狂王の魅力が2倍にも3倍にもなりますので、今すぐ右のバーからアクセスしましょうそうしましょう!

「狂王の色香も小説もバッチリ押さえたぜ!!」という熟練者は、今度は対決の場である“王宮最上層”に注目です。まるで礼拝堂のようなこのステージは狂王の寝室も兼ねており、王宮でもっとも格式高い場所であることがわかります。普通に遊んでいるとなかなか細部まで目が届かないものですが、ステージ中の凝った作りこみは『マリシアス』で外せないポイント。僕も今回のブログのためにプレイし直してみると、狂王の寝室や内部ベランダに行けたり、パイプオルガンが設置してあったりと新たな発見がいくつも出てきました。たまには戦いを忘れて、ステージをスミからスミまでながめるのも楽しいものですヨ♪

 そして“王宮最上層”でなによりの見どころが、水の中に静かに収められた2つの棺。青と赤に淡く光るこの棺に、いったい何が眠っているのかは、小説を読むと想像できると思います。

▲王宮最上層の初期イメージボード。暗めのシチューエションや、周囲を水が流れる構造は完成形でも引き継がれています。

 さあ、ラストはおなじみのスタッフインタビューをお届けです。制作者の話を聞けるのも残り2回となっています。お見逃しなく!

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インタビューに答えてくれた制作陣
平木是会氏(ディレクター&プランナー)
岩谷幹子氏(デザイナー)
田中誠吾氏(プログラマー)

――『マリシアス』のバトル部分を制作するうえで、意識したことはなんでしょうか?

田中氏:僕がアーケードゲーム好きというのも影響しているのですが、『マリシアス』ではややアーケード風なアクションというテイストを意識しましたね。初挑戦ではやられてしまうような、歯ごたえのある難易度をしっかり演出していこうと。このコンセプトは最初の企画段階から決まっていて、以降もブレることなく固まっていました。

――狂王はデザインだけでなく、その圧倒的な強さも印象に残りますね。

平木氏:狂王についてはちょっと難易度を高くしすぎた気もしますが、カンタンに倒せてもボスとして薄い存在になってしまうので、あえてあそこまで尖らせてみました。彼女の過去や、腕につけた仮面の詳細はマリシアス公式サイトの小説内で明らかになりますので、興味がある方はぜひ読んでみてください。

岩谷氏:小説をご覧になるとわかるのですが、狂王は人妻です。この人妻をデザインでどう表現するかは、スタッフ内部でもかなり論議が白熱していましたね。ちょっとダークな感じの風貌も、彼女のポイントでしょうか。

――ゲームをプレイすると狂王がマリシアスの前討伐者であることが判明しますが、何故本作では敵対するのでしょうか?

平木氏:そこも小説を読んでいただけるとおわかりいただけるかと思います。少しお話しますと、狂王は預言者が討伐者を使い捨ての人形のように扱ったことに激しく怒ったんです。そして、本来マリシアスを倒したら返還すべき異能の力を自分のものにし、周辺諸国の侵略のために使い続けます。小説では狂王のバックボーンが語られているので、なぜ彼女が戦争を続けるかもご理解いただけると思います。わりとかわいそうな人なんですよ、狂王は。ちなみに、ほかのステージのボスもすべて狂王とつながりがあり、元は人間だった存在です。

――狂王はバトル前のデモシーンで何かしゃべっていますが、あのセリフの意味は?

平木氏:あれは未知の言語のように聞こえますが、じつは逆再生すると意味がわかります。大まかに訳すと、預言者への怒りや“器”である主人公に敵意を向ける感じのセリフを言っていますね。

――各ボスを倒すとさまざまな能力が手に入りますが、はじめにマントの能力の種類を決めて、それに依存するようにボスが生まれたのでしょうか? それともその逆でしょうか?

平木氏:どちらもありましたね。主人公にこんな能力を持たせたいから、こういうボスを出したいという場合もありましたし、逆にボスの案が先に出てから主人公が得られる能力を決めたというケースもあります。最初にパターンを決めてしまうと発想が狭くなるので、そのあたりは割と自由に制作していきました。

――制作過程では、他にどのようなマントの能力が挙げられていましたか?

岩谷氏:落書きレベルのラフ案でしたが、当時はギロチンのような武器やハンマーなどがありましたね。

平木氏:わりと早期の段階で現在ある能力が出そろいました。そこからバトルの方向性も固まっていきましたね。

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 これにて今回は終了です。次回はついに最終回となりますので、ひときわ精力込めていきます! さあ~て来週の『マリシアス』ブログは!?

・最悪な災厄・マリシアス
・これから毎日、アイツをボロボロにしようぜ
・『マリシアス』の未来

の3本をメインにお届け予定です。来週もまた読んでくださいね。ジャン、ケン、ポン(チョキ)! ウフフフフフフ♪

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[2011.1.11]悪意×脅威×ひとにぎりの愛嬌=マリシアス!!

――我遊ぶ ゆえに我あり マリシアス――(ごあいさつの一句)

▲主人公の出発地点とも言える“白の間”のイメージボード。この場所から『マリシアス』は始まり、この場所で完結します。決してプレイヤーを囲んでかごめかごめをしているわけではありません、はい。

 どうも皆様こんにちは。『マリシアス』ぞっこんライター・スズタクです。800円(税込)という低価格で本格ACTを堪能できる本作。その魅力をとことん特集するこのブログも、ついにとうとうfinally! 最終回です! そろそろ皆さんの中でも正月気分が薄れ、「おせちもいいけど『マリシアス』もね☆」という心境になってきたと思います。ちょうど第5回で触れたオリジナルアバターセットの配信も近づいていますし、もう一度遊び直すにはいいころあいですね。まだ本作を未プレイの方は、PlayStation Storeでサクッとダウンロードしちゃいましょう!!

 さて最終回の大トリをかざりますのは、“終焉の断層”に待ち構えるボス・マリシアス。これまでに紹介してきた5体のボスを倒すと出現する、本作のラスボスです。最終決戦ならではの圧倒的な臨場感や特殊な演出を味わえるこの戦いを、まずはプレイ動画で観ていきましょう。例のごとく、上の動画は僕がストーリーモードでプレイしたもので、下の動画は開発者さんがフリーモードでプレイしたものになります。


 本作のタイトルにもなっているマリシアス(malicious)は、その名の示す通り、“悪意”を象徴した存在です。人々の悪意や敵意といった負の感情が集まって生まれる怪物で、この災厄を討伐するためにあなた(の魂)は召喚されるのです。しかも、時代の節目ごとに出現してきたマリシアスの中でも、今回のマリシアスはとびっきり悪意に満ちていて手ごわいんだとか! そんなマリシアスに単身で挑む俺ら、まじ男前!!(前討伐者の狂王でさえも軍隊を率いて立ち向かったというのに……)

 そんなマリシアスの外見はミジンk……ゲフンゲフン。え~非常に巨大で言葉では言い表せない独特な外見をしています。あえてたとえるならば、個人的にはきんちゃく袋に似ているなあと思います。いろいろ邪悪なものが詰まってそうですしね。ちなみにグロテスクな下半身に比べて、顔の部分はなかなかチャーミングです。つぶらな瞳とか、ふくよかな口元とか。

▲マリシアスの初期デザインは、完成形よりもスッキリしている印象です。胴体部分には食虫植物のような口がたくさん!

 “悪意”“いじわる”という意味を冠するだけあって、イヤラシアスな能力をたくさん持っているのもマリシアスの特徴。バトル開始時は無敵状態だったり、即死攻撃を使ってきたりとある意味ラスボスにふさわしい突飛な能力を駆使して襲い掛かってきます。初めて挑戦したときは、謎の攻撃に一発食らっただけでゲームオーバーになってしまった方も多いでしょう。いじわるだなさすがマリシアスいじわる。

 でもその代わり(?)プレイヤーが爽快に感じられるギミックも用意されています。それは、体表のコアを攻撃することでマリシアスの各部が破壊されていくという演出。巨大なボスをどんどんボロボロにしていく爽快感や、自分よりも巨大な相手を追いつめていく陶酔感を味わうことができます。このバトルを男女の主人公のマルチプレイで挑めたら楽しそうですよねぇ(開発者さんに流し目)。そこに狂王もプレイアブルキャラとして加わると一層楽しそうスよねぇ(開発者さんに流し目)。

 イチユーザーとしての露骨な期待を寄せたところで、話を戻しましょう。実はマリシアスには巨大な外見のなかに本体が隠されており、プレイ動画をご覧いただくとわかりますが、本体は体表のコアを破壊すると露出します。まるで白玉のようなこの本体は、攻撃を加えると痛がる表情を見せるなどまことに愛らしい! 槍でチクチク突くもよし、剣でザックリ斬るもよし。アナタなりの攻撃方法でかわいがりましょう。

▲厳かな殻の中に包まれる赤子のような本体。これを倒すことで、晴れてマリシアスを討伐したことになります。

 ラストバトルの舞台となる“終焉の断層”は、よく見ると王都の上空であることがわかります。暗雲が立ち込めて判別しづらいですが、眼下には民家や宮殿も確認できます。バトル中は、空中に浮かぶガレキ1つ1つの作り込みにも注目してみるといいですよ!

▲ラスボス戦のイメージボード。巨大なボスに果敢に立ち向かっていく様子が感じ取れます。地上には王都の街並みも。

 では、しめくくりは恒例となるスタッフインタビューで。『マリシアス』ファンは一字一句漏らさずチェックするように!!

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インタビューに答えてくれた制作陣
平木是会氏(ディレクター&プランナー)
岩谷幹子氏(デザイナー)
田中誠吾氏(プログラマー)

――『マリシアス』は開発エンジンから制作したと聞きましたが、意気込みが感じられますね。

平木氏:僕が想定している内容を作るためには、開発エンジンから制作する必要がありました。『マリシアス』は独特の雰囲気を持つビジュアルを目指していましたから、その部分で手を抜きたくはなかったですね。

――ラスボスのマリシアスは特にインパクトがあります。これは何かをモチーフにしているのでしょうか?

岩谷氏:いえ、これといったモチーフなどはありませんね。初期段階はもっとスマートな身体をした魔物だったのですが、設定を見ると“悪意の塊”とあったので、いろいろなものが中に詰まっていそうな太った感じのデザインにしました。マリシアスは見てのとおり巨大ですから、モデル担当もプログラマー担当も苦労していましたね。

田中氏:どのボスも制作には苦心しましたが、マリシアスは本当にもう……(苦笑)。バトル全体の仕様や、ところどころのギミックを考えるだけでひと苦労でした。

平木氏:マリシアスはやっぱりラスボスらしく、他のバトルとは一風違う演出を盛り込みたかったんですよ。巨大なボスとガチで戦って、相手をボロボロにしていく楽しみというのを追求したのがマリシアス戦ですね。

――マリシアス戦はカウンターアクションも複数あって、より派手なバトルになっていますね。

平木氏:もともとマリシアス自体がこれまでに手に入れた全能力を駆使して戦うボス、というコンセプトだったので、カウンターアクションもいくつか入れてみたかったんです。最初は大光弾(※食らうと即死する技)もカウンター扱いだったのですが、ちょっと難易度が上がりそうだったので変更しました。

――どのボスでもそうですが、バトルでは“オーラをためてパワーアップしてからボスに挑む”というのが重要な戦術となっていますね。

平木氏:はい。『マリシアス』の定石ともいえるこの戦法を取らないと、勝つのは難しいですね。本当はチュートリアルでオーラを使った戦術の説明などを入れようと考えたのですが、ユーザーさんが自分で発見する楽しみを奪うような気がしたのでやめました。最近はチュートリアルでとてもていねいに説明してくれるゲームが多いですが、『マリシアス』の場合は実際に遊ぶ中でそうした魅力に気付いてもらえればなあと。

――今後のアルヴィオンの目標や抱負などをお聞かせください。

平木氏:おかげさまで『マリシアス』はたくさんの方から好評をいただきました。これを皮切りにして、パブリッシャーとしてこれから幅広いジャンルのゲームを手掛けていきたいですね。もちろん平凡なものでは他のメーカーさんの陰に埋もれてしまうので、クセのあるトガったゲーム性で勝負したいと思います。

――では、最後にユーザーに向けてメッセージをお願いします。

岩谷氏:『マリシアス』はアクションがメインのゲームですが、たまには手を休めてマップの作りこみにも目を向けてみてください。攻略順によって同じステージでも微妙に作りが変わるといった、細かな遊び心も盛り込まれていますよ。

田中氏:ボスだけでなく、ザコのモーションも気合いを入れて作っています。個性たっぷりなザコの動きもぜひ確認してみてください。

平木氏:みなさんの反響次第では、ダウンロードコンテンツや『マリシアス』の今後の展開などもお届けできるかもしれません。すでにプレイされている方はもちろん、すこしでも興味を持ってくれた方も、『マリシアス』を楽しんでください!

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 さあこれにて『マリシアス』特集ブログは閉幕です。すでにプレイしている人、まだ遊んだことがない人に、少しでも本作の魅力が伝われば冥利に尽きます。また、インタビューでも語られていたように、今後も『マリシアス』を応援し続ければステキな情報が訪れるかもしれませんよ?

 最後に、読んでくださった方、ご協力いただいたアルヴィオンのスタッフの方々、そして電撃オンライン編集部に感謝をこめて。ありがとうございました~!!

▲ヴァレリアとエーリカの今後の活躍を祈っています。サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ……。

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