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カプコン 小林裕幸氏が語る人気キャラクターを生み出す“きっかけ”

 電撃が贈るスペシャルトークイベント! 今回のゲストは大人気スタイリッシュ英雄(HERO)アクション『戦国BASARA』シリーズを手がける小林裕幸氏が登場です。ゲームクリエイターを目指す人なら必見の話題が続々!

 去る7月29日の午後、アミューズメントメディア総合学院の大阪キャンパスにて、「電撃クリエイタートークVol.8」が開催されました。この日のゲストはカプコンの小林裕幸氏。『戦国BASARA』シリーズにおいて斬新な切り口で描いたキャラクターでファンを魅了した、その小林氏のプロデューサー業務における数々の貴重なお話をしていだきました。

■『戦国BASARA2』におけるキャラクターの魅力

――今回のゲストは『戦国BASARA』シリーズのプロデューサーである小林さんをお招きし、いろいろとお話をうかがおうと思います。では、小林さんよろしくお願いします。

こちらこそよろしくお願いします。今日は若い人たちがたくさんいますね(笑)。7月22日に「Zepp東京」でイベントをやったのですが、1,000人中の99%が女の子で(笑)

――凄かったらしいですね(笑)

映像を流せば最初から最後までずっとキャーキャーでしたね。「幸村っ!!」って、そういうのがずっと(笑)。

――そういうのって声優さんがきて、ワーワーっていうのはあるじゃないですか。キャラクターで?

そうですね。キャラクター人気がおかげさまで。まあ全部のキャラクターに対して全員がキャーキャーしてたわけじゃないですけども(笑)。でも、「このキャラクター人気ないんだ……ガックリ」、「お! このキャラクターが予想以上に人気あるなぁ」と、各キャラクターの人気のパラメーターがよく分かりまして。“長曾我部”というキャラクターは四国の武将なんですが、これが予想以上にキャーキャー言われて、なんでこんなに人気があるんだろう? ってスタッフや声優さんと話したりしてましたね。

――では、まずは最新作『戦国BASARA2』のお話をうかがいたいと思いますが、前作との違いの部分というのは?

今回は「ストーリーモード」というものを用意しましたが、これが『2』のウリとなる部分です。ゲーム紹介映像ではいきなりもう冒頭から主役2人の対決シーンをチラっと見せてロゴを出しているというところで、「ストーリーモード」をメインにしていることがわかっていただけるかなと。基本的にはキャラクターを主体にしているゲームで、映像ではキャラクター紹介が中心ですね。

――『戦国BASARA』のキャラクター人気は非常に高いですよね。

おかげさまで(笑)。『2』では新キャラクターの“前田慶次”が主役で、彼は自由奔放の歌舞伎で、恋をテーマにしています。“伊達政宗”は前作の主役キャラクターで、六爪流(ろくそうりゅう)ですね。“真田幸村”は、武田軍に仕える若い武将でして、イメージカラーが赤なので主役っぽく見られますが、実は“伊達政宗”の方をメインに据えてます。日本人は赤がヒーローで主役みたいな感覚があって、社内でも2人の素材を出すとなぜか“幸村”だけにされるという(笑)。

――今回は“長曾我部元親”と“毛利元就”もプレイヤーキャラクターとして登場しますね。

“長曾我部”は前作では敵武将として登場していました。武将の中ではそんなに有名じゃない戦国武将だったんですが、海賊のイメージでやろうってことでやったら、なんか人気がでまして。“毛利”は武器が新しくなって、このワッカの刀はどうやって使うんだっていう(笑)。で、史実を根底から覆す“豊臣秀吉”に、新キャラの“竹中半兵衛”。“竹中”はマスクしてますからね。

――こんなにデカイ“秀吉”というのも、すごいですよね(笑)。

覇王って言ってますからね。猿じゃなくて大猿(笑)。武器もなくて、敵を捕まえてそれをクルクル回して投げるとかね。

――『戦国BASARA』のよさって、そういうぶっちゃけ感がありますよね。

そうですね。『戦国BASARA』の醍醐味はド派手な技を繰り出す「バサラ技」にあります。“竹中半兵衛”の技は空中で敵を止めて倒すのですが、これが気持ちいいんですね(笑)。今回は“片倉小十郎”という敵武将にも力を入れてまして。マイナーですけど“伊達政宗”の部下を作りたかったんですよ。そのほかにも、織田軍に対しての浅井軍で、“浅井長政”と“お市”。この“お市”は“信長”の妹で、このような解釈でオドロオドロしい女性として描いてます。“宮本武蔵”は悪ガキっぽく、やんちゃっぽく出してます。

――『戦国BASARA』は歴史を題材としたゲームの中では異質で、キャラクター人気がものすごく高いですが、どういう発想でキャラクターメイクをされますか?

前作の話になるんですけど、やっぱりキャラクターを作るのってすごく難しくて。そのまま史実の武将をだしても面白くない。大河ドラマをやるわけではないので、ゲームのキャラクターに落とし込むときに、いかに個性的なキャラクターを用意できるか。『戦国BASARA』でしたら16人作りましたが、まぁわかりやすく言えば、やっぱりかっこいいキャラクターを作りたかったんですよ。16人いるわけだから、パワーファイターもいますし、テクニカルなキャラクターもいて、ゲーム性とあわせながらビジュアルをつめていく。有名な武将をどういう風にアレンジしていくかというなかで、例えば“伊達政宗”は独眼流と三日月の兜は当然外せない……じゃあどうするかというときに、モーションを担当してるスタッフから「じゃあ6爪、ようは刀6本にしよう」という案が出まして。ビジュアルは『デビルメイクライ』の“ダンテ”を描いてもらったデザイナーの土林が、竜のウロコっぽい刀を描いたりとか、黄金の稲妻の模様をファッションとして身体に描いたり、独眼流政宗のイメージをもとに、いろいろとデザインを考えてくれたんです。で、その土林とグラフィックのディレクターの意見がぶつかりあいながら、新しい伊達政宗ができあがったという感じです。誰かすごい天才クリエイターがいて、その人間が全て作り上げてるってことではなくて、『戦国BASARA』はホントに総合力で、みんながやりたいこととか、いいことを取り入れながら、まとめていったという感じですね。人によって好みがあるので、好きなキャラクターのときは口うるさくて、どうでもいいキャラクターのときは何も口を出さないっていうスタッフもたくさんいましたが(笑)。

――史実と全然違うのかっていえばそうでもないし、微妙に史実と絡めていたり、そういったキャラクターたちがとても魅力的ですよね。“政宗”が英語を話したりするのは、実は史実的に側近の1人が外人だった説があったりとか、考えてしまう部分もありましたね。

そうですね。史実なのか、フィクション小説からなのか、歴史の漫画からなのか、キャラクターを生み出す“きっかけ”というのはいろいろですね。キャラクターを作る際には、戦国武将っていう力を借りているわけで、例えばそれが“豊臣秀吉”だから、「え〜〜」とか「こんなんないよ」とか「これってああなんじゃないの?」という意見が出てくる。キャラによっては史実に両足ついているキャラクターもいるし、つま先しかついていないキャラクターもいるんですけど、歴史をしっかりと調べて、ちょっとした“きっかけ”を膨らましていきます。

――デザイナーとディレクターが意見をぶつけあってとおっしゃっいましたが、プロデューサーの仕事として、どのように話を進めていますか?

僕もいろいろなタイトルを抱えてる中で制作しているので、つきっきりになることはできず、デザイナーの土林とディレクターの山本がメインで話を進めてくれました。僕は、そのデザインを振る前にキャラクター設定を考えるんですが、開発チームの中でどういう武将を出したいかアイデアを募って、パワー型やテクニック型というようにゲーム的な配分をしていきます。で、次に性格付けですね。例えば“上杉謙信”は新しく描き起こしたんですが、実はごつい武将じゃなくて、歴史的に女性説とかがあって、そのへんを“きっかけ”にしながら、男か女かわからないような設定にしてたりします。

――そういった部分が『戦国BASARA』のキャラクターの魅力に結びついていますね。

他でやっていることはやりたくないってのがありまして。歴史を題材にしたゲームはたくさんありますので、やっぱり切り口を変えて、ウチではこういうキャラクターにしようと、『戦国BASARA』ならではのキャラクターにしようと。“本多忠勝”も歴史的に合戦に出て傷ひとつなく帰ってきた徳川家康の右腕的存在というところで、鎧がっちりにして、強いキャラクターにしてしまったという感じですね。

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