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2005年2月24日(木)

「文化庁メディア芸術祭」贈呈式に『まわるメイドインワリオ』などの代表者らが出席

 本日2月24日、文化庁とCG-ARTS協会が主催する「第8回文化庁メディア芸術祭」の贈呈式が都内ホテルで行われた。

 「文化庁メディア芸術祭」は、優れたメディア芸術作品やその作者を表彰するとともに、その創作活動を支援し、広く紹介していくメディア芸術の祭典。今回は国内外から計1,498点の応募が寄せられ、「アート部門」、「エンターテインメント部門」、「アニメーション部門」、「マンガ部門」の部門別に大賞、優秀賞、奨励賞がそれぞれ選出された。

 ゲーム関連では、ゲームカートリッジに内蔵されている回転センサーにより、ゲーム機自体をまったく別の遊び道具に変えたという斬新さが高く評価されたGBA用ソフト『まわるメイドインワリオ』が「エンターテインメント部門」の大賞に輝いた他、ニンテンドー DS内蔵機能「ピクトチャット」とPS2用ソフト『鬼武者3』のオープニングシネマティクスが同部門の優秀賞を受賞。本日行われた贈呈式には、『まわるメイドインワリオ』開発チーム代表の阿部悟郎氏、「ピクトチャット」開発チーム代表の黒梅知明氏、ROBOT代表取締役の倉澤幹隆氏が出席し、壇上で文化庁長官の河合隼雄氏から賞状とトロフィーを受け取った。

 ステージに登壇した阿部氏は、「『まわるメイドインワリオ』は、遊んでくれる人を笑わせよう、ビックリさせよう、楽しませようというスタッフ1人1人の遊び心が凝縮されたゲーム。さまざまなアイデアがぎっしり詰まったオモチャ箱が大賞を受賞し、スタッフ一同大変喜んでいます。これを機会に普段ゲームをプレイしない人も興味を持ってくれるとうれしいです」と大賞を受賞した喜びを語った。

 「エンターテインメント部門」では、『バイオハザード4』や『ラクガキ王国2 魔王城の戦い』、『メタルギア ソリッド3 スネークイーター』、『NINJA GAIDEN』、『O・TO・GI~百鬼討伐絵巻~』などが推薦作品として選出されている。同部門の審査委員を務めるゲームクリエイターの鈴木裕氏はゲーム/遊具コンテンツの作品講評を、「発想の斬新さ、オリジナリティの高さ、チャレンジの度合いなどに重点を置いて評価した。ニンテンドー DSなど新型のハードウェアの登場により、タッチパネルやワイヤレス通信などの新しい遊びの可能性が提案されたことは喜ばしい。人気、マーケットバリューともに申し分のない作品の応募があったが、新しいチャレンジや強い個性を持った作品は少なく感じた。来年はよりチャレンジブルな作品の応募を望む」と述べている。

 明日2月25日~3月6日の期間には、東京都写真美術館で受賞作品の展示が行われる。ゲーム作品に関わらず、約170点のメディア芸術作品が展示、上映されるので、興味がある人は足を運んでみるといいだろう。

今回で8回目を迎える「文化庁メディア芸術祭」。受賞作品の展示会では、ミニシアターなどで受賞・推薦映像作品がすべて上映される。



「エンターテインメント部門」大賞に輝いたのは、GBA『まわるメイドインワリオ』。登壇した阿部氏は「チームの代表としてステージに上がっているが、このゲームはスタッフ1人1人のアイデアが凝縮されているタイトル」と述べた。



「ニンテンドー DS」の魅力を最大限に伝えるための答えのひとつがこのピクトチャットだという黒梅氏。「ハードに内蔵されるソフトということで、あまり日の目を見る機会がないのではないか? と考えていたが、このような高い評価を得たことで自信を持つことができた」と受賞の喜びを語った。



ゲームのプロモーション映像という領域を超え、ひとつの映像作品としての完成度と魅力を備えていることから、優秀賞に選定された『鬼武者3』のオープニングシネマティクス。贈呈式にはムービー制作を担当したROBOTの倉澤氏が出席。

Character Samanosuke by (C)Fu Long Production, (C)CAPCOM CO.,LTD 2004 ALL RIGHTS RESERVED.
(C)2004 Nintendo

データ

■「第8回文化庁メディア芸術祭」受賞作品展
【開催期間】2005年2月25日~3月6日
【開催場所】東京都写真美術館

■関連サイト
「文化庁メディア芸術祭」