| 1849年10月17日深夜、パリの中心部にあるヴァンドーム広場12番地のアパルトマンで、ピアノの詩人と呼ばれた音楽家“ショパン”は病の床に伏せながら、最期の夢をみる。 ショパンの意識は現実世界を離れ、おとぎ話に聞くような不思議な世界に足を踏み下ろした。そこでは現実世界と同じように、人々がありふれた日常をさまざまな感情を抱きながら、当たり前のように生きていた。 ただひとつ違ったことは、夢の世界において不治の病に侵された者は、その副作用として魔法の力が宿ること。現実世界で病床にある“ショパン”もまた、魔法を使うことができた。夢の中でも、彼の体は病に蝕まれていたのだ。その皮肉もあり、“ショパン”は夢の世界を客観的に捉えていた。ここにあるものすべては、自分が作り出した幻に過ぎないのだと……。 だが、病に侵されながらも運命を受け入れ、懸命に生きるひとりの少女“ポルカ”がショパンの考えを少しずつ変化させて行く。 だれもが心の中に持つとされ、綺麗な信じる心を反映して輝く「トラスティ」という宝石。この「トラスティ」の輝きが強すぎるため、少女はさらに過酷な運命へと誘われて行くことになる。そんな運命に抗い、必死で彼女を救おうとする少年“アレグレット”。運命に従う少女と逆らう少年、そして夢と現実。 相反する2つの事象が絡み合うとき、運命の歯車は静かに逆転を始める。 |