News

2011年6月16日(木)

『メルルのアトリエ』にハレンチな要素はありません! 開発者インタビュー前編

文:電撃オンライン

 ガストから6月23日に発売されるPS3用ソフト『メルルのアトリエ ~アーランドの錬金術士3~(以下、メルルのアトリエ)』。本作のディレクター・岡村佳人さんに、電撃オンライン読者から募集した質問に答えていただいた。

 本作は、同社の人気RPG『アトリエ』シリーズの最新作で、“アーランドの錬金術士”シリーズの3作目にあたる。ゲーム紹介をはじめ、『電撃PlayStation』アーカイブや読者参加型の開発者インタビューなど、オリジナル企画満載の電撃オンライン『メルルのアトリエ』特集ページを展開中。『メルルのアトリエ』の詳細に関しては、ぜひこちらで確認してほしい。

 電撃オンラインでは以前、読者から本作の開発スタッフへの質問を募集した。投稿されたものの中から選考した質問について、本作のディレクター・岡村佳人さんに答えていただいたので、前後編の2回にわたってお届けする。前編となる今回は、ゲーム内容に関する質問に答えていただいた。(※質問者のハンドルネームは、質問の末尾に記載)

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

■できれば新キャラクターに加えてすべてのキャラクターを登場させたかった

『メルルのアトリエ』

――今作のヒロイン“メルル”の名前は、どういった経緯で決まったのですか? イラストレーターの岸田メルさんに反対されたそうですが(笑)。(ハゲタ)

 ロロナ、トトリときまして、同じ形の名前で3作目も固めよう、と思っていたのですが、実際に案を出したところ、あまりにオリジナリティがありすぎる候補しかなかったので、紆余曲折あってメルルに決まりました。詳しい理由はガストの公式ブログに載せていますので、こちらをご覧ください!

――『メルルのアトリエ』の企画はいつごろから動いていたのでしょうか?(葉月)

 こちらについては例年通りといえばそうなのですが、企画自体は『トトリのアトリエ』が発売された2010年6月には動き出していました。今回はシステムからベースで考えていきまして、7月には現在の形に近いゲームループを企画担当が考え、8月にはストーリーの大枠が固まったので、そこからは具体的な中身を詰める作業をひたすら続ける感じでしたね。いつも通りといえばいつも通りの進行です。

――アールズという国はいつごろ考えたのでしょう? 『ロロナのアトリエ』『トトリのアトリエ』のころから設定はもうあったのでしょうか?(みみっく、きゅるっと参上 他)

 『メルルのアトリエ』の舞台が、『トトリのアトリエ』のすぐ後という設定が確定した段階ですね。当初はシリーズ3作目の伝統といいますか、お約束という感じで過去(アストリッドさんの若いころ)を舞台にするという案もあったのですが、皆さんに支持されているキャラクターをできるだけたくさん出しながら、大団円を目指すというところで今の形となりました。あとは、アーランドは大体トトリが探索し尽くしてしまったので、新しい舞台での冒険を楽しんでもらいたかったから、というのが主な理由です。

――『メルルのアトリエ』はアーランドシリーズの集大成と聞きましたが、前作、前々作のキャラはどの程度参加しますか? また、どういう基準で選んだのでしょうか?(タム、250 他)

 これはもう本当にお答えするのが難しいのですが、『ロロナのアトリエ』『トトリのアトリエ』からバランスを考慮しつつ選びましたが、そこには開発の愛が多少なりとも加味されている部分があるかもしれませんので、そこはご容赦ください! またいくつかの問題があり、出演を諦めざるを得ない部分もありました。たとえば、年齢の問題ですとか……ゲフンゲフン。これ以上は大人の事情になってくるので、コメントを控えさせていただきますね!

――今作を制作する上で、今までのアトリエシリーズよりも力を入れた点や、ファンの声を取り入れた点などあれば教えてください。(のっきんぐ中村)

 すべてにおいてでしょうか! 開発としましても、『トトリのアトリエ』を予想以上にユーザーさんに評価していただいたことで、アーランドシリーズとしての完成形は目指す場所を設定しやすかったように思います。その中でも特に力を入れた点は、プレイヤーの行動に対するリアクションの充実ですね。とにかく何をやっても無意味なことはなく、無意味に見えることにもできる限りリアクションを詰め込んだので、何があるのか、ワクワクしながら遊んでもらえるとうれしいです!

――この作品を制作するにあたって、一番苦労したこと・きつかったことを教えてください。(スマイル0円)

 登場キャラクターの選定でしょうか。できれば新キャラクターに加えてすべてのキャラクターを登場させたかったのですが、やはりさまざまな面から実現が難しく、泣く泣く登場を断念したキャラクターも多数います。それでも、できる限りのメンバーをそろえることはできたと思っています。

――かつて『エリーのアトリエ』をプレイしました。でもアーランドシリーズは初めてです。そんな錬金術初心者に、プレイの心得といいますか、ディレクターならではのアドバイスと一押しをいただけないでしょうか?(あにゆ)

 『エリーのアトリエ』を遊んでいただいた上に、さらにアーランドシリーズに興味を持っていただいて本当にありがとうございます! 今のアトリエはゲーム内のいろいろなところでフォローが入りますので、『エリーのアトリエ』をプレイされている方なら、スンナリ入り込めるかと思います。アドバイスは、とにかくまずは気にせず自分のしたいことをして遊んでください! いろいろ考えて遊ぶのはその次からで大丈夫です。また、魅力的なキャラクターと他にはない錬金術を中心にしたゲームループが、10年前からさらに進化した一押しポイントです!

――『メルルのアトリエ』でしか体験できない楽しさやおもしろさはなんですか? そして、岡村さんにとって今回もっとも自慢できるものはなんですか?(かりんちゃん)

 これまで、アーランドシリーズの集大成として『メルルのアトリエ』を紹介してきていますが、実際には今までのアトリエシリーズの集大成でもあると思っています。リアクションの充実、より洗練された戦闘と調合システムの融合と、“最高のアトリエ”を体験していただけるものと自負しています! そして、今回もっとも自慢できることは、これだけ多くの皆さんに支持されるタイトルを作ることができた、ということでしょうか。『ロロナのアトリエ』の前の数年間、数万本いくかどうかで低迷していた現実を体験しているからこそ、これからももっと多くの人に手に取っていただけるようなタイトルを目指していくというスタンスを変えるつもりはありません。自分の中では、アトリエシリーズをアーランドで復活できたと言えるどうかは、『メルルのアトリエ』の結果に掛かっていると思いますので、これからも応援よろしくお願いいたします!

――今までのアトリエシリーズではお姫様の主人公もいますが、あくまでも正体を隠したままという感じでした。今回思い切って“お姫様”を全面に出すことにしたのはなぜですか?(ホア)

 表向きな理由で言えば、“開拓”という今回のシステム的なテーマを考えるにあたり、一番動かしやすくて大きな結果を作りやすい立場というところで最適という結論からです。『トトリのアトリエ』の後の世界で、舞台を変えるという目的にも合致していますしね。裏向きな理由では、やはり大団円ということでゴージャスに! お姫様が頑張る姿を見てみたい! 本当の意味でのお姫様の活躍を描きたい! といった諸々のストレートな欲望が入りまじったりもしているかもしれません。あくまで可能性ですが。

『メルルのアトリエ』

――今回の企画のために、どのような取材や資料を参照しましたか? また、モデルになった国、文化、技術、時代は何を参考にしたのか教えてください。(プランナーを夢見る青年)

 えー、夢を壊すようで申し訳ないのですが、アーランドシリーズを作っていてそういったゴージャスな研究開発をしたことは一度もありません! すべての要素は、私をはじめとした開発スタッフ&岸田メルさんの妄想の産物です! 北欧とか中東とか会社のお金で行けるなら行ってみたいですけど! すみませんちょっと興奮してしまいました。資料はある程度本とかを参考にしますが、具体的にコレ、というものはありませんね。新しいものを作ろうとか、今までにない画期的なものを作りたいという高尚な考えは持っていませんので。アーランドシリーズは、とにかくできるだけ多くの人に手に取ってもらえるものを作ることを目標にしています。参考にならなくてすみません!

――今回、三大錬金術士が共演しますが、その点で気をつかったところはドコですか?(もんじゃの閃士)

 やはり戦闘のバランスでしょうか! アイテム無双ゲームですので、今作ではそれぞれの錬金術士のアイテム運用に個性付けをすることで調整しています。トトリのデュプリケイトは攻撃アイテムとの相性が悪くなり、他アイテムも特性をかなり強化しないと前作のような無双状態にはならないようになっています。対してメルルは、アドバンスアイテムで火力特化のメリットを与え、ロロナは……小さくなったことを最大限生かしたキャラクターになっているので、ぜひ使っていただければ。イベントでも、それぞれの錬金術士の関係性をしっかり描いていますので、こちらもご期待ください!

『メルルのアトリエ』

→次のページでは、貧乳についての謎が明らかに!?(2ページ目へ)

(C)GUST CO.,LTD. 2011

1 2 3

データ

関連サイト