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2006年4月25日(火)

コーエーネット、家庭用ゲームソフトレンタル事業「RentaNet」を5月下旬より運営予定

 本日4月25日、コーエーネットは同社の新たな事業となるゲームソフトレンタル事業「RentaNet(レンタネット)」に関する発表会を都内で行った。

 「RentaNet」は、ユーザーの利便性を高め、新たな市場を創出することを目的に、ゲーム販売店とゲームソフトメーカー各社の協力のもと展開される家庭用ゲームソフトのレンタルサービス。本事業では、コーエーネットが直接店舗を運営するのではなく、店舗側がPOS管理システムやサーバー、バーコード入力システム、キャッシャーなどをまとめた専用ソフト、ならびにレンタル用ゲームソフトをコーエーネットから購入し、各ゲームソフトをユーザーに貸し出しするという流れになる。利益配分はレンタル料の約10%がコーエーネットのマージン、約45%が店舗、残りの約45%がゲームソフトメーカーとなり、ゲームソフトメーカーは新しい収益源を得ることができる。
 本事業はゲームソフトメーカーが運営するアミューズメント施設やゲームソフトを取り扱う大手量販店などで、5月下旬より運営開始を予定。当初は12店舗程度を順次オープンし、2008年度には店舗数1,500店、900億円規模の市場を目指すとしている。

 発表会には、コーエーネット代表取締役社長の伊藤通宏氏、同社取締役名誉会長の襟川恵子さんが出席し、本事業立ち上げの経緯やビジョンを語った。伊藤氏は「『RentaNet』は初の本格的なゲームレンタルサービス事業。コーエーネットではこれまでゲームソフト卸売事業で、非常に丁寧にゲームソフトを販売してきた。『RentaNet』でも細かい配慮を持ってサービスを行っていきたい」と挨拶。一方の襟川会長は、中古ゲーム市場の規模や、中古ゲームソフトを販売したほうがゲームショップにとっては利益率が高い、といった現状を踏まえ、レンタルによる利益をメーカー、およびクリエイターに還元し、ゲーム開発の投資につなげたいと語る。音楽や映画といったエンターテインメントコンテンツはCD、DVDの販売に加えて、劇場やライブ、レンタルといったさまざまな流通チャンネルが用意されているのに対して、ゲームソフトは販売のみで圧倒的にチャンネル数が少ないとし、「ソフト販売のみではなかなか市場が広がらないため、レンタルを展開することによって新たな顧客を発掘していきたい(襟川会長)」と話していた。

 続いて行われた質疑応答では、サービス開始当初のタイトルラインナップや店舗、レンタル価格といった詳細について質問が寄せられた。
 まず、サービス開始当初のタイトルラインナップや店舗についてだが、「多くのメーカーさんから賛同を得ている(襟川会長)」とコメントされたものの、メーカー名やタイトル名は明らかにされず「現在調整中」とのこと。タイトルのラインナップ数は、店舗側がコーエーネットからレンタル用ゲームソフトを購入する仕組みを取っているため、店舗によって異なるとしている。
 レンタルの価格に関して襟川会長は、発売後1~3カ月経過したタイトルを1カ月レンタルした場合、定価の8割相当となる5,000円強、9泊10日レンタルで2,700円~2,800円を例として想定。発売3カ月後~1年以降のタイトルで4泊5日で880~900円、1カ月が3,700円~3,800円、1年以上たった旧作は4泊5日で500円内などを挙げていた。しかしながら、ゲームはタイトルによってそれぞれプレイ時間が異なるため、「メーカーやショップなどさまざまな面から複合的に判断したい(襟川会長)」と慎重な姿勢を示していた。

 まだ明らかにされていない部分が多い「RentaNet」だが、長い年月をかけて成長をしていく新ビジネスとして、今後の展開に注目していきたいところだ。

コーエーネットが初の本格的なゲームソフトレンタルサービスとして新事業「RentaNet」を発表。本事業では、ユーザーの利便性だけでなく、レンタルによる利益をゲームソフトメーカーに還元し、ゲーム開発を支援する役割も果たすとのこと。

伊藤氏は、「RentaNet」のシステムなどを説明。本事業ではレンタルデータなどがサーバー上でネットワーク管理され、店舗側にとっても導入しやすい内容になっているという。

中古ゲーム市場や知的財産権などについても言及した襟川会長。ゲームソフトの流通チャンネル数を増やし、市場の活性化を目指すとした。


■関連サイト
コーエーネット ニュースリリース(pdf形式)
コーエーネット