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2006年11月24日(金)

制作スタッフが語る『AngelLoveOnline』の魅力とは!?台湾体験会レポートPART2

 『AngelLoveOnline(以下ALO)』開発元のUserJoy Technologyのゲームデザイナー・Jacky Chang氏と、日本での運営を担当するキューエンタテインメントのオンライン事業パブリッシング部部長・森健志氏、ゲームディレクター・君塚靖征氏からお話をうかがった。本作の魅力や日本での展開について語っていただいたので、以下に紹介する。

――現在台湾では正式サービス中ということですが、手ごたえはいかがでしょうか?
Chang氏:すぐにサーバーを追加しましたが、クローズドベータテストの段階からサーバーはパンク状態になるほどの盛況振りでした。オープンベータテストも順調に進み、現在の同時接続人数は4万人と、台湾のゲーム人口から見るといい成績をおさめていると思います。

――まずは『ALO』のコンセプトをお聞かせください。
Chang氏:スキルが自由に選べるので、ユーザーさんは自分が気に入ったキャラクターが作れることが最大の特徴だと思います。当初の予定では、ユーザーがスキルを選ぶことで、自分で職業を作れるようにこういったシステムを考えていました。ただ、スキルが多すぎるとユーザーが戸惑う可能性があったので、あらかじめ基本となる4種類の職業を用意し、ゲームになれた段階で改めて作り直せるようにするというのが最初の発想でした。その他のシステムについても、スタッフと議論して、いいアイデアはゲームに取り込んでいます。

――そうなると開発にはかなりの時間がかかったのではないでしょうか?
Chang氏:そうですね。最初にアイデアを出し始めたのが2005年初頭で、クローズドベータテストが始まったのが今年の7月ですから、開発期間は約20カ月ですね。

――サービス提携の経緯をお聞かせください。
森氏:正式にお話をしたのは、今年の7月です。これまで3Dゲームなどを手がけてきてきたのですが、ユーザーさんから「スペックが高すぎて遊べない」、「グラフィックボードって何?」といった問い合わせが多いのを実感してきました。そこで、それほど高いスペックを持つPCではなくてもすぐにプレイできるコンテンツを見つけようというところから始まりました。『ALO』は低スペックで、かつプレイしやすいので、MMORPGの入門というところではマッチしていると思い、すぐにコンタクトを取らせていただいて、単身台湾に来て交渉が始まりました(笑)。

──交渉は順調でしたか?
森氏:順調だったと思います。実際、契約締結まで2カ月もかかっていないですね。交渉の場では、「こんなプロモーションを考えています」とか「こういう運営をさせていただきます」と、実際の数字も弾いた上で熱く語らせていただきました(笑)。

Chang氏:キューエンタテインメントの運営の手腕を高く評価しておりまして、すぐにパートナーとして選ばせていただきました。

──日本向けの追加要素などはありますか?
Chang氏:アイテム購入の際、装備状態を確認できる試着システムがあるのですが、これは台湾版の仕様にはありませんでした。キューエンタテインメントさんの要望によって追加されたものです。
 また、開発当初から日本市場は見据えていたので、キャラクターの衣装も日本人向けになるようデザインしています。今後もキューエンタテインメントさんと一緒にゲームを開発して、日本と台湾両方のユーザーさんに受け入れられるようなゲームにしていきたいと思います。

森氏:試着システムについては、こちらがお願いしてから1カ月弱で実装していただきました。始まる前からそのスピードでやってくれたので、今後の要望にも迅速に対応してくれると期待しています。

──日本語版では最新バージョンが使用されるのでしょうか?
森氏:そうですね。今の予定でいくと最新バージョンになります。ただ今後実装されるPvPなど、大規模なアップデートの場合、台湾で不具合などが解消されていないのであれば、少し検討させていただきたいと思います。もちろん、できる限り日本版のオープンに間に合わせていきたいと思います。日本のコアユーザーさんは、翻訳ソフトを使って開発元のサイトで情報収集し、「台湾ではここまで行ってるのに、日本はここまでなのか」と言われてしまうのは、運営している私たちとしても本意ではないので、User Joyさんと協力してやっていきたいと思います。

──日本での戦略はどうのように考えていますか?
君塚氏:装備アイテムがキャラクターの外見に関わってくるのですが、ステータスを重視するとお気に入りの格好がしづらいんです。それがペーパードールシステムによって、自分が好きな格好でプレイできるようになっています。MMORPGは人と触れあいますから、キャラクターの強さと関係なく自分が見せたいものを表現できるのは、ユーザーさんにとってありがたいのではないかなと思います。
 また、チャットルームのシステムなどのコミュニケーション部分が非常に充実しています。フレンドリスト1つ取っても、オンライン/オフラインの確認はもちろん、ゲーム内でメールが送れたり、ギルドのリスト、オリジナルのチャットルームもあります。そういったコミュニケーション機能の強さというのも1つの特徴です。そういったところでコミュニティが広がっていくと言ったところがとっつきやすかったり、深く遊べるという部分になるんじゃないかと思います。

──日本でのベータテストはいつごろになるのでしょうか?
森氏:年内には始めたいと思います。運営の方法にもよりますが、いわゆるクローズドベータテストをやらずにオープンベータテストから始める可能性もあります。

──オープンベータテストからはじめる場合、サーバーの数などはどのくらいになるのでしょうか?
森氏:具体的な数は控えさせていただきますが、ワールドをすぐ足せる状況にはしています。あとはユーザーさんの入り方と状況を見ながら随時追加していくと言った感じですね。

──オリジナルアイテムなど日本で追加される要素はどういったものを検討しているのでしょうか?
君塚氏:季節ものの服装を検討してます。例えば成人式では着物の振袖っぽいバージョンやバレンタインなど、日本独自の行事にあわせた衣装をお願いしようと思っています。元からある素材の魅力にプラスして、オリジナルのアイテムやクエストなどを追加して、ユーザーさんに楽しんでいただこうと思います。ゲームの進行に影響のないペーパードールシステムというところで、お馬鹿なものも入れやすいので(笑)。

──気の早い話ですが、PvPシステムの次はもう予定されているのでしょうか?
Chang氏:今の予定としては来年の1月に大規模なアップデートを実施する予定です。これは、現在のメインクエストの第2弾にあたるものになります。その時にパーティメンバーしか入れないと言ったMORPG要素を取り入れた異次元ダンジョンも複数追加されます。今後もPvPなどのシステム面とは別に、エピソードを年間3回くらいのペースで追加していく予定です。

──『ALO』は低スペックのPCでもプレイできるというのが1つの特徴ということですが、初心者向けのものを展開するということについてどのように考えておられるのでしょうか?
森氏:よく「オンラインゲームの市場が拡大している」といわれていますが、プロデューサという立場で話をさせていただくと、アイテム課金で客単価が上がってるだけでユーザーが増えているわけではないと思うんです。もちろん実際は増えているわけですが、売上高に比例して人数が増えているわけじゃないんです。そこで低スペックのPCでも遊べて、でも中のシステムが充実している『ALO』で、まずはオンラインゲームの楽しさやコミュニケーションの楽しさを知っていただければいいなと思っています。

──ネットゲームには、パッケージゲームと違ってマニュアルがないと思うのですが、そのあたりはどうお考えでしょうか?
森氏:操作方法のページを充実させたいという気持ちもあるんですが、あまり充実させてしまうと逆にファンサイトさんが育たなくなってしまうと思うんです。実際に、それこそ運営も知らないような情報を集めてる方っていらっしゃるじゃないですか(笑)。そこにユーザーさんが集まって、そこからコミュニティが波及していくと思うんです。パッチでどういう更新があったかというのは、もちろん公式サイトで扱うべきだと思いますが、裏技的なものや細かい情報はファンサイトさんにお任せしたいと考えています。

君塚氏:例えば、「俺はこのボスをこう倒したけど、みんなはどう?」というのは公式サイトでは、やっぱりできない。そういうのはやっぱりファンサイトにやってもらいたいなと。みんなが公式サイトに集まるとそこで終わっちゃうので、ウィキペディア(インターネット上で作成・利用できる百科事典)的な場を作ってもらいたいなと思います。

──ファンサイトとかへのフォローは?
森氏:もちろん考えています。今後ぜひやりたいと思うのは、ギルドマスターさんやファンサイトの管理人さんを招いた情報の交換会ですね。当たり前といえば当たり前なんですが、面白いんじゃないかなと思います。

──最後に日本のユーザーさんのメッセージをお願いします。
森氏:『ALO』は、内容がむちゃくちゃあるんですよ。今まで体験したことがないくらいの量で大変なんですが(笑)、いろいろがんばっているんで、楽しんでもらえたらうれしいです。

Chang氏:キューエンタテインメントさんを信頼しているので、日本の運営に関しては安心しています。『AOL』は一度やったら継続してプレイしてもらえる自信があるゲームに仕上がっています。ぜひ日本の皆さんもプレイしてみてください。

『AngelLoveOnline』インタビュー

『AngelLoveOnline』インタビュー

『AngelLoveOnline』インタビュー
今回、インタビューを引き受けてくださった『AngelLoveOnline』スタッフの方々。画面左より君塚靖征氏、Jacky Chang氏、森健志氏。


データ

▼『AngelLoveOnline』
■メーカー:キューエンタテインメント
■対応機種:PC(対応OS:Windows)
■ジャンル:MMORPG(オンライン専用)
■サービス開始日:未定
■プレイ料金:未定
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■関連サイト
『AngelLoveOnline』公式サイト
キューエンタテインメント