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2006年5月9日(火)

『FFXIII』の名を冠した3タイトルが始動!スクエニカンファレンスはサプライズ多数!

 ロサンゼルスで開催されたスクウェア・エニックスのプレスカンファレンスでは、既報の通り「PLAYSTATION3」用ソフトをはじめとする3つの『ファイナルファンタジーXIII』、そしてWii用ソフト『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー(仮称)」、DS用ソフト『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リング・オブ・フェイト(仮称)』が発表された。開発スタッフのコメントを中心に、その発表内容をお伝えしていく。



 「スクウェア・エニックスが全力を挙げて制作を進めているプロジェクトを紹介します。まずは映像をご覧ください」と興奮して声を荒げたのは、「FABURA NOVA CRYSTALLIS FFXIII(ファブラ・ノヴァ・クリスタリス FFXIII)」のコーポレートエグゼクティブを務める橋本真司氏。次世代機のパワーを感じさせる言葉では言い表せないド迫力かつスピーディなその映像は、どこか異質な世界を感じさせるものの、ところどころに見覚えのあるゲーム戦闘シーンが垣間見られた。映像は時間にして約2分半。映像の最後に表示された『FFXIII』のタイトルロゴに反応し、会場からは一際大きな歓声が挙がった。

 橋本氏は「今日この場でこの発表ができることに、スタッフ一同大きな感動を覚えております」と挨拶し、『FFXIII』の開発を担当する主要スタッフを紹介。まず壇上に呼ばれたのはプロデューサーの北瀬佳範氏。一年前『FFX』チームがPS2用の新作の開発を一時中断し、昨年のE3にて次世代機向けに『FFVII テクニカルデモ』を開発したと振り返る北瀬氏は、「実はこの一時中断していたタイトルこそPS2用向けに制作した『FFXIII』だったんです。E3後、私たちはそれまでのプログラムをすべて破棄し、新生『FFXIII』をスタートさせました」と経緯を語った。北瀬氏によれば、描画エンジン、物理演算、モーション制御、エフェクト、サウンドなど、多岐に渡る基本ライブラリを0から作りあげるため、専門のテクニカルチームを編成し、独自のエンジン「White Engine」を制作したという。最後に北瀬氏は、「『ファイナルファンタジー』の名を冠する以上、対応ハードの持つ能力を極限まで使い切ることを命題にさらなるクオリティアップへの挑戦をしていきますので、どうぞご期待ください」と語った。
 続いて登壇したディレクターの鳥山氏は、「『FFXIII』は、これまでの『FF』シリーズの中でも、もっとも文明度が進んだ未来の世界を描いています」と、『FFXIII』の世界観を紹介。クリスタルが導く、魔法とテクノロジーが融合し進化した、誰も見たことがない未来世界で、そこで生きる人間たちの物語が展開するとのことだ。

「「White Engine」を積み、『FFXIII』が今走りはじめました」と話す北瀬氏。『FFXIII』の続報からは目が離せない! 鳥山氏は「ただ単に世界観が未来というだけでなく、PLAYSTATION3という未知のハードで遊べる新しい『FF』の誕生でもある」とコメント。『FFXIII』では未だ見たことがない新しい世界観にも注目が集まる。


 『FFXIII』の発表の後、再び登壇した橋本氏が、PLAYSTATION3向けとなる『FF ヴェルサス XIII』と携帯電話向けコンテンツ『FF アギト XIII』と、どちらも『FFXIII』の名を冠しながらも、まったく異なるゲームとなる2タイトルを発表。各タイトルとも、イメージムービーとともにゲーム内容が明かされた。

 『FF アギト XIII』ではディレクターを務める田畑端氏が壇上に登場し、ゲームの概要を紹介。「『FF アギト XIII』では、タイトルの通り“行動を起こすこと”が作品のテーマとなる新しいオンラインRPG」と開発コンセプトを説明。次世代の携帯電話をターゲットに選択し、開発に着手したという。『FF アギト XIII』は携帯電話をプラットフォームにしたことで、新しいゲームデザインを可能にしたとのことで、その一例として田畑氏は、戦闘ではロケーションフリーな携帯電話の性能を生かして、その場その場でプレイヤー同士がパーティを組み、敵と戦うといったバトルシステムの導入を明かした。その他にも驚くような新システムが多数用意されるとのことなので、期待して続報を待ちたい。

 一方、『FF ヴェルサス XIII』では、ディレクター&キャラクターデザイナーを務める野村哲也氏が壇上に登場。『FF ヴェルサス XIII』は、『FFVIIアドベントチルドレン』と『キングダムハーツ2』の2つのチームが制作を担当しているという。野村氏は、「ゲームはアクション要素の高いものを考え、絆をテーマにしたリアルなキャラクターと物語を描いていくつもりです。自分たちが追ってきた作品のひとつの完成形になると思います」と語った。まだシステム的に不透明の部分が多い『FF アギト XIII』は、今後の続報に注目していきたいところだ。

いつでも、どこからでもアクセスできる身近な『FF』と、『FF アギト XIII』の魅力を語った田畑氏。これまでにはない新しい作品に期待が高まる。


「自分たちが追ってきた作品のひとつの完成形になると思います」と『FF ヴェルサス XIII』への意気込みを語る野村氏。『FFVIIアドベントチルドレン』と『キングダムハーツ2』の2つのチームで生み出される『FF ヴェルサス XIII』に注目だ。



『FFXIII』と『FF アギト XIII』について、同時に開発が進みながらも、異なるハード、異なる世界観、異なる物語で展開すると話す橋本氏。『FFXIII』は、並行する複数のタイトル群で構成されている。


 『FFXIII』についつい注目が集まる今回のスクウェア・エニックスカンファレンスだが、このほかにも新発表が用意されていた。それがWii用ソフト『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー(仮称)」と、DS用ソフト『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リング・オブ・フェイト(仮称)』だ。

 『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル リング・オブ・フェイト(仮称)』では、エグゼクティブプロデューサーの河津秋敏氏がゲーム内容について紹介。「最大4人で遊ぶことができるマルチプレイを、前作以上に楽しめるさまざまな仕掛けを用意しています」という。シングルプレイでは、『FF』ならではの、人々がクリスタルを恐れていた頃の重厚なストーリーが楽しめるとのことなので、シングルプレイ、マルチプレイともその仕上がりには期待が寄せられる。
 また、『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー(仮称)』では、ディレクターの板原俊之氏が登壇。「Wiiという革新的なハードを手に入れた私たちは、RPGの伝統を継承しながらも、斬新なゲーム性とフライト感覚あふれるグラフィックで再現される、まさに次世代の『FF』を目指して現在鋭意制作中です」と意気込みを語った。ゲームの詳細については触れられなかったが、「ゲームのありかたをガラリと変える作品になることをお約束します」とのことなので、続報を楽しみにしていたい。

『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』最新作を紹介する河津氏(右)と板原氏(左)。WiiとDSの2機種での発売される新しい『FF』がどのようなものなのか、期待せずにはいられない。


 さらにカンファレンスでは、Wiiのローンチタイトルとして『DRAGON QUEST SWORDS 仮面の女王と鏡の塔』を発売することも発表。登壇したエグゼクティブプロデューサーの三宅有氏は、『DQ』の魅力は誰もが楽しめるわかりやすさと自分が主人公になって冒険できるワクワク感にあることを強調した上で、「『DRAGON QUEST SWORDS』はその魅力を究極の形で表現することができた」と説明。イメージ映像ではWiiのコントローラーを振り、ゴーレムを斬りつけるシーンでゲーム内容が紹介された形となったが、2003年に発売され一世を風靡した体感ゲーム機「剣神ドラゴンクエスト 甦りし伝説の剣」(2003年発売)を彷彿とさせる内容となっていた。三宅氏は、「自分が主人公になることに加え、体感する物語を実現できるものと考えております」とゲーム性をアピール。「Wii」と同時発売となる作品だけに、『ドラクエ』ファンならずとも見逃せない1本となりそうだ。

おなじみの『DQ』オープニングテーマをバックにしたイメージ映像で作品が紹介された『DRAGON QUEST SWORDS 仮面の女王と鏡の塔』。三宅氏は、「Wii」との同時発売を目指して制作していますと意気込みを語った。


 『FF』ファン、そして『ドラクエ』ファンにはうれしさこの上ない発表が満載となったスクウェア・エニックスカンファレンス。各タイトルとも、今後の情報を楽しみに待っていたいところだ。


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