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2010年3月29日(月)

カトリーヌは生きていた! 『GE+』大型アップデート“疾風の暗殺者”電撃レポ

文:電撃オンライン

 3月30日に超大型アップデート“疾風の暗殺者”が実装される、PC用MMORPG『グラナド・エスパダ プラス(以下、GE+)』。プレイヤーの間では“生カトリ”の通称で愛され、家門編入解禁が待ち望まれているキャスト“カトリーヌ・トルシェー”が本アップデートで登場する。カトリーヌ入手クエストの詳細も気になるだろうが、プレイヤーにはぜひ、今までにない濃いストーリー展開にも目を向けてもらいたい。

 メインシナリオ以外にも、バウンティーハンターギルドシステム、エキスパートスタンス、アルセン上位ミッションなど数多くのコンテンツが追加実装され、“疾風の暗殺者”はかなりボリュームあるアップデートとなっている。メディア向けの先行プレイは一部の前提条件などを割愛し、スピード優先で行うのが常だが、それでもすべて体験するのに4時間かかった……と言えば、そのボリュームを想像してもらえるだろうか。
※テストプレイ向けに特殊なキャラクターおよび装備品を使用しています。

『グラナド・エスパダ プラス』

■愛娘と再会の喜びもつかの間──カトリーヌの失われた日々と渦巻く陰謀

 まずは待望のカトリーヌ編入クエストから順番にお伝えする。本クエストクリアの前提条件は、エキスパート以上の家門で人形版カトリーヌを編入済み、かつ2009年10月に実装されたミッション“聖魔水の真実”をクリアしていることだ。このミッションで入手するアイテムを持っていない場合、クエスト開始は可能だが途中で進行が止まってしまうので注意してほしい。また、『GE+』の中尾圭吾プロデューサーによれば、エキスパート家門だけでのクリアは相当難しく、推奨はマスター家門とのことだ。

 クエストはトルシェー屋敷内部、“トルシェー研究所”に向かう途中に突然発生する。そのまま研究所に入ると目の前でカトリーヌの父親、すなわちトルシェー博士とモントロ子爵のやりとりが始まる。この時点でプレイヤーができることは特にないので、じっくり2人の会話を見ておこう。悪役として初登場のモントロ子爵を「ベスパニョーラの犬」とののしるトルシェー博士。死んだと思われていた博士の娘、カトリーヌの行方をなぜか知っているモントロ子爵は、旧大陸の貴族の命令で博士を脅しに来たようだ。「地下室に行けばおもしろいものが見られる」と謎めいた言葉を残していった。

『グラナド・エスパダ プラス』 『グラナド・エスパダ プラス』 『グラナド・エスパダ プラス』
▲クエストのフラグは研究室の手前で立つ。フラグの立て方によってトゥルー、グッド、バッドエンディングに分かれたりはしないので、安心してほしい。▲ゲーム内には登場しないが、どうやら娘のカトリーヌは母親似らしい。トルシェー博士の顔を見る限り、それはとても幸運だと思われる。▲死んだはずのカトリーヌの髪を持ってきたモントロ子爵。ヨーロッパには「悪魔は紳士の外見をしている」という諺(ことわざ)もあるが、きっとモントロ子爵みたいな見た目だろう。
『グラナド・エスパダ プラス』
▲2人の話を聞いていた人形版カトリーヌ。魂を持たぬはずの彼女が、お父様のために単身乗り込んだ地下室で目にしたものとは……!?

『グラナド・エスパダ プラス』

 ここからがカトリーヌ編入クエストの本番だ。トルシェー屋敷前庭にあたるサヴェージガーデンに地下室への入り口が出現し、既存キャストのカトリーヌが家門リーダーの場合のみ内部へ入れる。なお、カトリーヌのタイプ(筋力、知能、技術、召喚)は問わない。

 地下室に入ったプレイヤー家門は“異常生命体”扱いを受け、排除すべく新モンスターのフィグ、グレイグ、ワイト(いずれもレベル120)の群れが襲い掛かってくる。既存モンスターのエレナ、ロイドもLv120にパワーアップしており、その攻撃はかなり厳しい。一定以上のモンスターを殲滅するまで無限沸きになっているので、いかに素早く、ダメージを受ける前に倒せるかがクエスト攻略の鍵となるだろう。ゆえに召喚カトリを編入している家門には少々不利かもしれない。ちなみに体験用として今回はマスターの召喚カトリを使っているが、呼び出したミニロイドやエレナは、召喚と同時に瞬殺されていた。

『グラナド・エスパダ プラス』 『グラナド・エスパダ プラス』
▲吹き飛ばし効果のあるスキルを何度も使われ、ちょっとストレスがたまり気味。プレイヤースキルも多少ないと、やたらと戦闘が長引いて消耗しそう。
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▲地下室と新モンスターたちは四谷シモンさんの球体関節人形や、澁澤龍彦の世界観をイメージさせる、かなりダークなデザインだ。

 一定数のモンスターを倒した時点で、再びモントロ子爵が登場。そして彼とともに、人形版カトリに瓜二つ……いや、人形の素となったトルシェーの愛娘、カトリーヌ・トルシェーも地下室に現われる。自分にそっくりな人形を「悪趣味」と言い捨て、トルシェー博士以外をお父様と呼ぶカトリーヌ・トルシェー。今度は彼女を敵にプレイヤーは戦わねばならないのだ。

 短剣の使い手で、専用スタンス“デスチョッピング”を操るカトリーヌ(生)は、やはり強い。スキルもバンバン使ってくるので周囲のモンスターはすべて無視し、カトリーヌだけを狙った集中攻撃で、短期決戦に持ち込むのがいいだろう。それにしても美しく育ったなぁ、生カトリ。

『グラナド・エスパダ プラス』 『グラナド・エスパダ プラス』
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▲美しき暗殺者、マインドコントロールされ幼少の記憶を失ったカトリーヌは、本気でプレイヤーを倒しにくる。彼女の推定年齢は……18歳ぐらい?

 強敵カトリーヌに一定以上のダメージを与えると、モントロ子爵は「使えないやつめ」と捨て台詞を残し、カトリーヌを置いて去ってしまう。これでクエストは無事終了。あとはトルシェー博士の研究室に戻り、再度話しかければ報酬としてカトリーヌ・トルシェーカードを1枚入手できる。カトリーヌは前述の通り短剣のみ装備可能で、エスクリマやドバラダコルテといった既存スタンスを使用可能。さらに生カトリ専用スタンスとして“デスチョッピング”を習得できる。とりあえずは美少女カトリーヌ・トルシェーをたっぷり堪能していただこう。

『グラナド・エスパダ プラス』
▲運営スタッフいわく「生カトリは横顔が美しい」らしい。人形版カトリーヌに足りなかった生気が、ばら色の頬に感じられる。
『グラナド・エスパダ プラス』 『グラナド・エスパダ プラス』 『グラナド・エスパダ プラス』
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▲暗殺者らしい素早い身のこなしと、人間離れした跳躍を見せてくれる専用スタンス“デスチョッピング”。姿を隠す、毒を巻くなど、対人戦でもおおいに活躍してくれそうな、数々のスキルを持ち合せている。

■トルシェー地下室ミッション

 続いては、カトリーヌ編入後に挑戦可能となる“トルシェー地下室ミッション”だ。さきほどのカトリーヌ編入クエストと同じ入り口からミッションを開始できる。ただし、プラチナムランプ1個またはオタイトピース100個のどちらか片方を消費せねばならない。オタイトピースはトルシェー屋敷のモンスターがドロップするので、プラチナムランプがもったいないという人はこちらを選ぼう。

 本ミッションはカトリーヌ編入クエストよりも難易度が高く、マスター家門4人以上が適正とのこと。最大10家門まで参加できるのだが、これは日本独自仕様だ。

 さて、トルシェー地下室ミッションの中身だが、かなりパズル要素が強い、今までにないミッションに仕上がっている。ミッションルームに入るとトルシェー博士が、あるヒントを出してくれる。たとえばテストプレイ時のヒントは、

「魔法トラップ“49個”が“7個”に分かれたぞ!」であった。

『グラナド・エスパダ プラス』

 ゲーム中にこのヒントが何を意味するのかは、実はプレイヤーには一切明示されない。プレイヤーは上下で二手に分かれ、幾つもの小部屋が連なっているミッションルーム内でモンスターを倒すと出てくる数字の石版をクリック。最初に与えられたヒントに従い、上下の部屋で互いにある数字を合わせると次の部屋に進める。このヒントとして与えられる数字はランダムで、プレイヤーはまず、本ミッションで一体何を求められているのか? という謎を解き、さらに2つのチームで数字が合うまで石版をクリックし続ける必要がある。モンスターはその間無限にリポップするので、MCCの編成が重要なのはもちろん、プレイヤー同士の連携もかなり重要になってくるだろう。

 見事クリアできれば、この苦労に見合った報酬がもらえるとのこと。ただし、チャレンジは1日1回の制限付だ。

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■上級プレイヤーには手ごたえ十分! “アルセン団長の秘密金庫”ミッション。

 ここからはメインシナリオとは別に、上級プレイヤー向けとして実装される数々のコンテンツを紹介していこう。1つ目はアルセンサーカスのストーリーと絡む、“アルセン団長の秘密金庫”ミッションだ。

 このミッションは最低2家門から、最大10家門が同時参加できるのだが、ちょっとユニークなことに、参加家門のうち誰か1人は必ず編入キャスト“ヘレナ”を含むことが絶対条件となっている。リボルドウェにいるNPC秘密地下倉庫警備兵に話かけ、ミッションを開始すると全プレイヤーは一旦、屋敷の玄関ホールのような部屋に通される。部屋の奥には次の部屋につながるワープゲートが設置されているが、これをくぐれるのは1家門だけだ。ヘレナを含む家門および、その他プレイヤーは全員その部屋にとどまり、後から後からポップする敵からヘレナを守り、その攻撃に耐え続けなければならない。当然ヘレナが死亡すればミッションは失敗となる。

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▲ワープゲート手前の部屋に取り残された、ヘレナを含む家門側の様子がこのスクリーンショットだ。

 一方、ワープゲートをくぐった1家門はその先の部屋で、ヘレナの宿敵“セリーヌ”およびアルセンサーカス四天王、マリオ、フロスト、エミリーとの戦闘が待っている。一定以上のダメージをセリーヌに与えるとセリーヌはさらにその奥の部屋へ撤退し、新たなワープゲートが出現。この時点でようやく、手前の部屋でひたすら敵との攻防に耐えていた全家門が、隣の部屋に移動できるのだ。

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▲一方、たった1家門でワープゲートをくぐった側の様子がコチラ。この家門が頑張ってセリーヌを撤退させないと、残された家門は時間とともに厳しい戦いを強いられる。

 これを順番に繰り返し、最終ルームでは全家門合同でセリーヌ&四天王と対峙。セリーヌを倒せばミッションクリアとなる。本ミッションへの前提条件はエキスパート以上だが、推奨はまたもやマスターレベル。1日1回の制限アリで、報酬は四天王から家門名声アイテムやレアドロップがある他、超レアドロップとしてトランプシリーズ防具の素材が出るとのことだ。

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■より手軽にレイドボス討伐が楽しめる、レイドミッション“グリフォン”

 2つ目は、友だちや党員だけでより簡単にレイドボス討伐が楽しめる、レイドミッション“グリフォン”の実装だ。今までは時間沸きのレイドボスを探して、党員たちが該当マップを必死に探しまわる必要があったグリフォンだが、ハビエル草原地域に一定周期でランダムに“割れたグリフォン卵”が出現する。これを拾ってオーシュのNPCペデリゴに渡すと、“グリフォンの涙”というキーと交換してくれるのだ。

 このキーを先ほどのマップの、ある場所で使うと最大30家門が参加可能なインスタンスゾーンが開き、グリフォン討伐を誰に邪魔されることなくゆっくりと楽しめる。ちなみに従来のフィールドに出現するレイドボス、グリフォンがいなくなるわけではない。インスタンスミッション版のグリフォンのドロップアイテムは、フィールド版に比べて多少レア率が下がるという違いが設定されている。

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▲今回のドロップ品は、ジズブレスレット、黄色い原石、メガタルト、星座ボックス、ルブラン防具、レシピ(エリートバンテーラジャケット)だった。これはアタリなのか、イマイチなのか……?

■わいわい楽しみながらレベルも上がる? “バウンティーハンターギルド”

『グラナド・エスパダ プラス』

 3つ目は、リオン合同ダンジョンや有料ダンジョンに代わり、新たなレベル上げポイントとなりうる、“バウンティーハンターギルド”システムについて解説しよう。

 “バウンティーハンターギルド”はリボルドウェ、コインブラ、オーシュなどの主要な街にいる専用NPCに話かけ、家門名声800かプラチナムランプ4個を消費して入り口を開ける。レベル40~レベル125まで6段階にわかれており、自分のレベル帯にあったものを選べるのだ。

 インスタンス内部では、リオン合同ダンジョンの比ではない数のモンスターがひしめいており、迫り来る大量の敵を最大4家門で一緒にワイワイ楽しみながら、ついでにレベル上げも狙うにはちょうどいい新システムといえる。有料ダンジョンと違い敵もスキルを使ってくるため、放置レベル上げには向いていないが……ここでしかドロップしない装備品やレシピもあるとのこと。「最近エラクばっかりで飽きたなあ」という上級プレイヤーも、ソロ放置プレイ専門のプレイヤーも、この機会に党員と一緒にバウンティーハンターギルドを楽しんでみてほしい。

『グラナド・エスパダ プラス』 『グラナド・エスパダ プラス』
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▲マンネリ化が指摘されていた、『GE+』の新規狩場として要注目だ。
『グラナド・エスパダ プラス』
▲バウンティーハンターギルドで得たトークンを集めると、専用NPCが販売しているアイテムと交換できる。本来は有料アイテムの覚醒秘伝書も、商品一覧に並んでいる。

■エキスパートスタンス全6種を追加実装

 前回実施された、IMCGames開発者同席のオフラインイベントでも、参加者から要望の声が出ていたエキスパートスタンスの不足。これがようやく、本アップデートで解消されるようだ。

 本アップデートで追加されるのは、エキスパートスタンス全6種で、内訳は散弾銃スタンス2種、大砲スタンス2種、鈍器スタンス1種、楽器スタンス1種となっている。特に注目したいのは、散弾銃スタンスの2種だ。“デュエルブラスター”は編入キャストのロルク専用で、姿を隠しながら他のスキルも使える(移動は不可)“カモフラージュ”、敵を大きく吹き飛ばす“ブロウインパクト”、ワイヤーを張りめぐらすトラップ系スキル“ワイヤープリズ゙ナー”など、対人戦において有効なスタンスと言える。カモフラージュ状態で待ち伏せし、ワイヤープリズナーや毒をばら撒くエクスポズンを使うといった戦術が、今後のコロニー戦やPvPイベントで活躍するだろう。実用性はそこそこあるが、大人気キャストとはいえなかったロルクもこれで安心か?

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 もう1つの散弾銃スタンス、グレイス専用の“スーペリアブラスター”は、対人に強いロルクと違い、むしろ対モンスターに有効なものだ。モンスターへのハント効率をあげる“ハウンド”、毒効果のある弾をまきちらす“ポリューショット”、接近してきた敵に致命傷を与えられる“エクスキューター”といった独自スキルが習得可能だ。

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 今回はたまたまなのか、不遇のキャストに光を当てるようなスタンスが多いように思われるが、これまた座談会で出た「キャストごとに使い勝手や強弱がありすぎるので、もう少し何とかしてほしい」という意見への、開発者なりの回答なのかもしれない。

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▲本アップデートで追加実装される新規装備、現在最強を誇る“エリート ル ノワール”シリーズを上回る性能を持った最上級装備“グリーク クロマ”シリーズだ。

 かなり駆け足にはなってしまったが、これが『GE+』次期大型アップデート“疾風の暗殺者”の詳細である。全体的に上級プレイヤー向けの内容が多いが、バウンティーハンターギルドのようにLv40からでも楽しめるものもそろっているので、「最近の『GE+』は変わりばえしないなあ」とボヤいていた人も、ぜひ仲間と一緒に生カトリの太ももやら何やらを愛でていただきたい。

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(C) 2003-2010 IMC Games Co., Ltd. Published by Hanbit Ubiquitous Entertainment Inc.

データ

▼『グラナド・エスパダ プラス』
■運営:ハンビットユビキタスエンターテインメント
■対応機種:PC(対応OS:Windows 2000/XP)
■ジャンル:RPG(オンライン専用)
■サービス開始日:2006年7月21日
■プレイ料金:無料(アイテム課金)

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