Blizzard Entertainmentは本日3月6日、日本のプレス向けに『WarCraft III:Reign of Chaos(WC3)』拡張セット『WarCraft III:Frozen Throne』、並びに開発中の大規模オンラインRPG『World of WarCraft』の記者発表会を開催した。
『WC3』は、内政を簡素化して戦略、戦術面を重視したリアルタイムストラテジーゲーム(RTS)。今回記者発表会が行われた『Frozen Throne』は、『WC3』に新たにユニットなどを追加するもので、新要素はもちろんゲームバランスの調整なども行われる。
『World of WarCraft』は、『WC』の世界観をベースにしたMMORPG。プレイヤーは、ヒューマンやオークといったおなじみの種族になり、『WC』の世界で冒険ができるのが特徴となっている。
今回の記者発表会では、上記2タイトルをBlizzard副社長にして世界的なゲームクリエイターとして知られるビル・ローパー氏が実演、新要素などの解説を行ってくれた。
■『WarCraft III:Frozen Throne』
『Frozen Throne』は、既存の『WC3』に導入することで、さまざまな新要素が追加される拡張パック。この新要素は「2つのキャンペーンシナリオ」「各種族に4キャラ目のヒーローの追加」「新たなユニット」「種族ごとに用意されたショップ」「3つの新地形」「中立な建築物とヒーロー」「パワーアップしたワールドエディタ」「マルチプレイ用新マップ」「Battle.netにおけるクランシステムの導入」などが上げられる。
今回のプレゼンでは最初に、水に覆われた新タイルセット「Sunken Ruins」と、そこに配置された亀のような新クリープを紹介。さらに、その後4種族の新ヒーローの解説と、レベル6以降修得可能なアビリティを実演した。
また、この中でいくつかの新ユニットが紹介されたのだが、それらは各種族の弱点を補うものになっていた。具体的には、ヒューマンには塔を無力化するユニット、オークには回復能力を持つヒーローと飛行ユニット、アンデットにはアップグレード前は耐久力の高い石像、アップグレード後に飛行ユニットに変化するものが用意された。また、ナイトエルフにも耐久力がある巨人が追加される。さらに新ユニットだけではく、既存のユニットもアビリティが調整されるとのこと。
発売時期は2003年夏を予定しており、現在クローズドβテストの準備が行われている。なお、日本語版は今のところ販売元が決まっておらず、製作も未定となっている。
■『World of WarCraft』
2001年のECTSに出展されて以来、Blizzard初のMMORPGとして注目を集める『World of WarCraft』。今回の実演では、実際にいくつか用意されているキャラクターでプレイし、本作の特徴の説明が行われた。
画面構成は、客観視点の3D表示で、カメラ位置がやや高めなため、遠くまで見渡すことができる。また、主観視点モードもあり、こちらに切り替えるとリアルスケールで描かれた世界の迫力を感じることができるようになっている。ビル・ローパー氏によれば「建築物などは、基本的に現実と同じ大きさで描くようにしている」とのことだ。
また、エリア切り替えはシームレスに行われ、画面が暗転することはない。わずかに読み込みがあるようだったが、自然に明るい農場のようなエリアから暗い森のエリアへと移動する様子を確認できた。このエリア切り替えにもBlizzardではかなり気を配っているらしく、キャラを変えながら数回に渡ってエリア移動してみせてくれた。
こちらは発売日は未定だが、2003年冬よりβテストを実施するとのこと。『Diablo』シリーズをはじめ、数々の名作を世に送り出してきたBlizzardのMMORPGということで、ぜひ参加したいところだ。
発表会では上記2タイトルのプレゼンが終了したあと、「WCG2002」で日本人初の金メダルを獲得したHALEN氏がゲストとして登場。現在『WarCraft III』もプレイ中とのことで、「WCG2003」については「練習する時間がとれれば『WC3』で出場したいですね。出るからには勝ちたいと思います」とコメント。『Frozen Throne』にもかなり期待しているらしく、「今日、『Frozen Throne』をプレイさせてもらえませんか?」とビル・ローパー氏に頼み、「これからランチだから、そのときにプレイしてみるといいよ」と快諾される、ほほえましい会話も行われた。
どちらのタイトルも『WarCraft』ファンには注目の作品であり、発売日が待ち遠しいばかり。また、『Frozen Throne』の日本語版については、「拡張セットなので、『WC3』ほど英語版と日本語版の発売時期がずれることはないと思う」とのこと。英語版とほぼ同時に、日本語版が発売されることに期待したい。
Blizzard Entertainmentの開発総責任者でもある、ビル・ローパー氏が来日。2つの『WarCraft』関連タイトルの実演を行った。
ヒューマンの新ヒーロー「Blood Mage」。「Frame Strike」をはじめとした、強力な魔法を行使する。
オークの新ヒーローは、「Chain Ligntning」の回復版ともいえる「Healing Wave」を使うことができる。
アンデットのユニット「Crypt Fiend」の親分のような新ヒーロー「Crypt Lord」。クモ状のユニットかと思われていたが、甲虫のような姿となった。
ナイトエルフの新ヒーローは、テレポート能力と多くのナイフを飛ばすアビリティを持つ。
中立ユニットのリーダーはパンダ。見た目はファンシーだが、酒を飲んで火を吹き、酔拳を繰り出すことができる。
『WarCraft』の世界で冒険ができるMMORPG『World of WarCraft』。原作がRTSなだけに、大規模な戦争なども楽しめるかもしれない。
世界最強の『Age of EmpireII:The Conquerors』プレイヤー、HALEN氏とがっちり握手するビル・ローパー氏。
データ
▼『WarCraft III:Frozen Throne』
■メーカー:Blizzard Entertainment
■対応機種:PC(対応OS:Windows98/Me/2000/XP,MacOS 9/X)
■ジャンル:SLG
■発売日:2003年夏
■価格:約35ドル
▼『World of WarCraft』
■メーカー:Blizzard Entertainment
■対応機種:PC
■ジャンル:RPG
■発売日:未定
■価格:未定
■関連サイト
・『WarCraft III:Frozen Throne』公式サイト(英語のサイトです)
・『World of WarCraft』公式サイト(英語のサイトです)