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2006年10月21日(土)

電撃文庫人気作が集結!歓声と爆笑が飛び交った「電撃文庫ムービーフェスティバル」

 本日21日の「秋葉原エンタまつり」で、秋葉原UDX内AKIBA_SQUAREに設置された特設ステージの最後を締めくくる「電撃文庫ムービーフェスティバル」製作発表会見が行われた。

 イベント開始前から長蛇の列ができるなど、注目度の高さが感じられた今回の製作発表。電撃文庫の人気作品「灼眼のシャナ」、「キノの旅-the Beautiful World-」、「いぬかみっ!」の3作品が2007年4月に映画化されることが明らかにされ、プロモーションムービーの上映と、各作品の製作陣と出演声優によるトークが行われた。

 最初にステージに登場したのは、炎髪灼眼の討ち手“シャナ”と、平凡な高校生の冒険を描く「灼眼のシャナ」。プロモーションムービーを上映した後、出演声優の中から釘宮理恵さん(“シャナ”役)、日野聡氏(“坂井悠二”役)、原作の高橋弥七郎氏、監督の渡部高志氏、イラスト担当のいとうのいぢさんがステージにあがった。今回の映画化について、現在の心境を問われた原作陣は「なんとなく遠くにきたもんだなあ、という感じです(高橋氏)」、「最初に仕事をいただいたときはここまですごいことになると思っていなかったので、本当にうれしいです(いとうさん)」とコメント。声優陣は「“シャナ”は最初硬質な感じでしたが、周りの人と触れあうことで柔らかい部分が出てきていまして。今回の劇場版では原作小説の第1巻を描いてますので、私の大好きな、「格好いい“シャナ」”と再会できるんだな、と楽しみです(釘宮さん)」、「“坂井”君はどこにでもいる平凡な高校生ですので、その平凡さを強調した部分を出せればいいと思っています(日野氏)」と意気込みを語った。監督の渡部氏は、本作の魅力について「ハードで冷徹な面と、もろくて優しい面、相反する部分をあわせ持つ“シャナ”が“坂井”との出会いでどう成長していくのか、そういう点が魅力だと思います。また、劇場版では敵役の“フリアグネ”と“マリアンヌ”の物語がテレビ版とは異なるものになります」とのことなので、それぞれの陣営の恋愛模様にも注目!

 続いてスクリーンに映し出されたのは、旅人“キノ”としゃべる二輪車“エルメス”が、旅の途中でさまざまな国と人との出会いを繰り返す「キノの旅」。ステージには出演声優の中から前田愛さん(“キノ”役)、相ヶ瀬龍史氏(“エルメス”役)、原作の時雨沢恵一氏、監督の中村隆太郎氏が登場した。4年にわたって“キノ”を演じ続ける前田さんは「演じているときは、自分の声のトーンを低めにしたりして、印象をおとなしめにしようと思っているんですけど、最近は原作を読んでいるとすんなり入ってきている感じがするので、あんまり考えずに……(笑)。“キノ”は常に中立の立場を保っているので、それに関しては気をつけようと思ってはいるんですが、だからといって特になにかしているわけでもなく」とすっかり“キノ”と一体化しているようだ。それに対して“エルメス”役の相ヶ瀬氏は「モトラド(二輪車)なので口パクも表情もなく、とてもやりづら……やりがいのある役です(笑)。“キノ”がクールな分、パーツがどっか抜けてるような、明るい性格を演じるのがとても大変です」と苦労している様子がうかがえた。監督の中村氏は「美しいものと、触れたくない、いやーな感じの部分が混在している、微妙な感じが本作の魅力だと思います。僕は映画が大好きだから、劇場版に関われるのはうれしいし、スタッフも劇場版と聞くとテンション上がっちゃうんですね。久しぶりに「キノ」を手がけられることもとてもうれしいです」と語った。時雨沢氏は映画化の感想を「再び映像化されるというだけでもうれしいのに、さらに劇場版ということで。大画面とすばらしい音響を楽しみにしています。それと、今回のストーリー『病気の国 -For you-』は、映画化する話はどれがいいか、と聞かれたときに私が提案したものなので、採用されてうれしく思っています」と声を弾ませていた。

 大トリを務めるのは、女の子とお金が大好きな“川平啓太”と、ヤキモチ焼きでわがままな犬神“ようこ”が繰り広げるハイテンション・ラブコメディ「いぬかみっ!」。プロモーションムービー終了後、突然大音量で鳴り響いてきた野太い歌声「タイヘンタイヘンタイヘン……」(テレビ版エンディング曲「友情物語」の別バージョン)に会場爆笑。そんな空気の中、例の歓声で迎えられた堀江由衣さん(“ようこ”役)を先頭に、福山潤氏(“川平啓太”役)、原作の有沢まみず氏、監督の草川啓造氏がステージにあがる。冒頭の挨拶では、他2作品に比べてあまりにも作品のカラーが違うためか、「「シャナ」ファンと「キノ」ファンの皆さんごめんなさい(福山氏)」、「劇場版も「いぬかみっ!」らしい作品になると思いますので、「シャナ」ファンと「キノ」ファンの方はいろいろすいません(有沢氏)」と腰の低い姿勢のコメントも。福山氏は“啓太”役を演じたことについて「僕が最初想像していたよりもはるかに面白くて。演じていくのがどんどん楽しくなっていって、僕が出せなかった引き出しを出せたり、いままでやろうとしなかった素の部分を入れてみたり、半年間突っ走れて楽しかったです。いままではいじられる側だったので、劇場版ではいじる側にもまわりたい」と熱っぽく希望していた。堀江さんは劇場版でやってみたいことを聞かれると「とりあえず……放映できれば」と控えめに答え、会場は再び爆笑。福山氏と「それが一番大事だよね!!」、「ヘンタイの大モトと大ボスがいるからね!!」などと意気投合していた。「“キノ”さんチームと“シャナ”さんチームに迷惑をかけないようにしつつ、でも大スクリーンで大ゾウさんを見るというのもなかなかない機会なのであってもいいかなと(堀江さん)」と、やはり他作品に遠慮がち? その一方で「テレビ版で、テレビ局の人からギリギリですね、と言われていまして。劇場版でもギリギリを狙おうと思います。R指定になったらごめんなさい。ゾウさん→マンモスとパワーアップしてきたあそこの処理ですが、今回は3Dメガネをかけるとゾウさんが立体的に飛び出す仕掛けを考えています(草川氏)」とのこと。どこまで本気かはわからないが、製作陣はあくまで「いぬかみっ!」らしさを貫くつもりのようだ。原作の有沢氏も映画化について「いいのかな? というのが第一で。一番の敵は映倫です。そこが通してくれたら、いいものになるんじゃないかと期待しています」と危険な回答。さらに、ヘンタイの大ボスと名指しされたことについては「僕はヘンタイじゃないです(有沢氏)」と言いながら上着を脱ぎ出し、本性の片鱗を見せつけていた。

 最後に、本日の出演者全員がステージ上に集結し、メディアワークス代表取締役社長 久木敏行氏の挨拶が行われた。「本日ここで皆さんと一緒に映像を見ていると、今日初めて見るような絵もいくつかありました。これを見て、本編も期待できるものになると思っています。来年の4月に劇場で、ここにいらっしゃる皆さん、お友だちとご一緒に見たいと思っていますので、ご声援よろしくお願いします(久木氏)」と締めくくり、客席の拍手に包まれながらこの日のイベントは終了。原作ファンの熱気がステージ上に余すことなく伝わったこのイベントは、来年に行われるロードショーに向けて大きな弾みになったのではないだろうか。
 なお、2007年4月に公開される「電撃文庫ムービーフェスティバル」のオリジナルポスターつき限定前売り券が、「秋葉原エンタまつり」のオフィシャルショップで発売中。劇場版3作品の詳細を公式サイトでチェックしつつ、来年の上映を楽しみに待っていよう。
灼眼のシャナ

灼眼のシャナ

灼眼のシャナ
今回の劇場版は原作小説1巻を再構成したもので、“シャナ”と“坂井”の出会いから始まる、「灼眼のシャナ」の原点を描き出す。
キノの旅

キノの旅

キノの旅
“キノ”が訪れる「病気の国」は、高度な科学が発達した国で、国民は巨大なドームの中で暮らしている。“キノ”はそこで病にふせる少女“イナーシャ”と出会うことになる。
いぬかみっ!

いぬかみっ!

いぬかみっ!
いろんな意味で話題を集めた「いぬかみっ!」がついに映画化! そのプロモーションムービーでわかったキャッチフレーズは「ラスト30分号泣の嵐」。そもそも上映時間が何分なのかもわからないが、なんだかすごそうだ!
「電撃文庫ムービーフェスティバル」製作発表会見

「電撃文庫ムービーフェスティバル」製作発表会見
最後にメディアワークスの久木氏を交えて記念撮影。「いぬかみっ!」チームは映像班向けに奇怪な動きを披露し、ここでも存在感を見せつけていた。

(C)高橋弥七郎・メディアワークス/『灼眼のシャナ』製作委員会
(C)時雨沢恵一・メディアワークス/劇場版『キノの旅』製作委員会
(C)有沢まみず・メディアワークス/犬神使い派遣協会

データ

■「秋葉原エンタまつり」
【開催期間】2006年10月21日~29日
【開催場所】秋葉原UDX(2F・AKIBA_SQUARE、4F・東京アニメセンター・3Dシアター)秋葉原地区ソフトショップなど
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■関連サイト
「電撃文庫ムービーフェスティバル」公式サイト
「灼眼のシャナ」公式サイト
「キノの旅」公式サイト
「いぬかみっ!」公式サイト
「秋葉原エンタまつり」公式サイト
メディアワークス