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2004年4月8日(木)

DEAの入学式で、『ドラクエVIII』開発コンビ・堀井氏と日野氏の対談が実現!?

 本日4月8日、都内ホテルにてコンピュータ専門学校「デジタルエンタテインメントアカデミー(以下、DEA)」の入学式が行われた。

 DEAは、SCEや任天堂、マイクロソフトをはじめとするハードメーカー、スクウェア・エニックスやセガといった一流ゲームソフトメーカーの出資により運営されている専門学校。特別講師にアーマープロジェクトの堀井雄二氏やキャメロットの高橋宏之氏を迎えるなど、スキル重視のカリキュラムが組まれている。

 本日の入学式では、現在『ドラゴンクエストVIII』や『トゥルーファンタジーライブオンライン』の開発を担当しているレベルファイブの代表取締役社長・日野晃博氏による特別講演会も実施。日野氏は、まずレベルファイブが携わってきたタイトルを紹介し、日野氏がゲーム業界に入ろうと思ったきっかけは20代の頃にプレイした『ドラクエIII』だったと明かす。「エンディングシーンで感動して、こういう作品を自分でも作れないだろうかと感じた。今、最新作を作っているのは不思議な感じ。『ドラクエ』にゲームの楽しさを教えてもらい、その恩を返しているような感覚です」と、当時を振り返りながらシリーズの思い入れを語った。
 さらに、この場にいる新入生たちがプロとして仕事をする頃は間違いなくゲーム機の世代交代が起こっていることから、次世代ゲーム機についても触れ、「個人的に、人工知能をもっと進化させたゲームが登場することを期待している」と話していた。

 また、講演会では同校の役員として入学式に列席していた堀井雄二氏も壇上に登場し、日野氏との対談が実現。『ドラクエVIII』の制作において、いくつかのアイデアが堀井氏によってあっさりボツとなったことが、日野氏にとって非常に印象的だったという裏話も披露された。堀井氏は「僕はプログラマーだが、いちユーザーでもある。例えば、現状『ドラクエ』では町の人との会話で、1人につき返答パターンは3種類程度しか用意していません。もし1人につき100パターン用意してあったとしたら、同じ人に100回話し掛けないといけなくなってしまう。自分でもプレイしたときに辛いだろうなと思うから、ユーザーにとって面倒な作業になることはまるごと削ってしまうんです」とコメント。これを受けて日野氏は「『ドラクエ』は贅肉のない、シンプルな作品。さまざまなゲームを作っていて“(システムなどが)ないよりはあったほうがいいだろう”とか、“せっかく考えたんだから”と思っていたところがあったので、目が覚めたようだった」と話していた。

 最後に2人は「自分で何をすべきか理解し、行動できる“野生のクリエイター”を目指してほしい」と述べ、講演会は終了。本日入学式を迎えた学生が、将来素晴らしいタイトルを生み出してくれることに期待したい。

都内ホテルで行われたDEAの入学式。学長をはじめ、カプコン常務執行役員の山下佳文氏、ニフティ取締役の本名信雄氏といった来賓が祝辞を述べた。

自身のゲーム制作に対するポリシーや次世代ゲーム機などについて語られた日野氏の講演会。レベルファイブには、DEAの卒業生が3名ほど入社していることから、講演を引き受けたとのこと。

列席していた堀井氏が講演会に飛び入り参加! 「『ポートピア連続殺人事件』から20年でハードは驚くほど進化しているが、忘れてはいけないのはプレイヤーが昔も今も変わらず人間であるということ。自分の頭の中にあるアイデアを現実で形にできるように頑張ってほしい」と学生たちに激励のことばを送った。

シリーズ最新作『ドラクエVIII』を制作しているコンビによる対談が実現し、講演会は非常に豪華な内容となった。


■関連サイト
デジタルエンタテインメントアカデミー