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2005年5月17日(火)

ラストにはプレイステーション3を初披露!SCEカンファレンスは驚きの連続

 「E3 2005」開幕を目前に控える現地時間5月16日、米・ロサンゼルスのソニーピクチャースタジオにてSCEのカンファレンスが開催された。速報にある通り、SCEはこのカンファレンスで「PLAYSTATION 3(プレイステーション3)」を2006年春に発売することを正式に発表。このレポートでは、PS3のスペックやスクリーン上で披露された映像にスポットを当てつつ、発表会の様子をお伝えする。

 会場の巨大スクリーンに最初に映し出された映像は、これまでにSCEが開発してきたPS、PS2、PSPという3つのハードの歴史を振り返るというもの。PSとPS2の全世界における出荷台数が1億9千万台、10年間での発売タイトル数が1万3千タイトルを突破したことなどが明らかにされた。

 続いてSCE代表取締役社長の久夛良木健氏が登壇し、高性能プロセッサ「Cell」や「BD-ROM(ブルーレイディスクROM)」の採用など、これまでに発表されていたPS3のスペックをあらためて紹介。さらに、Bluetooth通信を利用した無線コントローラーや前面に4つ、背面に2つ用意されるUSBポート、SDカードやコンパクトフラッシュを読み取ることが可能な入出力機能についてコメントし、ユーザーが待ち続けていたPS3の全貌を徐々に明らかにしていった。

 リリースに記載されているスペックの数字だけではわかりづらいが、PS3にグラフィックプロセッサを提供したNVIDIAによる技術デモンストレーションが披露されると、会場内からは大きな拍手が送られた。それぞれの映像からわかることは、キャラクターや背景といった全体の質感と、水面や人間の瞳に映り込む光の表現力の向上。これまではムービーとして使用されていた美麗なグラフィックを、プレイヤー自身がリアルタイムで操作することが可能だ。

 続いて、スクウェア・エニックスにより今回のために制作された作品「ファイナルファンタジーVII テクニカルデモ for PS3」が上映され、一際大きな歓声が上がった。この映像では、PS用ソフト『ファイナルファンタジーVII』のオープニング、“クラウド”が列車を飛び降りるシーンまでが再現されていた。発表会に出席していたスクウェア・エニックス代表取締役社長の和田洋一氏は、「現時点では『FFVII』のリメイクは予定していない」と話していたが、PSからPS2へ、そしてPS2からPS3への進化を体感させる強いインパクトを会場に残した。

 またスクリーンでは、サードパーティを含めた数社から発売が予定されているPS3用タイトルのプロモーション映像を一挙公開。カプコンの『Devil May Cry 4』やコーエーの『NioH(仁王)』、ポリフォニー・デジタルの『Vision GT』といった国内メーカーの作品に加え、FPSを得意とする海外メーカー陣のタイトルなど、充実のラインナップに注目が集まる。

 事前情報が少なかっただけに、これらのデモ映像や出展メーカーの発表だけでも驚かされたが、カンファレンスの最後に再び登壇した久夛良木氏は「最後に重要な発表があります」と前置きした上で、プロトタイプのPS3本体を公開。突然の発表に会場は大いに湧き上がり、ステージ前にはPS3本体をカメラに収めようとする報道陣で溢れかえった。

 ついに発表されたPS3は、今までの据え置き型ゲーム機を大きく上回るスペックと機能を搭載している。ハードの詳細なスペックや発売時期が発表された今、ユーザーが次に気になる点は、PS3で実現する新しいソフト、新しい遊び方がいったいどのようなものになるかということ。本日参入を明らかにしたメーカーの動向はもちろん、SCEが発売に向けてどのようなタイトルを揃えてくるのか、続報を楽しみに待っていよう。

会場の暖かい拍手に出迎えられたSCEAプレジデント&COOのカズ・ヒライ(平井一夫)氏は壇上でPS・PS2・PSPの歴史を振り返った。



久夛良木氏は他機種との比較を交えつつPS3の詳細なスペックを解説。



コーエーのシブサワ・コウ氏やコナミの小島秀夫氏ら、参入メーカーを代表するクリエイターからのビデオメッセージも届いた。小島氏は「クリエイターの腕の見せ所」と語り、PS3用ソフト開発に意欲を見せた。



PS3の性能をアピールするために披露された各社の技術デモ。海外でも人気の高い『FF』シリーズだけに、「ファイナルファンタジーVII テクニカルデモ for PS3」の映像は、会場中の視線をクギ付けにした。

ホワイト、ブラック、グレーの3色が発表されたPS3のプロトタイプ。次世代のディスクメディアであるブルーレイディスクROMを使用し、PSの歴史の新たな第一歩を踏み出す。


データ

商品名 PLAYSTATIONR3
CPU Cellプロセッサ
PowerPC-base Core @3.2GHz
1 VMX vector unit per core
512KB L2 cache
7 x SPE @3.2GHz
7 x 128b 128 SIMD GPRs
7 x 256KB SRAM for SPE
※8つのSPEのうち、1つはリダンダンシーのため
浮動小数点演算性能:218 GFLOPS
GPU RSX @550MHz
浮動小数点演算性能:1.8 TFLOPS
Full HD (最大1080p) x 2 チャンネル
Multi-way programmable parallel floating point shader pipeline s
サウンド Dolby 5.1ch、DTS、LPCMなど (Cell-base processing)
メモリ 256MB XDR Main RAM @3.2GHz
256MB GDDR3 VRAM @700MHz
システムバンド幅 Main RAM25.6GB/s
VRAM 22.4GB/s
RSX 20GB/s (write) + 15GB/s (read)
SB 2.5GB/s (write) + 2.5GB/s (read)
浮動小数点演算性能 2 TFLOPS
記憶領域 HDD デタッチャブル 2.5” HDD slot x 1
入出力 USB 前面 x 4、背面 x 2 (USB2.0)
Memory Stick 標準/Duo、Pro x 1
SD 標準/mini x 1
CompactFlash (Type I、II) x 1
通信 Ethernet (10BASE-T、100BASE-TX、1000BASE-T) x 3
(インプット x 1 + アウトプット x 2)
Wi-Fi IEEE 802.11 b/g
Bluetooth Bluetooth 2.0 (EDR)
コントローラ Bluetooth (最大 7台)
USB2.0 (有線接続)
Wi-Fi (PSPR)
Network (over IP)
AV出力 解像度 480i、480p、720p、1080i、1080p
HDMI HDMI出力端子 x 2
アナログ AV MULTI OUT (AVマルチ出力)端子 x 1
デジタル音声 DIGITAL OUT(OPTICAL)(光デジタル出力)端子 x 1
Disc media
※読み出し専用
CD PlayStation CD-ROM
PlayStation2 CD-ROM
CD-DA (ROM)、CD-R、CD-RW
SACD SACD Hybrid (CD層)、SACD HD
DualDisc (音楽専用面)、DualDisc (DVD面)
DVD PlayStation2 DVD-ROM
PLAYSTATION3 DVD-ROM
DVD-Video(DVD-ROM、DVD-R、DVD-RW、DVD+R、DVD+RW)
Blu-ray Disc PLAYSTATIONR3 BD-ROM
BD-Video BD-ROM、BD-R、BD-RE

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